米中貿易戦争 .1 下げ相場
実に情けないことにトランプ大統領が声を上げた中国の不公正な貿易の是正には誰も同調しない。
いったい他の先進国のリーダーとやらはどうなっちまったのか。
このままぐずぐずしていれば、ますます米中貿易戦争は過熱し、世界経済に少なからず心理的な影響を与えることだろう。それは「この貿易戦争がどんなものか不透明だ」という論点の喪失に他ならない。
それどころか、馬鹿げたことに株価が下がっただの何だととにかく騒ぎすぎだ。
いったい中国をまともなルールに従わせるこのチャンスをものにしようという自由主義民主主義の先進国は他にはいないのか。政治家は他にいないのか。
嘆かわしい。
そして今日も、あちこちでそれこそ毎日、「中国貿易戦争鎮静化の兆し」などとやって安心したいようだが、話は逆だ。
それでは安心など全くできない。
魂の抜かれた屍が毎日を呟くだけなら、それは「安倍氏ね」などとやっている連中と同じだろう。
恥を知るがいい。
やれ人権だの差別だのお綺麗なことを言っていても、特に欧州の腐りきった連中はだんまりだ。
これがご都合主義の欧州のヒューマニズム。
これぞユーロナチズムなのだ。
かつてヒットラーの凱旋パリ入場を花束と大歓声で迎えた欧州の正体だ。
その時から何も変わっていない。
もはや、国家というよりは強盗団としか言えない中国の専制と独裁政治はいよいよ手がつけられなくなってきた兆しがある。
それをトランプ大統領は感じたのだろう。
考えてみればシリアのアサド政権からみの地政学ゲーム、政治の駆け引きをやっていたら、うかうかしているうちにイスラム国の台頭を許してしまった。それは許しがたい人権への暴挙となった。そして一時は手がつけられないような勢いとなってしまった。
今では制圧し、悪夢は沈静化したようだが、そのためにどれだけ犠牲を払ったのか。
犠牲は全くの無駄死にではないか。
欧州でのテロの犠牲者は、せいぜいが現場に献花される程度の価値しかない命だったのか。
生き残った連中は悲しむポーズでせいぜいカッコをつけてみせ、一方で政府の拷問で苦しむユーラシアの少数民族は無視か。
アフリカも中国も遠い場所なら悲しみも感じぬか。
したり。
それほど欧州の腐敗は著しい。
そして、同じやり方で、もし同じ失敗を先進国世界が中国に対する態度でやらかすならその犠牲はもっと大きなものになるだろう。
それこそが胸騒ぎの本当の原因であるべきだ。
歴史的な金融緩和で、さんざん甘やかされた金融市場は少し自らを鍛え直すがいい。
まだ波乱はある。
