グレープフルーツを剥かない男
俺はグレープフルーツを自分で剥かない。
☆
昔は昭和の食べ方をしていた。それが廃れて、グレープフルーツ自体をあまり食べなくなった。
買って、嫁が剥いてくれる時だけ食べている。嫁は自分が食べながらついでに俺の分を剥いて皿に取ってくれる。
「そう言えばここんところグレープフルーツを最近全然食べてないね」、二人でそんな話になって気がついた。
ミカンもほとんど食べてない。あれも「剥く」というところが引っかかる。
パイナップルを切ったり、リンゴの皮を剥いたり、バナナを剥いたりはする。
しかし柑橘系はほとんど剥いて食べる気がしない。
何か面倒に感じるのだ。酸味があってその味自体は好きだ。ジュースもいい。
パイナップルを切ったりするのは進んでやる。無駄が出ないよう上手に切れるのだと積極的にやる。リンゴも。
グレープフルーツやミカンというのを剥くのは簡単に見える。
しかしこの漫然と剥かせられるというのが、何か時間的に奪われている気がしてしまうのだ。
ミカンもここ何十年とロクに食べていない。
せいぜい試食なんかでいただく程度だ。ミカンは一時は高くなったから、それで遠ざかってしまったということもある。
グレープフルーツの皮を向かないという男性は多いと思うのだが、どうだろうか。
ネットでこんな話が出た。
彼女がグレープフルーツを出してくれた。
その時、グレープフルーツを半分に切ってスプーンを添えて出してきたとかで、「いつの時代だよ」と思ったとか、なんとか。
確かにそれは昭和の食べ方だ。
俺もやっていた。
ネットでそんなネタがあったが、そんな向きには逆に聞いてみたい。
半分に切ってスプーンでほじくるのでないなら、今はグレープフルーツの皮をわざわざ自分で剥いてたりするんだろうか。
昭和の食い方。俺はそっちの食い方の方がまだいい。
あれはまだ昭和の時代のこと。
慣れないグレープフルーツを食べてもらおうと商社かなんかが紹介した食べ方だった。
スプーンでほじくれば剥く手間はいらない。
砂糖なんか上にかけてもいた。定着はしたが、今はすっかり廃れた。
まあ、果物にはあまりこだわらなくてもいいと思う。
フルーツの糖分が実は体に悪いとてう話しもあったりする。
果糖が脂肪肝の原因になっているという説がある。
なかなか数字が下がらなかったので、日課のようになっている果物を摂るのを止めたら数字がとたんに下がったという話。
他の野菜でしっかりビタミンを摂取すればよい。
