ハモをいただく夏の贅沢、高級感
帰省から戻ってきた家内とスーパーへ。
「これ『ハモ』だす。買いデス。食べるデン。」
「はあ? え? ちょっと高くないか? それに調理したことないぞ。」
「魚屋さんディ。湯引きデァ。教えてもらったデン。」
「な、何を言ってんだ?w」
「中性名詞と女性名詞www(笑)」
「さっぱりデァ。分からんデス。デム。デン。?www」
アタシと家内が何を言ってるダスか分かりにくいでしょうが、最近のポリコレ的な風潮で言葉がやたらと縛られているという話デスww。
だったらドイツ語なんかでの女性名詞とか男性名詞、中性名詞ってなくなってしまうのかな、なーんて話してたデスw。
「海」が女性名詞だなんて、いかにもジェンダーチックで差別的だとか言われそうw(汗)。
「女は海だ。」
「勝手に決め付けるな!」
なーんて。
だって「ミスタービーン」って言っちゃいけない、なんて話さえあるらしいですから。そしたらそういうことになるw。
異常なプロパガンダの氾濫と言えましょう。
シンデレラは黒人であるべきで、地球温暖化対策のために肉は食うな、と。
牛肉一切れを作るためにどんだけ穀物を消費しているのか知ってるのか、と、非難される。
やれやれwww(笑)。
その代わりにウクライナにロケット砲を渡してりゃ意味がないんだけど。
ありおり、はべり、いまそがり。
なーんて、馬鹿なことを言いつつアタシはハモを買うのに躊躇してしまった。
家内の留守中、一人でひと月ぐらい買い物してメシ食ってて、こんな高い買い物したことなかったからw。
大きな鱧(ハモ)がふた切れで850円。その半額です。
家内は買いたそうだった。
「こ、今夜食べちまうのか?」 「うん。酢味噌で食べるの。」
「んーーー、 ち、ちょっとまた今度にしないか?」 「・・・」
なんて言ってアタシはトレイを戻させた。
外のベンチに座って二人で酒を呑んでいると、またハモの話になった。
大きなハモです。ハモは夏の風物詩だ。
湯引きにして酢味噌や梅酢で食ったら美味しいんだよネ。なーんて。
ああ、ここでアタシが食わせなかったら絶対に後で言われる。
アタシは直感したw。
脂汗が背中を流れた。流れましたともww。
「ち、ちょっと、やっぱり買ってくる。」
「えぇぇええ(笑)。」
アタシは思い直してスーパーに買いに戻ったものです。
どうせ他の客、みなさんだってそうは食べない。贅沢する人ばかりでもない。
パックはひとつだけだったけど、きっと残ってるはずです。
どうせ売れていたら家内はまたアタシを非難するんだ。
買いに戻ろうとするアタシを止めなかったのはそういうわけだww。
どうせ売れて残ってないと思ってんでしょう。
でも大丈夫。残ってるはずです。
案の定、ハモの大きなパックは残っていました。
戻ると家内は笑ったがちょっと表情に陰が見えた。
やっぱりアタシを非難するつもりだったんだなw(汗)。
ホッとした。
「ワタシが食べたいってものは買ってくれない!」
なーんて、どうせ言うんだ。
ごめんネw。
ちょっと、このところ質素倹約気味なもんだから怖気づいちゃったwww。
アタシは手をつないで次の店に歩き出しました。
なんだか切なくてアタシは心が泣きそうになったwww(泣)。
帰って早速、家内は店員から聞いた通りに「ハモの湯引き」を作った。
ネットで調べるより簡単。店員にクチで説明してもらえれば2分で済む。
冷やしておく時間があるのですぐに支度するのです。
叩いて骨を切ればもういいらしい。皮は剥いてあります。
お湯に通したら氷水にとって冷やすだけです。
そうしてタレの準備も進めます。
白味噌で酢味噌を作ります。
砂糖少々、マスタードも少し。後は酢。
もうひとつタレを作る。梅酢ダレです。
アタシの梅ピューレとハチミツで甘くして酢。
暫く冷蔵庫で冷やしておいてから食べるのです。
食卓に並べられた時、ちゃんとハモがザルに乗っていた。
そうそう。
なぜかハモってザルに盛り付けるのです。
見た目がとても涼やかです。
昔、テレビでプチブル気取りの番組があった。そこで大橋巨泉なんかが高級そうな美女と京都の川床で会席料理を食べて、ハモを食べていたのを思い出す。
