みせしめ的な措置は悪か?
時事ドットコムニュース>社会>「コロナに効く」とタンポポ茶宣伝 容疑で薬局を家宅捜索―大阪府警
2020年03月19日17時00分
医薬品として承認されていないのに「新型コロナウイルスに効く」とタンポポ茶を宣伝したとして、大阪府警は19日、医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告禁止)の疑いで、大阪市生野区の薬局を家宅捜索した。
捜査関係者によると、この薬局は医薬品として承認を受けていないタンポポ茶を販売する際、「新型コロナウイルスに対する予防効果がある」とチラシで宣伝した疑いが持たれている。
消費者庁は、根拠がないのに新型ウイルス予防効果をうたった健康食品や空間除菌商品が出回っているとして注意を呼び掛けていた。
悪質な店ではないように感じるが、ここまでするかというような家宅捜索だった。
これは一種の「みせしめ」と言っていいだろう。
それだけコロナ関連のデマで買占めなどが起きていることへの危機感が警察側にはあったのだと思う。
実はこういう「みせしめ」という言葉は、我々は普通に使っているが、司法や警察行政はその指摘に対しては無視を決め込んできた。
あくまで「事件は事件だ」、なーんて木で鼻をくくったようなことしか言わないで逃げてきた。
だから「あっちが許されているのに俺はなんでダメなんだ」なんてパクられた方も必ず言う。開き直りもいいところだ。
そうして司法は仕方なく言って聞かせる。いわく、「それはそれ。人は人で別のことです。あなたが法を破ったこととは関係がない。」なんて。
京都府議会で、最近、交通違反の取り締まり、その予算を否決したというようなニュースがあった。
いわく、「見せしめ的な取締り、スピード違反取り締まりのための予算を否決」というようなことだった。
とんだポピュリズムだと思う。
取締りがされないなどと緩んだ連中が誰かをハネ殺したら、議員らは責任が取れるのか。
この時、「みせしめ」というのが公的に使われたが、随分と珍しいことだと思った。
まあ議会側が言ったことだから、厳密には取り締まりをやっている側ではないのだが。
「みせしめ」なんて言えば反発があるが、それは「抑止力」のことだ。
国が軍を持ち、攻撃に対して戦力を行使する用意があるとすることは、侵略や強盗国家からの攻撃を抑止する。
罰を受けるから法律を破らないようにする。
個別にいちいち取り締まっていたら埒が開かない。四六時中監視された社会など窮屈なのだから、「たまたま」引っ掛かった者から罰金を取る。
法を守らねばいつ取り締まられるかわからない、だから法令を遵守せよ。
これが秩序維持なのだ。
それは死刑制度でも変わらない。
もっと「みせしめ」をすること、取り締まることに胸を張っていいのに、それをやらないから食って掛かるような馬鹿が後を絶たない。
平等に取り締まってくれなければズルい、そんな理屈はないのだ。
コロナに感染して、自分だけ不公平だと勝手な不満をぶちまけて、暴露させたヤツがいた。そして今回の外出自粛要請が長引いて、早くも反発しているのがいるらしい。
今回のコロナ騒ぎ、その封じ込めだって同じことだ。
ミラノは外出したら罰金を課すことにした。
個人の権利は非常時はに制限されて当たり前だ。
そういうことを毅然としてゆかないと、やがて衆愚が暴れだし手もつけられなくなってしまう怖れもある。そうなった時、どう秩序を回復するのか。
世界の戦乱の場所の出来事を知らないわけはないだろう。
我が国はその必要性がわかっているのだろうか。
秩序が維持されていることこそが「平和」なのに、それを理解できない人々がいる。
平和とは好き勝手にワガママが通ることだと思っている。
人に配慮などしない連中が権利を振りかざしている。
唾棄されようが批判されようが、懲りない連中はいる。他人に危害が及ぶのなら罰と強制力を使うべきだ。
しかしどうやら、我が国の人々はそういう毅然とした対応が、ズルい自分にいつか返ってくることを怖れてしまうものらしい。
コロナばら撒き男の遺族にフィリピンパブやホステスは賠償請求してもいいはずなのに、それをやれば「可哀相」と世論は反発するだろう。
あれだけ叩いていたのに。
どうにも甘っちろい、適当な正義しかない。
