「情報」という商品こそ地球に優しいのか?
誰でも、「地球に優しい商品を」と考えるとき、きっと真っ先に「情報」というものを挙げることだろう。
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今の我々の社会を考えれば、情報こそクリーンで、しかも価値がある生産物ではないか、と。
情報は炭酸ガスも排出しないしゴミも廃棄物も出さない。
情報こそがこれからの世界の経済、地球を支える商品だ。
と。
果たしてそうだろうか。
今は情報過多と言ってよい社会だ。
社会には情報が溢れている。
余計な情報があるから人は移動したがる。
移動しなくても済むはず、テレワークで済むはずだったのに、余計な移動が起き密集が生じている。
クラスターが再び発生している。
今のコロナ感染は、二酸化炭素の排出問題に置き換えることができる。
生物多様性の問題に、森林の伐採に、気候変動にコロナ感染は喩えることができる。
あの店が旨い、あそこが面白い、あのスポットが美しい。
そうやって、隠れていたもの、これまでひっそりとそっとされていたものが人の知るところとなる。
情報はそうやって実体経済へ影響を与える。
情報によって現実の動きや波が大きくなる。
情報は現実を動かす。人を動かす。
情報が溢れてしまうことでかえって確実なものとは言えなくなり、確かめるために現実に出向かなければならなくなる。
情報のために、わざわざ動かなくてはならなくなる。
娯楽も消費も、その消化のスピードが早くなったのは情報のせいだとも言える。
それは炭酸ガスの排出につながる。
自然環境の激変につながってゆく。
コロナ感染のクラスターを産む。
アフリカの土人ですらアイパッドを持つ。
情報の氾濫は間接的に地球を毒しているのではないか。
地球にとって悪影響となる情報というものもあるのではないか。
そう考えることもできる。
「止まっていたら何もできない」国交省の官僚は「GoToトラベル」に関しそう言った。
官僚は人を動かして観光業を立て直そうというが、できるだろうか。
結局、日本中に人の移動を起こさせ、かき混ぜることはできないだろう。
「GoToトラベル」の趣旨は曖昧で、この情報が現実に大きな影響を及ぼすとは思えないからだ。
もし今回が「地球に優しい情報(政策)」であるとすれば感染は拡大しない。
もし「地球に結果として影響をもたらす情報(政策)」であれば、コロナ感染は拡大する。
こんな尺度が使えるように思えてならない。
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