焦がし長ネギの味わい
アタシはネギ、とりわけ普通の長ネギが好きです。
九条ネギというのもあります。関西でよく使われる品のいい薬味のネギです。
このところ安く買えているので刻みネギを作っておいて便利に使っています。
冷奴、盛り蕎麦、味噌汁の薬味でも、何にでも使える薬味です。
切ったばかりだとまだエグ味がありますが冷蔵庫に保存していると次第にまろやかになる。
この長ネギ、葱坊主ができかけていたそうで、それで地元の農家が安く出したものでした。
ちょっと使おうと上から切ったら汁が勢いよく飛び出したw(汗)。
青いところからネギ汁がw。
人間の骨にもこんな風にミネラルがあるそうです。
足の骨を折った時、医者がそんなことを言った。
「ミネラルが出ちゃうんだよなぁ」って。
「脂肪感染」の危険があるとかで手術になったのでしたw(怖)。
立てて牛乳パックを切ったものに挿して置いています。
日保ちもして嬉しい野菜です。
豚肉を焼いてステーキの付け合せにしてみました。
玉葱離れでもないですが代わりにこんなのもいいと思った。
まだ肌寒いうちにと、温かい蕎麦を作りました。
肉蕎麦です。
牛蒡、人参、豚肉。醤油味で濃い目の江戸前でいただきます。
どうせならと、たくさんある長ネギも使おうと思った。
でも、そのまま入れたのでは芸がありません。
アタシは小さいフライパンで空焼きした。
長ネギを寸胴切りにしてフライパンで焼く。
弱火で油も引かずただ焦がすだけです。
ころころと動かして全体に焦げ目がつくように焼きます。
これを出来た肉蕎麦の上に乗せていただきました。
美味しい。
香ばしさと長ネギからネギ油みたいな旨味が出てとても美味しい。
「こういうの、イイね。」
なんて家内に誉められたからアタシも得意になった。
いくら好きだからっていつも刻み長ネギばかりでもないと思った。
小さいフライパンが役に立ちました。
スキレットでもよかったけど。
こういう時にこそ小さなスキレットなんかを使うべきなんでしょう。
アタシはスキレットはゴマを炒る時に使ってる。炒りゴマでも塩と一緒に炒ると味が出ます。
道具っていうのは大は小を兼ねます。
大きな包丁、まな板、フライパン、寸胴鍋。本当はそんなに数は必要ない。
同時に作るだけあればいい。コンロがふた口しかないのに鍋はそんなに必要ない。
大きなものがひとつあれば小さいのは特に必要ないのです。
中国料理なんてあの大きな中華包丁ひとつでなんでもやってしまう。
でも、使う時にピタリとハマるその感じが楽しい。
「ちょうど」というのがいい。
億劫がらずに道具をわざわざ引っ張り出して使ってやる、久しぶりに活躍させてやる。ホコリをかぶっているのは可哀想だ、なーんて出してみる。
最初はそんないわば「同情心」から使い始めるのですが、使っていると「これだ」と思う。
料理人が何回も続けてやるならこういうピッタリのものの方が使いやすいのだと分かる。
水を得た魚のように自分の役割を精一杯果たそうとしている、それを見るのが嬉しい。
羊羹なんかだって、食べるのに大きなフォークでも食べられなくはありません。
そこを黒文字や竹楊枝なんかを使う。
ピッタリのサイズ、ちょうどよいモノを選んで使うのがいい。
こういうのを「身の丈」と言うわけです。
長ネギは焦がすだけで美味しくなります。
スジが柔らかくなりエグ味も消える。
スキヤキでよく焦げたネギの美味しさは知ってるつもりだったけど、億劫であまりやらなかった。
二日続けて肉蕎麦を作ったぐらい美味しかったw。
油を引いて焼いてもいですが、そしたら醤油をかけてご飯のお供にしたい。
大根おろしをつけてちゃんとしたネギ焼きにする。
昔はそんな食事があったものです。
ネギを味噌田楽にしたり焼いたり、ただそれだけでご飯を食べたものです。
今は何かにつけて肉だの魚だのと言いますが、素朴なものを振り返るのも贅沢なこと。
居酒屋でもネギ焼きというメニューがちゃんとあったものです。
あれは今から思えばオツなものでした。
焼き鳥屋でもネギだけ焼いた串があった。
別につまらないものじゃない。
ついでに出されるのでもないし、安いからと品書きに載っけてるわけでもない。
ちゃんとした酒の肴だった。
若いとなおさらです。
若いとついボリュームだのコスパだのを求めてしまうものですが、食べたいものを注文すればいいのです。
居酒屋や焼き鳥屋を思い出したらビールが飲みたくなってしまったw。
