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なんの夢だったんだろう


レンガの壁に囲まれて、まるでそこは地面にポッカリ開いた円形劇場の遺跡のような場所だった。

 アタシはそこをよく知っていた。
 そこにドシャドシャと雨が流れ込んでた。

 雨に濡れないようにしているのか、みんなが壁沿いに座っていた。

 でもドシャ振りで、みんなすっかり濡れネズミになっていた。
 石造りのレンガの雨どいからドシャドシャと落ちてくる雨にみんなが靴を濡らしてた。
 さぞかし靴が濡れて大変だろうとアタシは思った。


 アタシは靴がびしょ濡れになるのは嫌なトラウマだ。


 アタシはその有様を上から見ていて、今からそこに降りてゆくと声をかけた。
 そして隣の家内に下に飛び降りられるかと聞いたんだ。

 彼女はムリだと言ったので、アタシたちは迂回してそこに行くことにした。




 なんとかしてそのホールみたいなところに辿り着くと、もうみんなビショ濡れだった。

 アタシはみんなに挨拶した。

 なぜか懐かしい顔がたくさんあった。

 先の尖ったウェスタンブーツみたいなのを履いてる男。
 キースにちょっと似てる男。アタシは彼をよく知ってた。

 コワモテの連中がニヤニヤと軽薄で下品な笑いをしてアタシを迎えた。

 みんなオンナを横にはべらせていて酒をラッパ飲みしてた。
 ヘラヘラとアタシに笑いかけて、「濡れちまったぜ」なんて言うんだ。

 アタシが連中をここに連れてきたわけじゃなかった。

 アタシは、まるで決められたことのようにカメラを取り出した。
 どうしてかアタシは写真撮影が苦手なのに写す役割のようなものがあったんだ。
 そうしてみんなをカッコよく写してやった。

 彼らも応じるようにして、「おう、こっちの方がよく写るだろ」なーんて、アタシに指図した。
 アタシはそんな丁稚小僧みたいなことをやった。

 それはずっとそうだった、こんなことをしてきたんだと思った。
 黒子、裏方、サポート。
 いいじゃないか。それは望むところだ。




 おいおい、そっちじゃ俺のオンナが写らなねよ、なんて、連中にからかわれてもアタシは黙々と写真を取った。
 タバコをクチに、煙に目をしばつかせて、みながアタシが動き回るのを見てた。

 アタシは小僧だ。
 アシスタントのような立場で丁稚のようなものだ。
 彼らの気持ちが分かってもアタシからクチに出すことは決してない。

 でも、アタシには彼らには少し寂しさがあるのが分かった。

 そうして、彼らを写してやると、アタシはそいつらを手で払うようなしぐさをして見せた。
 「美男と美女ばかりじゃないか」、そうアタシは言った。


 そしてアタシは、もういいだろ、いい加減に出て行け、とアタシは彼らを追い払ったんだ。
 「お、おう。」
 なーんて連中は無言でおとなしくゾロゾロと出て行った。

 そしてアタシは突然に独りになった。
 友だちを追い出してみると、アタシはただ独りになった。

 もう雨は降っておらず、月明かりだけの真っ暗なその円形劇場、その舞台の中心でアタシは地面を見て雨の痕跡を探していた。




 そんな夢だ(笑)。

 アタシの「夢診断」なんてしてもきっと人には意味なんかないだろうけど、みんな去っていくってことなんだろうか。
 人は独りぼっちだ。

 懐かしい顔、記憶刻まれた顔、誰だっていつかは消えゆく。

 アタシはそういう連中に大きな顔をさせてやり過ぎると、彼らという亡霊はいつまでも成仏できないでいることを知る。

 その場所から追い出してやらないと彼らは自分が死んだことすら分からないことだろう。

 ホントはもっと一緒にいてやりたかった。
 でもそうでもしないといつまでも濡れたままじゃないか。

 そうアタシはきっと言い訳したんだ。


 あれ? もうお盆かな?www

 よく知らないんだ。
 こんな歳になってもアタシは盆のことをよく知らない。


おうぞどだいじに



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