家族を守ると考えろ、そのこと
先日の大相撲の反省会ではちょっとした収穫がありました。
メンタル面で失敗の多かったアタシには大きな収穫だったと言えます。
アタシもメンタルに問題があったのかも知れません。
アタシなりの訓戒を得たのでした。
それがメンタルのホメオスタシス。
平常心でいられる、強いメンタルを維持し続けるコツです。
振り返ってみると、つくづくアタシにはできていなかったなぁと思った。
確かにダメでした(笑)。
何度も何度も失敗し、今度こそもし失敗したら命がないかも知れませんw。
どうすれば強いメンタルを保てるか。
どうすれば平常心、精神のバランスをとれるかということです。
結論から言えばそれは「家族を守る」、そう考えていろということです。
家族って言ったって、それは誰でもいいのです。
内縁でもいいし、パートナーでもいいし恋人でもいいしペットだっていいw。
友人や会社のチーム、ファミリーでもいい。
自分にとって大切な人。
感情をこちらに向けてくれるモノを守ろうとする気持ち、これを常に持つようにすることです。
それがメンタルのバランスにつながるということなのです。
つい浮かれてしまいハメを外してしくじったり、絶好調と思ってアクシデントに見舞われたり、危険を予測できなかったり、厄介ごとに巻き込まれてしまったり。
誤解されたり、不用意に敵を作ったり、リズムを崩してしまうこと。
失ったり、ミスしたり、間違ったり迷ったり、勘違いしたり、ほったらかしにしてしまったり。
感染ってしまったり、我慢できなかったり、目をつぶってしまったり、忘れてしまったり。
いい時に必ずと言っていいほど見舞われる失敗と転落というのがあります。
それを防ぐ方法です。
それにはいつも平常心でいること。
自分を客観視しないようにすることです。
もちろん、なかなかできることではありません。
だから、そのためには常に家族を守ろうと思っていることです。
考えてみれば、結婚したというニュースが流れて、そのお相手を大好きです、なんて言う力士はたいていスランプに陥るものです。
過去からの多くの話を思い出しても腑に落ちるところがあります。
名前は出しませんがw、最近でさえ結婚して幸福そうな力士はどうにもパッとしない。
せっかく家庭を持って調子が出てくるはずなのに、と、周囲は訝っていることでしょう。
北の富士なども同じようなことを言っていました。
そうやって結婚して振るわないということになると周囲から色々と言われるプレッシャーがかかる。
だから昔はあまり早くは結婚したがらなかったものだ、なんて(笑)。
「アイツは嫁さんのせいでパッとしなくなってしまったんじゃないか」、なーんて話ですw。
我々の社会でもそれはよくあることです。
「新婚ボケ」なんてごく一般的な言葉です。
しかしそれは結婚したことが悪いわけではないのです。
一方で結婚してますますよくなってゆく人もいるのです。
浮かれてしまいメンタルのバランスを崩してしまっているのです。
これはどうしたものか。
「人生の良い時だ」などと自分で思うことで自分を客観視してしまうとメンタルのバランスが崩れてしまいます。
自分を客観視すると色んな視点が生まれて迷います。一貫性がなくなる。
そんなことが起きます。
その「良い時」なんてのは何も結婚でなくてもあることです。
人生の一番いいときだ、順風満帆だ、調子に乗る。
成功や達成が見えたりする。賞をもらったり昇進したりする。
そんな時に限って失敗してしまいます。
しかし勢いというのがあるはずです。成功したらまた次から次へと好調が連鎖し、つながってゆくものではないのか。
ところが、それが逆だったりします。
なぜか悪い方に向かってしまいます。
それは気持ちが浮ついているから。
浮ついていると、つい自分を客観視してその美酒を味わおうとするものです。
自分を見失ってゆきます。
そうして精神のバランスが取れなくなってゆくのです。
しかし調子のよい時ほど自覚が必要です。自分を客観視していてはしょうがありません。
その時、家庭を守ろうと考えなくてどうするのか。
人生が上手くいっている時ほど家族を守ろうと気をつけなくてどうするのか。
結婚しても、嫁さんが家のことをよくやってくれるとか、体に気を遣ってくれるとか、独りの時と較べて暮らしが素晴らしくなった、なんてこと。
そうやって自分のことを客観視するべきではないのです。
では自分はどうするかということ、自分の役割はどうなのかを思うことが大事なのです。
良い時にメンタルを強く持てているでしょうか、平常心でしょうか。
でないとしくじる。
結婚ということで言えばあの若嶋津だってそうでした。
現役中に高田みずえと結婚して成績がガクっと落ちて、嫁が悪いなんて言われてしまったものです。
彼はみずえにベタベタでした。
そうして引退して親方になり、部屋をみずえのチカラで成功させました。
老齢を重ねて、みずえがタニマチに歌を披露すればたいそう彼は喜んだ。惚れ惚れしたことでしょう。
それもまた彼の人生の嬉しい時、良い時になりました。
そしたら、サウナ帰りに転倒し、大変な障害を抱え込むことになってしまいます。
好事魔多し。
でも、違うのです。
別に高田みずえのせいなんかではありません。
アゲマンだのサゲマンだなんてことは実はないのです。
全てはメンタルのバランスの問題です。
