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玉子の晩餐、プレーンオムレツ


晩飯にはまだ時間は早いように思えた。

 いつもの晩酌のチューハイを開けると、俺はゆで卵を剥いて塩をつけて食った。
 冷蔵庫にあったものだ。俺は用意がいい。

 こういうツマミも悪くない。
 つけるのはトリュフ塩だ。

 コイツはもう何年置いてあるだろうか。
 なかなかなくならない。


 収納にしている食洗機にはまだたくさん卵が見えた。

 2パック買ったと言えば20個ということになる。
 そうは毎日食べてもいられない。

 納豆や豆腐、良質なタンパク質は他にもあるんだぜ。俺は卵に言ってやった。

 まだ1パックも残っている。

 家内が帰るまでには食べておかなくちゃな。




 卵は新鮮過ぎない方がいいかも知れないと俺は思っている。

 昔は、とにかく採れたて産みたてなんてのを珍重し、ありがたく思っていたものだが、何度か家内が新鮮すぎる卵で蕁麻疹を起こしてからは考えを改めた。

 すこし時間が経って細胞が落ち着いてからの方がいい。
 ちゃんと食えるものだと体が分かるようになってからがいい。
 熟成したような卵の方がいいと思うようになった。

 俺自身は蕁麻疹になったことはないが、家内にそういうものが出ているのだ、何かしらの反応はあると考えるのが普通だ。

 家内も日にちのたった卵なら生でも食べている。
 スキ焼きにするのだって、少しレンチンした卵なんてちょっと趣旨からしたら違うだろう。


 我々のアレルゲンというのはかくも癇癪持ちで厄介だ。
 




 在庫の卵を見てしまい、タンパク質の重量感を感じてしまうと無性に粗食が食べたくなった俺だw。

 明日のこともあるから味噌汁を作る。

 味噌汁なんて、作りたてよりも一晩寝かしたぐらいが一番美味いものだ。
 だから味噌はインスタントというわけでもない。

 旨さを考えるなら一晩置くのだ、野菜がグダグダになってしまわぬように大きく切っておく。
 まずは味見程度に今晩の味噌汁だ。


 冷凍していた笹がきのゴボウ、人参、そして大根を用意する。
 ダシは炒りこにした。煮干の小さいヤツだ。
 そのまま入れた。

 炒りこは正月のお節の「田作り」になる予定だが、この程度ではなくなりはしない。
 わずか二本ぐらいのものだ。





 ダシが出たのを見たら野菜を入れて少し煮る。
 ここで塩を入れてもいいだろうが俺は止めておく。過ぎたるはなんとやらだw。
 漬物も食うのだ。


 火を止めてから味噌を溶く。
 麹の成分の多い上等の味噌と、いつもの安い味噌を混ぜる。

 安い味噌はストライクゾーンが狭い。
 そこを上手に作ってみせるのが楽しい俺さw。

 そうして米、白菜の漬物、糠漬けのナス。
 それで晩飯にした。

 シンプルで美味い晩飯だ。
 米は玄米で今年の新米だ。
 なんという贅沢かと思ったものだ。

 粗食だったら贅沢を宣言できる。
 高いゴージャスな食事だと、どうしても罪悪感とか場違いというか、あまり気乗りがしない感じになって箸を終えることになる。

 俺は五郎ではないのだ。
 調子に乗らない。こんなところで俺は戒律を守る。




 ニュースを読んだりブログを読んだりしていたらすっかり遅くなった。
 酒もすっかりすすんでいた。

 晩飯は食ったが、何かツマミが欲しくなったのさ。

 さっきの卵のパックを思い出した。オムレツが作りたくなる。ここでカメラがズームアウトさ。
 よし、作ろう。


 小さめの、カレー皿ぐらいの大きさのフライパンを出す。
 こいつは手軽な鉄のフライパンだ。重宝するぜ。

 この大きさで足りるかい。俺は卵に聞いた。
 卵は二個だ。


 ボウルに卵二つを割って塩を入れる。
 ハンプティ・ダンプティ、この塩が大事というものさ。
 でないとケチャップが引き立たない。塩気はしっかりあった方がいい。

 厚焼き玉子とは違うぜ。作るのは洋風のピュアなオムレツさ。

 俺はフライパンでバターを溶かし、卵のボウルに流し込んで混ぜた。




 おっと、先に皿の用意もしとかないといけない。
 もちろん酒は飲み続けた。
 「世界の料理ショー」だってそうだった。これこそがギャロッピング・グルメってやつだ。


 まずは何か動画を開いて停止させておく。ツマミを食いながら鑑賞だ。周到な容易が大事さ。

 続いて皿をみつくろう。洋食だからやはり洋皿だ。
 フォークでいただくとしよう。

 ケチャップを出す。
