昔、ミラノで恋をしたことがあった。
だからこのコロナのことでミラノがどうなっているかは引っかかる。
見ないようにしていても飛び込んできてしまう。少し胸が痛む。
口に出せない想いがある。
呟くだけで消え去ってしまいそうな、秘めたい想い。
人は想い出の中に生き、私はそれを胸の奥にしまったまま日々を過ごす。
胸を締め付ける苦しみ。
その残酷さの影に隠れながら、優しさと慈しみに包まれた想い出を重ねる。
人には口には出さぬ想い出がある。
死ぬその時まで、秘められた想い出に私は苦しみ続ける。
私は、まるでそれを楽しむかのようにして。
心とは裏腹に、私はそれを秘めたままにして、苦痛に満ちた道を選ぶ。
それは封鎖された都市でのこと、確かミラノで起きたことだったと聞いている。
感染拡大で、それぞれの人々が買い物にさえ理由を示さねばならず、必要な外出かどうか、確認を求められる街となった。
外出の際にはあらかじめ紙に何の用の外出かを書いておくそうだ。これは説明するのに口頭なら飛まつ感染するからだろう。
要所要所には兵士が立ち、不要な外出を見張っているという。
人々は部屋に閉じこもり、コロナ感染が過ぎ去るのをひっそりと待っている。
イタリア人がここですることは、愛の交換と美味しい食事、そして音楽か。
ある晩のこと、そのミラノのアパートメントからアリアが聞こえてきたそうだ。
歌い手はそこに住むオペラ歌手。
彼は自分のアパートから市民を勇気付けるように、高らかに歌を歌ったそうな。
アパートメントが立ち並ぶ街の通りを歌声が響き渡り、一晩の癒しとなったという。
その曲が「誰も寝てはならぬ」だ。
中国が舞台のオペラ。
愛を拒んだ女王が「皆殺し」を宣言した。
誰も寝てはならぬ、秘密を暴かねばならぬ。
いやいや、秘密は決して暴かれぬ、愛は成就するぞと歌う。
なんともまあ、ウィットに富んだ話だ。粋で洒落た話だ。
コロナは中国発。
愛は成就するのか、どうか。
なんなら東京も、都会のビルの谷間で、それもよく声が響き渡り人々がその歌声を聞けるならいい。
声が響き渡るところ、マンションの林の中で歌を唄ってみてはどうか。
私なら「ウルトラセブン」がいいと思う(笑)。特に意味はないけど。
いや、まだ都市が封鎖されたわけではない。
まだロックダウンじゃない。ロックの時間じゃないぜ。
Wikiから歌詞をもらってきた。
眠るというのは「ドルミレ」。その活用でドロマ。
イタリア語(原文) | 和訳 |
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<<Il principe ignoto>> Nessun dorma! Nessun dorma! Tu pure, o Principessa, nella tua fredda stanza guardi le stelle che tremano d'amore e di speranza...
Ma il mio mistero è chiuso in me, il nome mio nessun saprà! No, no, sulla tua bocca lo dirò, quando la luce splenderà! Ed il mio bacio scioglierà il silenzio che ti fa mia.
<<Voci di donne>> Il nome suo nessun saprà... E noi dovrem, ahimè, morir, morir!
<<Il principe ignoto>> Dilegua, o notte! Tramontate, stelle! Tramontate, stelle! All'alba vincerò! Vincerò! Vincerò! | <<名の知られていない王子(カラフ)>> 誰も寝てはならぬ! 誰も寝てはならぬ! 御姫様、あなたでさえも、 冷たい寝室で、 愛と希望に打ち震える星々を見るのだ…
然し私の秘密は唯胸の内に秘めるのみで、 誰も私の名前を知らない! いや、そんなことにはならない、 夜明けと共に私はあなたの唇に告げよう! そして、私の口付けが沈黙の終わりとなり、 私はあなたを得る。
<<コーラス(女声)>> 誰も彼の名前を知らない… 私たちに必ず、嗚呼、死が、死が訪れる。
<<名の知られていない王子>> おお、夜よ去れ! 星よ沈め! 星よ沈め! 夜明けと共に私は勝つ! 私は勝つ! 私は勝つ!
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せっかくの4月1日だった。追記。
【速報】中古車ディーラーに家宅捜索。コロナ関連で。
4月1日、感染拡大で都市封鎖が噂される東京で中古車ディーラーに家宅捜索が入った。容疑は薬事法違反。1980年代のビンテージ車を扱うこのディーラーは新型コロナを販売する際、「これに乗っていればコロナウィルスに感染しない」とセールスした疑い。ディーラーは売り上げがないとマスクが買えなくなると思ったと供述しているとのことだ。
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