正常な状態、恒常性を保てているかということです。
良い時に浮ついてしまっているのです。
ただ云うは簡単ですがどうすればよいのでしょうか。みんな苦労しています。
よい時に浮かれないようにするなんてとても苦労する。
良い時に暗い顔をしていたらツキさえ逃してしまいそうに思えてもくるw。
また、これはという時やイザという時、追い込まれた時はむしろメンタルは強くなっているものです。
そんな時に自分を客観視して迷ってしまうことはあまりありません。
「良い時」にいると思うからイザという時でもチカラが発揮できないのです。
ここぞという大一番、独りぼっちの方がむしろ強くなったりしますw。
しかしその大一番に立った自分には愛する家族がいて、そのことを嬉しいと思う。
追い込まれているはずなのに実は浮かれていたりします。調子を狂わせている。
自分を客観視してしまうから逡巡してしまい間違う。
「家庭を守る」と思うには主体が自分になければ思えません。
自分が主体であればやるべきことが見えてきます。
躊躇なく立ち向かうことができる。
危険を予測し、本能を使い、迷いがありません。
家族を守ろうとすれば自分を保っているしかありません。
客観視してしまい、好きな相手と結婚した自分は人生の絶頂期、良い時だと思ってしまうかどうかの違いなのです。
それが必ずメンタルに関わる。
良い時だと感じると嬉しくなってどうしても自分を客観視するようになります。
そうして噛み締めると愉悦は大きくなります。
「自分の気持ち」なんてちっぽけなものでなく、大きな世界から自分の良い時を感じようと人間はします。
すると警戒心がなくなってハメを外してしまったり、しくじる。
失敗するのです。
しかし浮ついてやらかしてしまわないか、ござってしまわないかというのはあくまでご本人の問題なのです。世界の中心には自分しかいないのですw。
よい時に平常心でいることは詰まらないと思うかも知れません。
ニコニコ、デレデレしたり、結婚じゃなくたって良いこと続きなら素直に喜びたいものです。
それを難しい顔をして「まだまだ落とし穴はある」とか「まだ次の問題が控えてる」なんて心配ばかりでは詰まらないではないか、と。
前向きになってトントン拍子になれるではないか、と。
しかし人間にはやるべきことがあります。見失わないようにしなければいけません。
それを見失わないためにはどうするか。
難しいものです。
当事者として次のこと、気をつけること、やることはいくらでもある。
しかし、いいことばかりが続いてるとついそれを見失いがちになるものです。
だから家族を守ることを考えます。
そんな良い時でも自分とパートナーは一緒にいるのです。
油断するなんてとんでもない、そういうことになる。
だから、それを考えるキッカケにするため「これだけ良い時だから家族を守らねばいけない」と、そう思えばいいのです。
きっとその良い時を家族も共有しているのですから。
ちょっと混乱させてしまったかも知れません(笑)。
高安関www。
大関になり彼は人生の良い時を迎えました。
兄弟子の稀勢の里が横綱になり、追いかけるように彼は大関になったのです。
自分もここまで来たか、そう思ったかも知れません、すでにそこで客観視が始まっていますw。
浮ついている。収まりがつかない。
そして大関の地位から転落。
結婚もします。お相手は演歌歌手の「杜こXのみ」さん。
またも人生にとっての良い時です。
相撲協会のプロフィールの「好きなアーチスト」欄、そこに嫁さんの名前を書いてしまうほど大好きw。
またメンタルバランスが崩れていきます。
ちょっと持ち直した、いよいよ優勝が見えてきます。
そうすると嫁さんと自分のことを考える。
ここで優勝できたらどんなに素晴らしいことか、ここ大一番が嬉しい一番になってゆく。
ドキドキしてくる。
自分を客観視して自分以外の様々な視点でモノを見るようになる。
そうして自分本来のチカラが発揮できなくなってしまう。
優勝を逃してしまう。
これで三度目w。
ではどうするか。
俺は家族を守るんだ。
大関から落ちた俺が優勝しないままでいたら嫁さんは何と言われることか。
守らねば。
と、そう思うことでメンタルのバランスを保てる。
気持ちが揺れても必ず元に戻る。恒常性、ホメオスタシス。
そりゃあ塩をたくさん撒いて心象を転嫁させる、そんな小手先の工夫もあるかも知れません。
しかし必ず客観視が入ってしまうものです。
長続きしてメンタルを強く維持できる一番のコツ。
それが「自分の家族を守る」と考えることです。
おうぞどだいじに
※ まあ本日のお話はアタシにとっても自戒ということになります(笑)。
アタシもちょっとは振り返るぐらいには歳を食った。
今度は失敗しないようにしようと思う。
家内のことで浮ついたことはなかったんだけどww(笑)。
まあ、だからこそ「パートナーと別れる」ってのはどちらにもキツいものなのです。
もし「別れたい」なんて思ってしまったらチャーリー・ワッツのことを思い出すといいとアタシは思うw。
ミック・ジャガーの長年のガールフレンドが自殺して衝撃を受け茫然自失の状態だったと言います。ひどく落ち込んでしまった。
それを見たワッツは言ったものです。
「ここまでやってきたんだ。ヤツとは一蓮托生ではないか。ヤツを支えよう。」と。
一蓮托生。www
そう言った彼が先に死んでしまったけどw(涙)。
おそまつ
