破壊と創造、タコスでパーティ
年末、タコシェルが手に入りました。
正月とはあまり関係がないw。
でも、華やかなパーティ気分にはなれます。
パッケージには「カーサ・フィエスタ」と書いてありました。家族パーティ。
トウモロコシの皮で作った固い皮がタコシェルです。
その名の通り「シェル」。貝のようになっていて中にモノを詰めるようになっています。
そのままの形で割れないように売られているところがなんともご親切な商品です。
そしてシーズニングとソースが付いています。
シーズニングはイタシーならぬメキシーw。メキシカンです。
挽肉を炒めてこれで味付けたタネを作り、チーズやトマト、レタスやキャベツを挟んでいただきます。
通常価格は千円近いもの。
手に入れたお値段は、まあ、お察しww(笑)。
色んな製品が気付かないところで進化しています。
昔もこんな製品はありましたが、昔は油で揚げないといけないようなものでした。
買ってみるにはハードルが高かった。
タコスは皮を生で食べるものではありませんから、箱入りのものを取り出して油で揚げるとか、オーブンで焼いたりしなくてはいけなかった。
油で揚げるなんて、なんとも大変です。
最近は、このタコシェルは進化していて、タコシェルに油が染み込ませてあってレンチンすれば簡単に出来るようになっています。
手軽で簡単、身近なものになりました。
挽肉を炒めてシーズニングを混ぜ込みます。
香ばしいエスニックの香りが漂ってきます。
スパイスは炒めると香りが立つ。
刻んだレタスとトマトは生トマトを使いました。ここは缶詰でもいいでしょう。
うまい具合にちょうどよくレンチンできればバリバリっと噛んで美味しくいただける。
これがタコスの醍醐味です。
シェルを破壊しながらいただくというところw。気持ちがいい。
家内はこれが食べにくいなんて言う。
なんでこんなに食べにくいの、と。
こんな食べ物は意味不明だヨ、なーんて家内は言う。
壊れちゃってボロボロになるんだから、こんなの挟む意味がない、と。
だけど、このシェルを壊して食べ進むのがいいとアタシは思っています。
挟んでいて整っていたモノを壊して食べる、その手ごたえがミソです。
喩えて言うならこれ、何なんでしょうか。
キレイに飾られたケーキやプディング、これを壊して食べるのに似ているのではないかw。
ウェディング・ケーキはハッタリが効いているものです。
登場すると場内がどよめくほどのメインイベント。
見た目がゴージャスな純白のケーキの巨大なタワーです。
これにカップルがケーキカットを入れると、なんとも実は悲惨(笑)。
だからケーキカットは切り口を客には見せないのが普通です。
でもそこがいい。
モーゼならぬ海を切り拓くような破壊と創造。
そうして二人して社会の荒波に家族になって漕ぎ出すのではないかw。
よく、「あらかじめカットしてあります」なんて商品があります。
ピザも最近はカット済みなのが普通です。
プロセス・チーズなんて比較的早くから「カットしてある」という商品が登場したものでした。
しかし、自分で切り分ける、崩すのがいい面もあるのではないか。
破壊と創造がそこにあるのだと言わざるを得ない(笑)。
あらかじめカットしてある商品は消費者の甘えたニーズを満たすかも知れません。
切り分けようとしたら無様だったりするガッカリ感があります。
あるいは平等に切り分けられてないとクレームを言う子供たち。
最初から切り分けてあれば簡単に納得、各自のものが取り分けられるというわけです。
特にケーキなんてとても緩いものです。クリームなんかナイフを入れるとナイフにこびりついたりしますし、スポンジが崩れたりしてしまう。
カットされていればホールのケーキを買うのも怖くないw。
これをカットしておいてくれるのは何も手作業ではありません。
いわば超音波的な、ワイヤーの微細動でキレイにカットしています。
そういう業務用の機械があります。
カステラ、ケーキ、プディング、ババロア、バウムクーヘン、エトセトラ。
各自の皿に出された時に見た目が崩れていないのをご希望の消費者にはそんな商品があります。
しかし考えてみると羊羹の予めのカットってあんまりない。
それもそのはず、羊羹こそそうやって崩して断面を見たりするのが面白いものです。
ちゃんと日本の食文化は分かっている。
最中だって饅頭だって、あらかじめカットしてあるものはほとんどないのです。
アタシはちょっと前のこと、とあるビュッフェ・レストランでそんなケーキタワーにお目にかかったことがありました。