ザルがあって下に氷の塊があったり、涼しい演出がされていた。
家内が言った。
「すごく美味しい。全然違う! 今までで一番美味しいハモかも知れないよ!」
家内はとても喜んだ。
よかったなあw(笑)。
ごくたまに買う時は調理済みの湯引きで、わざわざ自分で作ったことはありませんでした。
それで美味しかったのかも知れません。
アタシはハモなんてほとんど食べつけないものですが、毎年夏になるとなんだか食べてみたくなるもののひとつではあります。
いつ刷り込まれたのか知れませんが、なんか雰囲気がある。
夏の旬だという触れ込みと、ちょっと異質な文化的な魅力を感じるものです。
高いからなかなか買うことはないけど。
ザルに盛り付けられているのもよくありがちなことです。
それがハモの定番のスタイルという奴でしょうw。
雰囲気。
よく冷やした日本酒でツマむ贅沢。そんな浴衣が似合いそうな雰囲気。
箸の運びも心なしか上品になります。
枝豆だって夏らしくていいんだけど、ハモはなんか違うと思ってしまう貧乏性(笑)。
高そうなモノを食って涼やかに気取っていると、テーブルの向こうもなんだか高級な尾根遺産に思えてくるものです。
いえ、女性が「売りモノ」だから「高級」という意味ではありません(笑)。
お高くとまってらっしゃる尾根遺産という意味ですw。
どれ、アタシのクチに箸でひとつくださいナ。
「い、嫌!www」 「・・・w(汗)」
ハモの味、それ自体はそう大したものではないような気がします。
ブリや鯛なんかとは違います。
それは言ってみればウナギやイクラをタレなしで食った時のような感じ。
なんかサラリと除けられたような、待ちぼうけをくらったようなお味www。
でもタレをつけるとまるで違う美味しさなのです。
身の味が活きてくる。
だからちゃんとタレは味見をして注意して作りました。
美味しいタレはハモがことのほか美味しく感じます。
ウナギもイクラだって同じようなものだとアタシは思います。
そのまま何も漬けないイクラなんて頭の上にハテナマークの出るようなお味ですw。
どちらもやはりタレが重要なのです。
「ウナギのタレだけ」なんてのが売られていますから、やはりあれもタレなんだと思う。
「メロンパンの皮だけ」ってありますが、アレは、、、違うかな(笑)。
でもウナギもイクラもどちらもずっと食ってないw(泣)。
これも地球環境問題に関係があるかも知れません。ウナギは深海から湧いてくるその稚魚が獲れなくなったとか言われますし、イクラも不漁だと言います。
まあ、ウチの財布の問題もあるでしょうけどw(笑)。
結局、二人でペロリと平らげた。ごちそうさまでした。
お腹がいっぱいになりました。
梅タレがアタシはよかった。気に入った味にできた。
余った酢味噌でキュウリをいただきます。
サラダと、うどんを少な目で後で冷やしでいただきました。ワカメうどん。
ハモもそうでしたが、夏は食べるものをあらかじめ調理しておいて冷蔵庫で冷やしていただくのがいいのです。
いわば「冷蔵調理」です。
鯛もアラを前日の晩に煮付けにして冷やしていただきました。
冷えるとコラーゲンが煮こごりになってゼリーのようでした。
これとソーメンをいただいた。
何もクーラーのガンガン効いた店で熱々の鍋焼きうどんでなくともいい(笑)。
それはもはや遠い昭和の風景です。
ムダや余計なものが豊かさだった成長の時代でした。
計画的に作ればいい。
夏らしく涼しく楽しくいただけます。
実家に帰った時、家内はさぞかし美味しいものを食べてたんでしょう。
どのご家庭もきっとそうだと思います。
ひとり残された者は侘しいものですw。
ひとりだと、ちょっと頑張らないと美味しいものをなかなか追求しなくなってしまう。
お喋りする相手がいないとどうしてもそんな感じになってしまいます。
そんな時は「独り言」が有効です(笑)。
「うん、完璧だ。」
なーんて。ゴージャスカレーを作ってアタシはひとり呟いたものです。
「ハモって蒲焼なんかあまり聞かないね。」
「そうだな。先人がとっくに試したろうな。天婦羅はあるみたいだけど。」
仲良く。
暑いからイチャコラなんてできませんが。
さて、今夜は何が二人で買えるでしょうw。
めいしくおしあがれ
