棗 ナツメについて
ナツメというのは茶道でお茶の粉を入れておくもののことだ。
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薄茶、つまり抹茶の粉のこと。
それはとても可愛らしくて、だいたいその形状は決まっている。もちろん、調べると色んな変化形というのはあるようだけど。
それこそタナゴコロで包むとちょうどいいような美しい形をしている。
色んな漆のもの、蒔絵のもの塗りのものなんか、いいのものがある。
古道具屋なんか行くとそんなものを見つけることが出来る。
大正どころか明治、江戸のものさえ大事にされているから程度はよい。
これを普通にコレクションとして、おそらくやっている人はいるんだろう。
ウチでは実用として使っている。 お茶の葉を入れて使っている。
別に薄茶、抹茶でなくてもよい。ただの深蒸し茶。そんなのだ。
まあ、先日書いた知覧の茶も入れた(笑)。
もう四つもあるものだから、回して、順番にそのデザインを楽しんでいる。ひとつがカラになれば待機していた奴を持ち出してまた使わせてもらう。
寝室に置いてもうひとつはリビングに。
お茶をして、ゆっくりと落ち着くというのはこれから寒くなるとますます楽しくなるだろう。
そうするとなんか安くてもいいから甘いのが欲しくなる。
やっぱり羊羹かなww
・・・
持っているのはふたつは若狭の、ひとつは蒔絵のおそらく輪島系の、ひとつは木のそのままの繰り抜いたもの。それは職人の工芸室から譲り受けた。ホオか何か。木目が楽しい。
若狭塗りというのは「塗りモノ」の中でも、実は知られてないというほど実はご縁がないものではない。
日本人なら誰でも触れることが出来るぐらいのものと言っていい。
デパートでもどこでも必ずみることができるとも言える。
そう。箸だ。
あれはほとんどが若狭のもの。
それこそ、別に若狭塗りでなくとも、日本全国を独占しているんじゃないかというぐらい若狭の箸、小浜市の箸というのは世の中に溢れかえっているのだ。
コード番号0770、
これを覚えていただきたい。
どの箸にもそれが書いてありますので(笑)。
あの街は職人の町が業態転換をして、いっせいに箸の街になったのだった。
まあ箸ってのはダメになる。いくら塗り物が廃れたと言っても箸の消費は続く。
なかなかの目の付け所だが、文化としてはちょっと寂しい感じはするけど。
もちろん本物は若狭塗りは塗り物でもすごいものがある。
いいものがあるが、若狭は今は作る人がほとんどいなくなってしまった。
だが骨董ならいくらでもある。
とても素敵な幾何学模様で現代的、うっとりするような輝きがあります。
・・・
あれ、そのナツメってなんて単位で呼ぶんだろうか。
そういや考えたこともなかった。
一個、二個としていたが、それでよかったんだろうか。
それに、考えてみれば棗の蓋はなんて呼ぶ?蓋でいいの?個でよろしいようだけど。
あんだけの完成されたひとつの道具だ。
造作もほとんど決まっている。蓋と入れ物本体、蓋、それぞれ名前がなくてはおかしいではないか。
俺は個人的にはあの棗の蓋がサクッとハマるあの感覚が好きなのだ。
桐タンスなんかでもそうだが、下をしまうとき密閉性が高いので上の引き出しがスッと手前に開きかけるアレ。あんなピッタリした感じが好きだ。
棗の蓋には独特の呼称はないんだろうか。
うん、これは正直わからん(笑)。
そういう独自の名前をつける、部位に愛称をつけるというのはそれを可愛がる愛でる心からきているものだ。わざわざ蓋とは呼ばないとか、中味とはしないとか。
名前、呼称と言うのは大事だ。
今度じっくりググッてみようと思う。
