・アメリカ製サプリメントなら「サプリンクス」    ・無料 お得HISクーポンはココ

秋の昼のまどろみの中にいて(習作)


 少し疲れを感じたので昼寝をしようと横になった。
 秋のまどろみ。
 青い空を見ていると眠たくなる感じがある。
 春のとは少し違う。芝生に寝転がってカラダを伸ばしたい、そんな気分。


 布団は畳んであるから畳まれた布団の上にベッドのようにしてそのまま横になった。
 とは言え、そうは眠れるものではない。
 私は静かに目を瞑っていた。

 ふと、自分は目を開けているような気がした。

 顔の上に手をかざしている感覚があった。
 手の影がボンヤリと顔の上にあった。

 自分は目を瞑っているはずではなかったか、私はハタと思い出す。

 勢いをつけてハッと目を開けてみれば手はカラダの横にあった。

 手などかざしてはいなかったのだ。

 見えていると思っていたものは見ていたものではなかった。
 古びた寝室の天井が見えた。




 私たちは心で見るものだ。
 心眼なんていう言葉さえある。

 きっと心があれば死んだ後にも見えるものがあるのだろう。
 魂は死後も何かを見続ける。

 未来を見るだろうし人の心を見るのだろう。
 果てしない宇宙の先を、深海の先を、過ぎてゆくその後の時間を魂は見つめるのだ。


 では音はどうだろうか。心の音が聞こえるだろうか。
 私にはそんな気はしない。

 まるで空耳のように飼っていたペットの声がすることがある。
 眠っている時、帰省してしまったはずなのに隣で家内のイビキが聞こえる。

 それは心で聞いた音ではない。記憶の音だ。
 それは私をこの世につなぎとめる。
 きっと死ぬと私は音のない世界にいるような気がする。

 
 ノー・ミュージロック・ノー・ライフ、だ(笑)。

 だいたい、加齢のこの耳鳴りが死んだ後も続くのでは救いがないではないかw。



 秋の昼、窓から陽射しが差し込んできた。
 ポカポカと暖かいが春のそれでもない。空は高い。
 雲が高いところをゆっくりと動いていった。

 まどろみも春のものではない。
 気が付けばすぐに夕方、辺りは真っ暗になっている。

 その夜の暗闇にも見えるものがある。
 目を瞑っても見ているものがあるのだ。

 自分の手の平なのか、手の平がかざされた自分を見ているのか。
 それは分からない。

 それは私の魂の感覚だ。
 魂は死なない。価値なき魂が滅するのだ。

 


 宇宙で音はしない。
 音は空気があるから聞こえるのだ。

 だから秋の虫の声も、運動会の歓声も、空気を揺らせて私の耳へと届く。


 無限の宇宙は音のない世界だ。
 しかし宇宙は死んでいるわけではない。

 それを静寂と言うだろうか。
 またたく星たちを見てそれを死の世界と思う人はいまい。

 浮かぶ土星を見て私は輪を見る。ガリレオには確信がなかったそうだが、私にはハッキリと土星の輪がいつも見える。
 しかし目を凝らしても土星の輪が回転する音は聞こえてはこない。


 静寂は必ずしも死ではない。




 未だに私は眠りに入る時機を捉えられないでいる。
 気が付いたら寝ていたり、酒とともに寝床に潜り込んで倒れこむように意識をなくす。

 目を瞑って、ゆっくりと坂道を下るように眠りに落ちてゆくことはない。
 いつも引っかかるものがあり抵抗感がある。

 それは魂が滅してしまわないか自問してしまうから。
 命が絶えようとも生き続ける魂に休息はないと思うからだ。

 だから眠ろうと意識することは恐怖でもある。

 私はいつの間にか眠り、気が付いたら起きている。
 
 小便に起きて自分は寝ているのだと言い聞かせても失敗することも度々だ。
 起きてしまい眠れなくなる。



 音が私にまとわりつく。
 私を現実の世に連れ戻そうとする。

 ゴミ収集の音、サイレンの音、風の音。上空の飛行機の音。
 そして記憶が呼び覚ます音。

 目を瞑っている私の邪魔をする。


 もはや恋人以外の誰も見たくないと目を針で突いた芸者がいた。
 悲劇的な、思い詰めるあまりにしたことだった。

 きっとそれは間違っていたはずだ。
 恋人以外の声を聞きたくないと、千枚通しで耳を突いた方がよかったのに。


 目を瞑っても見えてしまうものがある。それは滅びぬ魂だからだ。

 生きていると雑音が気に障る。
 生きることにしがみつこうと肉体が空気の振動を求める。


 今日は風が強い晩だ。



関連記事
このブログをはてなブックマークに追加

テーマ : 頑張れ自分。
ジャンル : 日記

コメント

非公開コメント



プライバシーポリシー

本サイトの個人情報保護指針について  詳細を開く
プロフィール

padroll bedroll

管理人:padroll bedroll
 
 狭くなったネットに抵抗し、真実を追求するブログ。

 頭にきたり笑ったり、ほっこりしたり癒したり、毎日クルクルと気分は変転。泣ける話のこともある。そんな日常。

  拍手欄からもコメントが行えます。 ここから一覧いただけます。 リンクフリーです。 個別記事を開いた場合、記事下にはFc2が選ぶ当ブログのお勧め関連記事が表示されます。ご活用ください。(2023/10/29)

 子サイト
「 振り返ることもしばしば」
  https://rollitup.tokyo 

 
最近の記事 + コメント(View)
カテゴリ
ページナビ

トップ > よもや話 > 秋の昼のまどろみの中にいて(習作)

リンク
  • このブログをはてなブックマークに追加 ★★★☆
  • にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
  • rank
  • rank

 
治験ボランティア
条件合えば健康診断ついでに報酬。治験は自分で選べる。
 記事・タグ検索
 
<< 全記事を一覧 >>
だいたいの頁ジャンプ
全1ページ中
1ページ目
 
記事タグIndex