土井義晴さんのサバ蕎麦をやった
どうしても生まれの関係からか、蕎麦にはこだわりがある。
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もともと、頑として牛肉を蕎麦の具にすることはせず、蕎麦には長ネギを珍重し、あれば最高とばかりに常に長ネギを追い求める者である。
もちろん九条ネギなどは使わない。アクの強い、あの長ネギがいい。
そして汁は甘辛の濃い色。
そこはすっかり嫁との生活で薄くはなったものだが・・・。
まあ、そんなだから、関西出身の土井義晴氏の「サバ蕎麦」というのは聞いたときから違和感があった。
だから、サバ蕎麦というのはどうしても抵抗があったのだが、
しかし、一度でもブログに書いてしまうとしょうがない。
言論に責任を持つというほどのことではないが、どうしてもやらないわけにはゆかないと思ってしまっていた。
そして先日の晩、あんまり先日のブリの白子のドライトマト和えが美味しかったものだから、二匹目のドジョウではないがまた入手できるかと、閉店間際に同じスーパーにでかけた。
コロナのこともあるが、閉店間際だから人も少なく快適だ。
調べると今がブリの白子のシーズンなのだとか。
残念ながらスーパーにはブリ白子はなかったが、閉店間際だったので割引のサバとイワシが入手できた。
帰ってみると、イワシのパスタにしようとしたらパスタがないことに気づく。
このところ安いパスタが業務スーパーから売り切れていて、私のある種の宗教的な理由からどうしても買えないままだったのであった(笑)。安いものしか買いたくねえ(笑)。
オーマイ、ゴッド!(笑)
スーパーの棚に残っているオーマイはなぜか高いのである。買いたくはない。
そうしたらイワシはご飯で食べるとして、今夜はサバ蕎麦にしようということになった。
蕎麦は買い占めの対象とはなっていないため、入手できる。ウチにもまだ在庫がある。
蕎麦が古くなると、蕎麦はその袋がピチピチになるほど空気がなくなり、まるで布団圧縮袋にかけたようになってしまう。
確かに風味は落ちるのだ。1年もてばいいほうだ。
だからいくら蕎麦好きでもそうは買い占められたりはできない。
ちなみに、うちは二階に米が貯蔵してあるが、コメは安いときに買っているので、布団圧縮袋で空気を抜いている。
これは相撲部屋でもやっていること。
安い時に買っておけばこれで日持ちします。お試しいただきたい。
さて、サバ蕎麦というのは土井さんの場合、サバ缶で作るらしいのだが我が家では生のサバである。
「だから、マズはサバ缶をつくるのよ」と嫁が言う。
なにもそこまで忠実にとは思ったが、要するにそのつもりで、ということか。
その煮た汁を使って、蕎麦ツユにするのだそうだ。
今回も俺はゴタゴタと忙しかったので嫁に任せた。
「ねえ、味を見てよ」
そう嫁がいうので、キッチンに行ってみると、サバが煮えていて牛蒡が入り汁が既に立派に出来ていた。
調べたレシピで作ったらしい。
これでサバカレーといい、サバのレパートリーが嫁にはできたわけだ。
めでたや。
「これは砂糖なんか入れてないの、醤油だけなんだって、これでホントにいいのかしら」
なーんて、可愛らしく言う。珍しく不安そうである。
俺が味見をしてみる。
二人だけでも俺が家長だからw、まあこういうことはまず俺がやる。
日頃から疎外されている男なのだがw。
サバの香りはする、ふと、なんだか、かすかな甘さを感じる。これにはびっくりした。
へえ。
味の素も何も入れてないそうだ。
ええwww。
味は出来ているので蕎麦を茹でる。ここは俺が役目。
前は蕎麦を茹でたら、いちいちゴシゴシと洗って、また熱を通すということをやっていたのだが、気をつけてもどうしてもユルくなってしまうので最近は洗わない。
その代わりによく回しながらヌメリを取る。
最近はしっかりと洗い、よくすすいでいただく蕎麦の楽しみは、冷たい蕎麦の時だけと決めている。
だからこのサバ蕎麦もたっぷりの湯で蕎麦を茹でるだけ。
水をざるで切ったら、そのまま熱い汁をかけていただく。
美味しいです。
美味しい。
確かにこれはちょっとした店ならちょっした値段がするだろう(笑)。
嫁が作ったのでそれは言わなかったが。
言うなら嫁の方が「いくらぐらいで売れるかしら」となるわけだw。
なーるほど、分からなくもない。
しかし、それにしてもこれはなかなかのものじゃないか。
土井義晴氏、なかなかの者だ。
この甘さが出るのは自然のサバのダシなのだ。
昼だったら庭のセリなんか採って入れたらよかったかもしれない。
まあしかし今回はレシピ通り。
見事にサバっぽくない、生臭くない。
美味しいサバ蕎麦が、ビアン。
しかしどうして甘みが出るものか不思議だ。
牛蒡からか、サバの脂からなのか、実に品のある美味しい蕎麦ツユになります。
入れるのは醤油だけ。濃さの調整だけ。
しょうゆうこと。
おそまつ(笑)。
めいしくおしあがれ
