鰤の照り焼きの裏技
「ブリ照り」と略したりしています。
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照り焼きです。
これは正しくは鍋や網なんかで焼きます。ダシに漬けておき焼きながらその汁をスプーンですくって鰤にかけながら仕上げてゆきます。
テリテリになるカラメル状の衣をまとった焼き魚の一種です。
香ばしくてしっとりとしていて味醂や砂糖の甘みが効いて美味しい。
ところが、こんなことはやってられないということで我々は試行錯誤しました。
スプーンで汁をかけながら焼くなんて大変です。
だからと言って放置すれば煮付けになってしまったり、グリルで焼いたら蒲焼になってしまったり。
どうにもうまくいきません。
「ブリ照り」と言う独特の感じが欲しい。
最近の結論は「粉をまぶす」ということ。
小麦粉を薄くつけて、和風だしでいわゆるムニエルにするわけです。
まず小麦粉を薄くつけて弱火で焼きます。
すると小麦粉が絡まって白い色が抜けてゆきます。その頃合いを見て出し汁をかける。
そうすると、その小麦粉がダシを吸ってくれて弱火の火で溶けた衣のようになってくれる。
焼き目もついて照り焼きになります。
食べると、ああこれはブリ照りだという、納得の食感になってくれます(笑)。
特徴があり美味しいものです。
蒲焼でもないし煮付けでもありません。
考えてみると何も物事は文字通りにそのままをやる必要はありません。
結果が伴えばいいのです。
料亭や旅館なんかの宴会で大量の焼き魚を作るというので、仕込み代わりに一度茹でてしまいます。
茹でておいた魚に焼き目をつけて焼き魚の出来上がり、なんて話もあったりします。
この小麦粉のやり方は鶏なんかだと字部煮にもなりますね。あちらは片栗粉がよい。
毎日が美味しいものでいっぱい。
何気ないものが美味しいのがよい。
それこそ納豆や海苔で食べられてしまいます。不自由があると思うと簡素なものに喜びを感じる毎日。
脚下照顧です。
めいしくおしあがれ
