ヤニ下がった奴
「当たり年」なんて言葉のことを考えてみたら、先日の「ヤニ下がり」というのもありました。
「ヤニ下がった奴だな」というような言い方をします。
この言葉で表現されるような人物はどんな人物か。
アタシのイメージからしたら赤塚不二夫のマンガ「おそ松くん」の「イヤミ」というキャラです。
このキャラは作品の中では別格でした。
嫌味を言うから名前が「イヤミ」なんでしょうが、「嫌味」とはちょっと違うような(笑)。
批評というか皮肉、嘲笑をよく言う人でした。
フランス帰りを「ひけらかし」て人々を見下し、今で言うなら「マウントしてくる」人だった。
かなりキャラが立っていたと思います。
どうしてあの作品からスピンアウトして単独でやらなかったのかは謎です。
「おそ松くん」は実写化されたと聞きましたがイヤミもいたことでしょう。
どんな役者がやったのか(笑)。
「ヤニ下がり」というのは身体的表現の比喩です。
正しくはこれは身体を直接使ったもの、例えば「首をタテに振る」というようなものではないですが、類似した非言語行動であり、身体的な表現のひとつと言えます。
実際に「ヤニ下がる」ような行動はありますし、それが比喩表現に転じています。
「首をタテに振る」、黙っていても、こうすれば承諾の意思表示です。
これを比喩して「いっこうにお客が首をタテに振らない」なんて言うわけです。
まだ客は首を振ってないのですから身体表現はそこにありません(笑)。
「振ってもらう」という比喩になるしかないわけです。
面白い(笑)。
そんなの見せられてもピクリともしない。アタシの下半身はまるで勃・・・(略)
おっ!お゛ーーーっっ!、ごっほっん、ごほっんん、
ご、ごほごほん(笑)。 ごほーーん!・・・ゴホン
そんなこと言っても、なかなか、勃たなかったりしてwww(泣)。
こうした行動には意味があり、意思を伝達します。
言語以外の方法で意思を伝えようとするものです。身体言語。
これは同じ文化を共有する共同体圏の中だけで通用するもので、他の国や地域では通用しないこともあります。
同じ国でも、時代が違うと通用しないこともあるわけです。
それで、「ヤニ下がるような行動」のお話となるわけですがw、現代では煙管を吸う人は少ない。
あまり具体的にこの非言語行動が見られないため、直感的に分からない方もいるかも知れません。
どういう人物について言われることなのか、どれだけ共感できるでしょうか。
ネットの情報でもハッキリしないと思います。
もともと非言語行動の比喩ですから「これだ」ということは難しいからです。
比喩ですので、まずは「ヤニを下げる」という非言語行動が何か分からないとしょうがありません。
これは「煙管(キセル)」を使った非言語行動です。
煙管を吸ってみれば簡単に分かるものなんですが、最近は紙巻タバコすら吸われなくなってきているというのがあります。
ましてやキセルなんて古道具屋で探さないと手に入りません。
周囲を見てもアタシらぐらいしか吸ってないもんだから、きっと分かりにくいだろうと思ったw。
ヤニ下がりというのは煙管を吸う際の現象として起こります。
煙管というのは、タバコの葉っぱを先に詰めて火をつけて吸う喫煙具です。
ながーーい、筒になっていてプカリプカリとタバコを吸うもの。
吸い口の部分と火をつけるところは金属で出来ています。
中間の部分は竹なんかを使います。
火をつけたら先のタバコが燃えるのをよく見てプカプカしつつ、よい煙を作って吸い込む。
鉄道料金を誤魔化すことを「キセル」と言いますが、それは「中間にカネ(金属)を使ってない」ということからきている隠語です(笑)。
日本人はこういう洒落っ気のある言い回しが大好きです。
まあ、自動改札やら何やらで現代ではキセルはもう実行不可能のような気がしますがw。
で、煙管を吸うのにその火のついた先を上に向けて吸ってみます(笑)。
どんな姿勢、格好になるでしょう。
なんだか鼻高々な、嫌味ったらしい得意満面の感じにはならないでしょうかw。
ながーーい、煙管を上に向けてタバコを吸うと、どうしたって相手を下に見るような感じになります。
つまり得意満面で人を見下すような態度。
しかしそんな吸い方をしたら、たちまちヤニが煙管を伝って下がってきてクチの中に流れ込んでしまいます。
苦い。ヤニを飲んじゃう(笑)。
だいたい、火皿が見えないですからヘタをしたら火のついたタバコが吸ってる拍子に吹き飛んで自分に飛んできちゃうw。
危ない。襟足に入っちゃったりしてw。
そんな持ち方は普通はしないものなのです。
その煙管の先を上に向けて吸う姿勢でご本人はマウントしているつもりでもズッコケているw。