イタリアン・ビュッフェでなかなかの料理の種類の豊富さと美味しさだった。
まずは時間になって一斉に客が入場します。
メインのパスタだのロースト肉だの魚だのをたっぷりいただいていると、やがてワゴンに乗せられてデザートの準備が始まりました。
客たちはざわめいた。
そこには巨大でカラフルなケーキタワーが乗っていたから。
ゼリーやフルーツなんかも乗っかっててとてもゴージャスなものでした。
そろそろ食事でお腹が一杯になった頃を見計らって、食べ放題のビュッフェのデザートの登場というわけでした。
みんな遠慮がちにそのケーキタワーを眺めながら遠巻きにしています。
まだ肉や魚、グリルやフライなんかを取りに行っていた。
ケーキを取りに行った人も、タワーに手を出す人はいなかった。
ふもとに飾って置いてあるミニケーキやプリン、パイみたいなのを遠慮がちに取っていたものです。
腰をあげたアタシはケーキタワーに手を出した第一号でした。
アタシはそのケーキタワーのところに行くと、いきなりてっぺんにグサっとナイフを刺し、頂上のフルーツとゼリーをごっそりいただいたものですw。
哀れケーキタワーは尖塔建築サグラダファミリアから、噴火済みのベスビオス火山へと変貌してしまった(笑)。
ガウディも真っ青です。
どこからか悲鳴が聞こえた気がした。
その暴挙によって多くの席を占めていた女子たちから白い目線を浴びたことは言うまでもありませんw。
しかし! 形あるものはいつか壊れるんだ!
愛は壊れない!
アンタたちの愛は壊れるのか! 形のないものを愛せよ!
アタシがやってあげたと思いなさい。みなさんの代わりに執行したのです。
そうアタシは胸の中で思った振り返りのこと。
結局、アタシのやったことがキッカケとなって、みんながめいめいにケーキタワーの好きなところを取り始めました。
結局はそうしないと食べられないのですw。食べれば崩すことになる。
火山はあちこちで崩落し、土石流さえ起こしていました。
チェリーが落ちフルーツが混然となり、ゼリーがひび割れ、ババロアが揺れるw。
みなさんも崩壊を受け入れ、破壊と創造に手を貸し始めます。
そうして今度はみなさんは取り皿をキレイに盛り付け始めていました。
ケーキタワーを崩し、ご自分の取り皿に新たな可愛らしい盛り付けのケーキを創造しようとしてた。
そのみなさん各自のケーキをアタシが破壊しに行くわけにもゆきませんでしたが(笑)。
フラフラと、溶岩とドームが不安定な様相を呈しているところにまたアタシが行った。
シュークリームがかろうじてスポンジの崖スレスレに乗っていた。
アタシはわざわざその下を掘り進めて中に挟んであるイチゴを取り出した。
摘出された真っ赤なイチゴにクリームとババロアをからめると、シュークリームは音もなくゆっくりと落下してゆきました。
こんなゴージャスなデザートではシュークリームなど外道、選ぶのも邪道なのです。
そうして破壊の限りを尽くした傍若無人の無双。
アタシが去った後、小さな女の子が泣き出しそうな顔でその残骸を見ているのも一興でした。
逆に、食べて腹に入れば同じ、なんて言ってたらみんな流動食になってしまいます。
それじゃまるで宇宙食です。
味だけ牛丼、カレー、クリームシチュー、でもアルミパックからストローでいただく。
それはちょっと困る(笑)。
人間だもの。
アタシはバリバリとタコスの破壊を味わいキレイに最後まで食べれたけど、家内はコツが分からないようでした。
指がベトベトと(笑)。
イラつかない。頑張れw。
挟んでも壊れてしまうもの。
おっぱ・・・(略)・・・
いや、もうお分かりでしょう。
みなまで言わないwww(笑)。
タコスにはヨーグルトやマヨネーズのトッピングもいいかも知れません。
濃い目の味の添付のソースでしたが、残ったらこの挽肉をご飯を乗せて、目玉焼きを乗せると「タコライス」なんてのもできるのです。
苦労しながら食べている家内を見るとアタシがエスニックな人間のような気になってくる。
アタシはほんのわずかに指が汚れるだけ。
タバスコを後でかけると汁っぽくなりますから最初からシーズニングの段階で入れておくのもいいかも知れません。
バリバリンと噛んで上手にタネとタコシェルをいただけています。楽しい。
実に堂に入っている。
・・・アタシは前世はメキシコ人だったのかも知れない(笑)。
いや、そんなに濃い顔じゃないw。
濃いのはタコスのソースだ。
おそまつ
めいしくおしあがれ
