機械を信用しない人たち
家内をまた別働隊で行かせることになりアタシは小銭入れを渡した。
「お前ははあっちな、気をつけてナ。」
「うん。」
「ニッコリ!」
「ニッコリ」
復唱は大事w。
って、あれ? 渡そうとした財布がやけに重い。
中を見たらジャラ銭ばかり、ビタ銭ばかりです。
「おい。 なんでこんなに財布が重いんだよ。」
「え? えーー、普通だけど。」
「ジャラジャラと清算器に一気に入れりゃいいじゃん。」
「入れてるよ。」
「余分に入れるんだよ。入れたら札になって帰ってくるだろ。」
「えっ。え、えええーーーー。そうなの! 知らなかった。」
「常識だろ! 百円玉を余計に入れたら五百円になるだろ。」
「それは知ってるけどお札で戻ってくるなんて知らなかったよ。」
最近は郵便局が小銭の預け入れに手数料を取るとかトンデモないことを言い出して、その影響でみなさんの行動が変わりつつあるとか。
スーパーの自動清算器にジャラジャラとカネを余分に入れてマトメてしまおうとする客が多いと言います。
一方で、未だに自動清算器相手にひとつひとつ硬貨を確認して入れている人も見かけます。
180円の会計ならピッタリ200円を投入する。
179円なら209円数えて入れる。お釣りが自分でいくらになるか分かるぐらいピッタリ数えて入れている人がいます。
まあ、店員に手渡しするなら分からなくもありませんが。
アタシは売ってるモノの値段は確認しますしレシートも見ます。
しかし清算の時には値段は納得済みです。だから数えたりしません。手元の硬貨や札をドシャドシャと入れてしまいます。
計算は機械にやってたもらう、というわけです(笑)。
アタシはもう随分と前からそういうことをやってた。
電車の硬貨投入口はその昔はタテになってて一枚ずつ硬貨を入れるようになってました。
一枚ずつしか入れられない。
だから当然いくら投入したかは自分で分かります。
それがある時から切符売りの機械が変わった。
下に投入口が設けられ、大きな口を開けている。小銭がジャラジャラ落とせるようになった。
振り返ればその頃からだったと思います。アタシは考えもしないで小銭入れを開けてしまうようになりました。
釣りはまとめられて返ってきた。十円が10枚なら百円玉になって戻ってきた。
アタシはずいぶん便利になったと、それからカネを数えもしないで入れて切符を買うようになったのです。
「だって、そしたら計算間違えされるかもしれないじゃん。」
家内はそんなことを言う。アタシはちょっと驚いた(笑)。
「機械が間違うってか。数え間違いするってか(笑)。」
「そうだよ! 少なく返されたら損じゃん!」
どうやら本気でそう思っているようですw。
最近は自動清算レジが多いもんだからさすがに一枚ずつは数えて入れたりはしないそうですが、それでも余分に、めいっぱい硬貨を投入するなんてことはやらないらしい。
「計算を機械にさせる」、「硬貨を数えさせる」ってことはしないようです。
つり銭の計算を機械が間違っている、・・・。
「そんなに機械が信用できなくてどうすんだよ!w」
アタシは言った。
しかしそういう人はいるのです。アタシには不思議でならない。
何事も疑うということは大事ですが、機械を信用しなくてどうするのか。
だいたい、そういう人でも電卓は信用するのです(笑)。
「電卓の計算結果を疑う人」なんてアタシは聞いたこともありません。
だったらなんで「機械がつり銭を間違えるかも知れない。」なんて思うのか。
いや(笑)、いたwww(汗)。
電卓を信じない人がその昔にはいたのです(笑)。
その昔、電卓が普及したばかりの頃はアタシの祖母は電卓を嫌っていました。
帳簿付けを子供のアタシがちょっと手伝わされて、アタシは電卓で計算をした。
そしたら婆さんは「しょうがないねえ。」なんて言って、わざわざソロバンを出してきて自分で計算合わせをしたものです。
それにはアタシはすごく違和感があった。
もうソロバンの授業もしなくなっていった、ちょうどそんな頃です。
「ソロバン教室」なんてのがかろうじてまだあって、通っている子はいた。
ソロバンなんてアタシはスケートにするぐらいしか使わなかった(笑)。
あの頃の電卓は巨大で、ネオンみたいな赤黒い暗いダイオードが数字を表示していました。
小型のプリンターまで付いてた。
祖母はいつまでもソロバンを使っていた。それは重厚で歴史のありそうなものでしたが、アタシは使い方が結局分からずじまいです。アバカスw。
何事も慣れるまで時間が必要だということなんでしょうかw。
そして慣れてしまえばもう元には戻れない。
アタシは訴訟して相手方の弁護士からカネを払ってもらうことになったことがあります。
受け取りを書いてもらうので事務所近くの喫茶店に来てくれということになった。
そしたらその弁護士は現金をその場でアタシに渡すの。
ちょっと困りました。
「こんなとこでこんな現金で貰っても・・。銀行振り込みでよかんですが。」
なんてアタシが言ったらその弁護士は大真面目に言ったものでした。
「すみません。銀行振り込みというのは信じられないもんですから。」
ええーーーーっと、仰天したのはこちらの胸の内でしたが(笑)。
まあ、世界金融システムは信用できない。
それはあるでしょう。最近、そんな話が出てきました。
BBCの報道でLIBOR、ロンドン銀行間取引金利は操作操縦されていた、なんて暴露されてますw。
やったのは金融当局。っとに、ジョンブルはクズだなw。
罰金をとっておいて実は自分たちもやってたなんて(笑)。
従業員が機械操作を間違える、そういうことはアタシは分かります。
アタシはちゃんと想定はしています。
例の「メロン磨き事件」では実際にそういうことがあった。
筋子の値段が添付のタレと一緒になって計量されていた。
従業員が風袋の設定をしなかったんでしょう。
スーパーに表示されてる値段が間違っていて、どうもPOSに通してないようだ、そんなこともあります。
三個まとめて299円とある。たぶん何日か前の値段設定。
今は一個が88円となっています。そしたら三つ買うとおかしなことになってしまうw。
そういうのは確認してみたり直させたり交渉したりする。アタシは気が付く。
でも、最初から最後まで全部機械がやるのです自動清算器というのは(笑)。
そしたら疑いの余地なんかないではないか。
「人は間違うけれど機械は間違えない。」
それがアタシのキモです。
競馬の結果表示を間違えてしまい、修正してみたもののすでに破り捨ててしまったと、アタリ馬券を返せなーんて騒ぎになったことがその昔にはありました。
お相撲の取り組みだって決まり手の修正はよくやられます。
みんな人間のミスです。
機械のせいじゃありません。
まあ設計段階からミスがあれば機械だって間違うことはあります。
ソフトウェアのバグだのセキュリティアップデートなんてそういうものです。
しかしねぇ、どうか。
そろそろこんな信頼も通用しなくなってくるかも知れません(笑)。
これからAIが活用されて人間に機械がどんどん近くなっていく。
そうするとブンむくれたり意地悪をしてみたり、計算ミスをしてしまう機械も出てくるのではないかw。
ジャラ銭を無理矢理投入された機械がAIで、余計な計算をいちいちさせられるのにアタマにきて釣銭をわざと間違えてきたり(笑)。
あるある。
おそまつ