「ふふふん」なーんて、そうやってご満悦なのですが、煙管からはヤニが下りてきています。
優雅にタバコを楽しむどころではありません。
実はみっともない状態になっている。
で、「ヤニ下がり」。
カッコつけて得意満面のつもりでも、実はそんな体になってない。
「馬鹿な奴だなありゃあ」、、、と、比喩になるわけです。
似たようなもので現代的なモノだとなかなか思いつきませんが、「シークレットシューズ」とかw、「カツラ」とか。
「カツラ」は「お帽子」なんて言いますw。
「お高いお帽子だとすぐ分かりますわね(笑)。」
なーんてw。
「あいつは何だ。妙にヤニ下がった奴だな。」
そんな言葉をお聞きになったら、まず煙管を上に向けて吸ってる姿をご想像ください。
嫌味な奴、傲慢な奴、偉ぶった奴、鼻高々、得意満面な奴、マウント小僧、お高く留まってる奴、キザな奴・・・etc。
色々当てはまると思います。
それぞれ意味は違いますが、要は非言語行動の比喩が当てはまるかどうかです。
「膝を打つ」なんてのを考えてもお分かりでしょう。
「それだっ!」っていうのもあるし、気が付いた時、「面白い!」って思ったり、共感したり、「あるある!」とか、「しくじったなっ!」、「それみたことか!」なんてのもイケますw。
比喩表現なので意味は多様であっていいと思いますが、どうか。
鉄道の「キセル」。
振り返ればアタシはもう、それこそキセルの常習犯でした(笑)。
子供の頃の話で、捕まったのは一度だけ。
しかしそれは、キセルなんてレベルじゃなくて、かっぱらいのようなものだったw。
普通のキセルと言ったら、どうか。
初乗り運賃で改札を通過し、出てくる時は短い区間で買った定期券で出てくる、そんな具合でしょう。
だから今ならちょっと無理だというお話。
改札に入った記録と出る記録が照合されますから今だと無理でしょう(笑)。
入札してないのに出てこようとするんだからw。
アタシのやったキセルはもっとひどかった(笑)。
定期券を買って電車通学していたのですが、昔はその定期券というのは見せるだけでした。
その見せるのを誤魔化して改札を突破するやり方です。
今だとピンと来ないかもしれませんが、昔の定期券はどこにも通す必要はありませんでした。
ただの券でした。
これはスキー場のリフトの一日券なんて思い出してもらうと分かりやすい。
駅員に見せ、それで改札を通過するのです。
ランドセルの横にゴム紐で定期券をパスケースごと括り付け、改札を通過する時にサッと駅員に見せます。
当時の子供らはそうやってみんな定期券をランドセルに括り付けていた。
定期券にはデカデカと期限が書いてあって駅員はこれを一瞥する。
それで有効な定期券を持っていると確認され改札の通貨を許可される。
期限が切れているのが発覚すると、駅員は色をなして咎め立てしたものです。
「ちょっとおぉ、お客さぁん! テーキ切れてるじゃない!」
なーんて。
昔は大人でもそういう期限切れの定期券を使い続けるなんてズルをやってたものですw。
子供ですから背が低く有利でした。
チラッと見せればいいわけで、指で期限のところを隠したりして改札を通過した。
暫くこれをやって頃合となったら定期券をちゃんと買う。
誤魔化して延長した期間の分だけナイショの小遣いが増えるというわけです。
しつこいようですがアタシが捕まったのは一度だけでしたw(笑)。
ある程度キセルをして期限の月が替わると正規の定期券を購入したものです。
捕まった時はアタシが常習だというのもバレませんでしたw。
ひたすら勘違いしていたと平謝りw。
でも二ヶ月も期限切れの定期を使ってたんだw。
何事もほどほどに、そんなことを実地で勉強した振り返りのこと。
やがて子供料金でなくなった歳になっても、アタシは暫くは子供料金で乗っていた。
それもまあ、乗車料金を誤魔化したという意味ではキセルの一種でしょう。
「ヤニ下がり」は自分に返ってくる皮肉ですが、キセルはそうしたしっぺ返しはありませんでした。
当時はストでよく電車が止まり、途中で線路を歩かされたりしたものです。
電車に白ペンキでアジ文が激しく書き殴ってあり、本数の減らされた電車はいつに増して殺人的な混雑ぶりでした。
国労とか動労とか。国鉄はストライキばかりやっていたw。
そういう恨みがなかったとは言えません。
しかし満員電車の記憶はよい思い出です。
せのおりはそわになりました
※ 分かりやすくお話しようとすると複雑になる。
上手く説明できたでしょうか。
「ゼスチャー」とか「身振り」って色々と考えると面白いものがあります。
おうぞどたのしみに。
ちょっと見てみましたが、ネットの情報もアテにならないいい例だと思った。
goo辞書だとこんな感じです。
やに下がる/にやける の使い分け