いつもの外のベンチで飲むのはチューハイ。「本搾り」のレモンです。
特別に「スーパードライ」を買って二人で飲みました。
ビールは実に久しぶりでした。何年ぶりか。350ミリの缶で190円もしたw。
なんか甘く感じたので二人で驚いたw。
いつものレモンチューハイのせいでレモンの苦味に慣らされてるんだと改めて思った。
アタシは「キリン本搾り」のレモンが大好きです。
果汁だけで妙なものが入ってない。果汁とソーダ水、そしてウォッカだけ。
こういうシンプルなものがいい。
グレープフルーツなんて、まるで居酒屋で飲ませてくれるような濃厚な果汁です。
居酒屋で「グレープフルーツサワー」と注文すると、半分に切ったグレープと搾り器が出てきて、ソーダで割った焼酎に絞って自分で入れる趣向のがあります。
あれを知ったときは衝撃的でしたw。
生のグレープが新鮮で美味しかった。
「本搾りグレープフルーツ」は今のアタシにはちょっと甘いけど、これも砂糖は入ってません。
この製品、「冬柑」だとか「秋柑」だとか、季節限定で特別なものも出すから面白い。
このブランドは最初は「メルシャン」から売られていたものでした。
なかなかいいものを出してくれたと思った。
メルシャンはキリンに買われてしまいましたがこのブランドは残った。
チューハイの分野では燦然と輝く金字塔ではないかと思います。
例の改革者たち、食品の酒バージョンというわけです。
もちろん、酒ではビールの「スーパードライ」がダントツ、一番の革新でしょう。
それまでキリンが最大のシェアを誇っていたところをアサヒビールが切り崩してしまった。
それほどのインパククトがあった。大ヒットでした。
長らく固定観念もあったのか、これまでのビールは4.5パーセント。どこも横並びでした。
エビスビールだけちょっとだけ度数が違っていたでしょうか。
瓶に長く残ってしまったビールなんて旨いものではありません。
ましてや缶ビールなんて瓶と違って少しだけ余ってしまいそれが美味しくない。
そういうのもアルコール分次第だと思います。
アメリカ人に比べて実は日本人は酒に強い。なぜか酒に弱いと思い込まされていたところがあります。
バドワイザーやコロナなんて飲めば分かりますが水みたいなものですw。
そこにスーパードライが登場したわけです。
アルコールに強い我が国の人々にとってビールのアルコール度数をわずか0.5ポイント上げただけで革新になった。
しかもそれを「キレ味」と呼ぶことでまた意識を変えたのです。
だからってむやみに強いアルコール度数にした「ストロング」なんてチューハイは下の下です。
あれはスーパードライの革新を勘違いしてる。
今や酒税が馬鹿高くてビール離れが進むばかりですが。嗚呼w。
冷凍庫に残っていた鱈の切り身が一人分でした。
家内が留守だったので自分用に保存と使いまわしをしていたから中途半端に冷凍してしまっていた。
何でも一人分にして小分けしてしまっていたのです。
鱈は煮付けにした。ネギを焼いてから入れて煮汁を含ませました。
汁、漬物、ワカメの酢の物、柴漬け、豆腐、納豆、そしてご飯です。
家内には鱈とネギをやってアタシの皿にはネギだけ。
でも自己犠牲ってわけじゃない。家内には美味い真鱈を食わせたい。
アタシはネギ。香りが出て美味しくなって満足です。
こういう時、家内は気がつかない。こちらの皿なんか気にしないw。
家内は鱈の煮付けをもらってアタシはネギの含め煮だけ。
でも、そこで「優しいのね」なんて言わなくていい。
そんなので言われるようじゃアタシも困る。売りもんじゃないw。
まあ、そう言った人もいましたが(笑)。
最近は前の晩から味噌汁の仕度をしています。
だんだん暑くなってくるのでできなくなりますが、一晩汁を置いとく。
大根や人参、牛蒡、椎茸なんか、そんなのに少し火を入れてから寝るのです。
そうすると翌日になるといいダシが出る。煮干も昆布も必要ない。
大根なんて甘いものなのです。
「甜菜糖」なんてあるぐらいで、ダイコンの一種から砂糖が作れる。
このダシの効いた味噌汁に焼いたネギを加えるとこれまた絶品でした。
そしたら家内がクチを出してきた。
「薬味だったら庭にあるじゃない。
庭にある時はこんなネギなんて買わなくていいのよ。」
その庭に出るのが億劫なんじゃないかww(笑)。
今日は三つ葉を採ってきてくれ。
めいしくおしあがれ
