半額主義から季節外れの鮟鱇をいただく
鮟鱇って難しい字。「アンコウ」と読みます。
☆
安く買えました。
鮟鱇はパソコンだと変換は簡単(笑)。
でも、そのうち漢字書き取りでもしないといけません。
アンコウは光の届かない深海にいる魚です。
頭の先からライトみたいなのがぶら下がっていて、それを光らせて目の前に虫やプランクトンを集めて、食べている。
・・・イメージですけど(笑)。
だって水族館にはいませんもの。見たわけじゃありません。そんな水深は水族館では再現できないんだから。
マンボウっていうのもいます。
あれもすごく深い水深の、それこそ海溝の底まで遊びに行ったりするそうですけど、陽がポカポカとする時には海面まで上がっていって横になってウトウトしているっていうんです。
可愛らしいw。
彼の場合は水深が浅くてもいいんですね。だから水族館でも見れます。
「アンコウ」なんて食材は、主に冬にいただくものです。
寒い冬、深海にいた彼らはそこから少し上の方の海に上がってきて、採りやすくなったところを捕まえます。
水深の深いところ、そこから水圧の高いところから低いところへ、いきなり引き上げられます。
ブヨブヨと柔らかい、いかにもコラーゲンたっぷりの、コラーゲンの鎧に固められた体が膨張しています。
とったアンコウは、三角に組んだ木から逆さに吊るして、吊るした状態で捌きます。
あんこうはヌルヌル、クネクネとしていてまな板の上では扱いにくいから。
そうして、切り分けたものを鍋に投入、冬の野菜もたっぷり。そうしていただくアンコウ鍋は東北地方の冬の風物詩でした。
アンコウ料理を出す店はたいてい海の近くにありました。
外は松林を冷たい風が吹き抜けている、そんな温かい店の中でアンコウ鍋をつつきます。
皮やコラーゲンによく火が通って、ホカホカと体が温まるのです。
なんて・・・いや、よしときましょう(笑)。
こんな季節外れの振り返りもちょっとない。
これ以上話したら暑くなってしまいそうですから(笑)。
こんなアンコウが季節をまたいで残ったのかどうか、アンコウが冷凍で処分品になっていました。
やはり冷凍に耐える食材なのでしょう、目立った変色はしていません。
霜を見ると長い期間冷凍されていたのは分かります。
「こんなの冷凍でバシバシだよ」なんて、嫁が買うのを反対することがありますが、冷凍に耐える食材というのはあります。
アンコウ鍋用の冷凍モノ。アンキモは入ってませんでした。
随分と安かった。半額以下、四分の一ぐらいでした。迷わずお買い上げ。
しかしやはり「この季節に暑苦しいかも」とはちょっと思った。少しアタマをよぎりました(笑)。
ネットでレシピなんかを調べてみると、アンコウは何も鍋でなく、そのまま汁にして食べる人もいます。
鍋、煮付け、すまし汁、味噌汁と、なんでもアリだそうです。
それならと、今回は潮汁仕立てであっさりと作ってご飯と食べることにしました。
まず昆布を入れておき、ダイコン、人参、エリンギ。
野菜を水から火を入れて、熱くなったらすぐ火を止めます。
冷まして味が出るのを待ちます。
「待つ」といっても、他のことをやってるだけ。
食事する前のこと。ちょっと火を入れてから置いておけばいい。
食材は水から茹でて冷める時に味が具から浸み出します。
味を浸みこませたいなら沸騰したところへ入れる。
ウチは最近、こうして一度火を入れて冷ますというのを習慣にしています。味噌汁も同じようにしています。
食事の時間になったら再び火を入れ、茹だったらアンコウを投入します。
大事に温存しておいたピンク岩塩を久しぶりに使ってww、塩だけの味付け。
おマジナイに料理酒は少し入れました。
庭に生えているセリをたくさん採ってきて仕上げです。
もう固くなってしまっていますが、汁にするならまだイケる。
暑苦しく感じることもなく美味しく食べられました。
食感が美味しいものです。
ヌルヌルとした皮付近、コリコリとしたところが最高の食感。
ひとしきり二人して黙ったまま食べていました(笑)。
いい味が出ているね、なんて私が口を開いたと思ったら、嫁がすぐに動いたw。
キラリ、なんて。
ニュータイプかっww。
こういう料理の時はいつものことです。
嫁はご飯茶碗から汁にご飯を投入し、即席の「カンジャ」にし始めた。
やっぱり美味しいねぇニコニコ、なんて。
嫁は鰤大根にしてもよくそんなことをします。
アタシはあまりそれはしない。
だってそれじゃ全てがカンジャ料理になっちゃうじゃない。
「だからこうして半分ぐらい食べてからやるんだよ!」
ああ、・・・はい。
そうですか。
お見それしました。
めいしくおしあがれ
