玉子焼きはおふくろの味
「玉子焼きはおふくろの味だ」
そんなことが言える人はきっとよい母親のもとに育ったのだろう。
魚、汁、漬物、そしてご飯。
支度が出来たと家族に呼びかける。
そこにちょっともう一品、出してやりたいと思う。
卵は上等なタンパク質だ。
厚焼き玉子なら簡単だ。
クルクルと巻いて、作るほうだって楽しい。
自分で作ってみればわかることだ。
そうしてあと一品ほしいと玉子焼き、厚焼き玉子を頻繁に作っている。そのうちウチの我が家のスタイルが出来る。自分の味ができる。
それが思い出となる。舌の記憶となる。
俺の玉子焼きを嫁がどう思い出すかは知らないが(笑)。
そういう人はそんな「あと一品」の気遣いをする母親で育ったのだ。
きっとそれは幸福な家庭だったと思う。
今、世紀の毒親であった正田美智子の醜聞と呆れた所業を見るにつけ、こういう自分しか考えない醜悪な人間、これほど邪悪な人間が皇室に潜り込んでいたことに驚く。やっと皇室は正しい形を取り戻された。
しかし、あの毒親だったからこそ陛下は立派になられたとも言える。
よき教育係もいた。陛下は雅子妃を守られ、今を迎えられた。つくづくよかったと思う。
そう考えると分からないものだ。
そんな風に「あと一品」の気遣いを知らない人、そんな玉子焼きの味を知らない人もいる。
他ならぬ俺もそうだ。
「ヒトの育ち方は親だけではない」というのもまた真実ではある。