 「リコピンXXリッチ」こいつがなかなか美味い。
 安くなっていれば買うべき商品のひとつだ。


 そして優し目の辛さにした自家製タバスコを俺はチョイスした。
 辛いのが苦手、なんて、とんだ甘ちゃんだぜ。

 オムレツはヨーグルトでも入った方がいいだろうか。俺はちょっと考えた。

 だが、ヨーグルトのパックはまだ開けてない。開ければ劣化は早い。
 ここはあくまで卵さ。プレーン・オムレツを味わおう。

 シンプルに徹せよと卵が言った。




 フライパンをまた中火で温め始めた。
 冷たい卵を入れればフライパンの温度は一気に下がる。だから中火からだ。
 卵を投入したらすぐ弱火にすればいい。
 
 まずは三分の二ぐらいの卵液を流し込んだ。
 
 フライパン全体に広がった卵をほぐしつつ手早く箸でまとめていく。
 油は少量だがこびりつくことはない。
 日頃の鉄のフライパンへの気遣いがこうして役立つ。


 急いで卵をまとめてゆく。
 半熟のままでいい、俺はそこに残りの卵を流し込んだ。
 ボウルからスパチュラで最後の一滴まで卵液を掻き出す。


 ここからが箸やスパチュラが役に立つ。
 玉子を立たせるのだ。

 集めたフワっとした玉子を箸で手早く集め、オムレツの端を作ったら程よくまとめる。
 三日月形、これがオムレツの形の原型だ。

 そしたら、箸でもスパチュラを使ってもいい、そのオムレツを立たせる。
 ゆっくり、横に立てるようにするのさ。




 オムレツは洋食コックの基本中の基本と言われる。

 フライパンに雑巾を置いてトント・トンなんて、練習するのはよくある光景だ。


 オムレツはダシ巻き玉子ではない。
 だから、ふわっと中に空間が開いているぐらいが理想だ。

 フライ返しやフライパンを盛大に動かしてひっくり返したりしてしまうと、卵自身の重さでべちゃっと中身がつぶれてしまう。
 ノシたようになってしまうのはいただけない。


 それは比較すれば一目、いや、一味瞭然だ。
 固い凝固したようなオムレツと空気が入ったフワフワのオムレツの食感はまるで違う。
 半熟オムレツではないのに、中がフワッとしているということだ。
 ここは俺を信じていい。


 こういう技術を見せる意味でも、ホテルの朝食バイキングではああしてコックがわざわざ目の前でオムレツを焼いてくれるのだ。
 その腕に納得したら晩は地下のレストランを試してください、とね。


 別にあのコックたちはハッタリでも客の監視にいるわけでもない。
 どうせ食べ放題だからと、こっそりと朝食をタッパーに詰め込んで、旅先の昼食にしようとする不届きな客を監視するわけでもない。


 彼らはフッ素加工のフライパンも使っていたりはするが、ちゃんと中身がフワフワなのは技術に裏づけされたものだ。




 しかし、こちとらそれほど自信はない。
 ハンドルの手間を拳でトント・トン、「ハリーとトント」はお呼びじゃない。

 だから俺は箸やスパチュラでオムレツをいったん立たせるて同じことをやるのさ。
 そうっとオムレツを静かに立たせて中身に空洞を作る。

 要するにここは、「タコ焼き」の中の空洞を作ることだ。
 ぎゅっと、ツクネのように中身が詰まったタコ焼きなんてゾッとしないか。


 そうして、慎重に出来上がったオムレツを洋皿に載せて俺はパソコンの前に運んだ。

 この皿も温めておけばよかったなどと思ったりはする。
 それを言い出したらキリなどない。

 上に散らすパセリがあってもよかったな、とも。
 そんなことが俺の脳裏をよぎったのは事実だ。





 とにかく思惑通りに出来たようだ。
 洋式ツマミのオムレツというわけさ。

 オムレツはフワッとしていて中はまるで半熟のような食感だった。
 だが半熟卵でないのだ。
 それなのにまるで半熟のような食感。

 あまりオムレツの真髄が言われることもないだろうが、もっと注目されてもいいはずだ。

 卵が生だったり新鮮過ぎてアレルゲンが反応してしまう人もいる。
 ホテルでそれじゃ困る。
 だから火を通す、なのに半熟でないのに半熟のような食感がいい。

 この西洋コック式のオムレツは仕掛けが込んでいる。


 ガーリックバターも使ってもよかったな。

 茹で卵とオムレツで一日に3個も卵を食ったことになった。
 いや、大丈夫だ。
 夜の活力源さ。

 今度、死んじまう前にフレンチトーストを作ってやろう。



めいしくおしあがれ







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