尽きない想い
こうして日本人が新しい元号を迎える前夜に慨嘆し、振り返っているものがある。
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とてもいいこと。実によい文化ではないかと思う。
世界でこの時間、この国だけが、日本人だけがこの今を特別な思いで味わっているのだ。それに感謝でいっぱいだ。
かつて天命を全うして昭和という時代が終わった。それは厳粛なものだった。
色んな間違ったことがあったとは言え、結果としてこうなったとは言え、今はそれでよかったとも思える。それを受け容れるのもまた堂々とした態度だろうから。
去っていった人たちがいて、忘れかけた思い出がある。
変わった景色があり、変わらない風景がある。
失ったもの、得たもの。残ったもの。残れないもの。
笑ったこと、怒ったこと、気付いたこと、ないがしろにしたままのこと。
正しいこと、罪、嘘、正義、言い訳、それでも時間はその歩みを止めることはない。
ひとつの終わりを、国民みんなでこうして思うというのも、とてもよい機会だと思う。
いつくしむように時の流れを胸に抱き、これからの歩みを我々は潔くまた進めることになる。
生きている我々には次への責任がある。
おかしなことをおかしいと言えるようになった。嘘が隠せなくなった。
それは明らかな時代なのだ。
もちろんまだ「時代」なんて言葉は似つかわしくないけれど、まだセピア色にはなるには早すぎるけれど、私たちの時間は未来へと進んでゆく。
今夜は呑み過ぎないようにしましょう。
大事にしてきたことを振り返りながら。
今夜はなぜか泣けてくる