最近の家は棟上げがあっと言う間
やっと蝉の声が聞けました。
最初はいつもの「耳鳴り」かと思ったほど弱かった(笑)。
いよいよ夏ですw。
さて、その家のこと。
アタシの洗濯機を処分してもらった解体現場です。
すっかりサラ地になり、暫くするとコンクリートの土台が作られ、新築工事が始まったようでした。
それから暫く土台だけで作業が行われる様子がありませんでした。
きっとコンクリが乾くまで待っていたのでしょう。
ある日、晩に通りかかったら資材が運び込まれていた。
やっと家を建て始めるのです。
土台のところにビニールに包まれた木材みたいなものがひとかたまりで積まれていた。
アタシはなんとなく、これはツウバイフォーだなと思った。
最近ありがちな光景を想像した。
積まれたパネルを組み立ててすぐにできてしまうのだと思った。
ツウバイフォーってのはあんまりムードはない。
合板で安っぽく感じます。
ツウバイフォーというのは割と普及している西洋式の家の作り方です。
壁を支えにして箱を作って構造体にする。
簡単で工期も短い。
耐震性もあると言われ密閉性が高いから省エネ住宅だなんて言います。
家にはほとんど柱がありません。壁が柱のようなものです。
ただ、アメリカでは意外とハリケーンなんかで家が潰れている映像がありますから、評判ほどは強くないのだとアタシは思う。
あちらでは百年持つ住宅が常識だ、それが家の前提なんだなんて言われて中古住宅市場が発達していますが、そこはちょっと眉唾なのですw。
最近はすっかりアメリカに信用をなくしてしまった。
ルーシーショーの時代ではあるまいに、アメリカのプロパガンダだらけの情報には常に疑いを抱くようになってしまったのです。
そう言えばルーシーって名前のハリケーンもあったかw(笑)。
翌日の夕方、またそこを通りかかったら、なんともう棟上げが済んでて、すっかり家のフレームができていた。
後は屋根材を葺いたり壁を作るだけになっていました。
大工さんがまだ作業をしていましたが奇妙な光景でした。
当て木をしてトンカチでカンカンとホゾに合せているのか、木材を差し込んでいるのです。
釘なんか打ってない。
ツウバイフォーじゃなかった。
骨組みがちゃんとある在来工法のようです。
逆にそれに驚かされました。
たった一日で棟上げを終え、家のほとんどが完成してしまったのですから。
在来工法だと柱を立てて梁を通して立ち上げて、棟上式なんかをやるイメージです。
それがあっと言う間に一日で棟上げしちゃってたw(笑)。
すっかり感心して見てたら変なことに気が付いた。
よくある住宅建築の現場につきものの作業場所がないのです。
余分な木を削ったとか端材が出たとか、そういうゴミ捨て場がありません。
カンナを大工が削ったりするような、よくある作業場所がないのです。
びっくりした。必要ないってこと。
家内がエヘンなんて威張った感じで言った。
「これはスーパー・システマチック在来工法なんだよ。www」
「・・・www(汗)」
ま、まあ、分かるwww。
言いたいことはわかるんだけれども(笑)。
それがそういう名前かどうかはともかくww、「現場では組み立てだけ」ということなんでしょう。
要はすべて工場であらかじめ用意されてたってことです。
しかしそれは昔ながらの大工さんだって同じようなことをしています。
「材木店」というのがその基地です。
材木店というのは、何も材木だけを売っているわけではありません。
材木屋さんというのは材木をあらかじめ加工してホゾを作ったり寸法を合せたり、その作業場を大工さんに提供しています。
そのための道具も貸している。
そしてファイナンスもする。
資金繰りの世話なんかもする総合的な大工さんのサポート業が材木屋さんです。
在来工法にしたって、基本は材木屋さんから現場に運んで組み立てるのです。
だから「システマチック工法」と同じではあるのですが、その精度が驚くほど高いということ。
従来なら寸法の狂いとか歪みなんかは普通にあるものですから、昔なら現場で多少の作業が必要になりました。
削ったり調整したり多少は端材だって出たものです。
子供の時分はそういうところに入って端材を貰ったりしたものです。
ところがここは木材の部品を加工してすべてが寸法通り、間違いない状態で届けられたのでしょう。
端材なんか少しも出ない。
もう完全にプラモデル状態。
建築というよりキッティングです。
組み立てれば出来上がりというわけ。
調整すらやる必要がないのかも知れません。
建築にしても人件費が一番かかりますから、一日でできてしまうというのは大きいでしょう。
アタシが子供の頃は色んなところで家の新築工事をしていたものです。
「マイホームブーム」と言われた時代でした。
最近は世代が代わってまたそんな波があるのか、よく新築している家を見かけます。
昔は棟上式なんかもよくやられていて、立ち上げた梁の棟梁が昇って、上から子供たちにアメやお菓子、袋に包んだ現金を投げてくれたものでした。
たまたまやっているのを見た時、お祭りのような雰囲気を感じたものです。
そういうものがウチの近所でもあると事前に聞きつけて行って、アタシは一度だけ包んだお金を貰ったことがありました。
「投げ銭」。
貰ったのはただ一度だけです。
あの時はどうやって知ったのか、そんな機会は一度しかありませんでした。
家内もなぜか一度だけ貰った記憶があるそうです。
お菓子をもらった記憶があるそうな(笑)。
アタシはいわゆる「新築派」ではないですが、こういう新築の高揚感は分からなくもない。
「地鎮祭」はよくやりますが「棟上式」というのは最近はあまりやる人はいないのではないか。
もっと楽しく盛り立ててもいいと思います。
家はもっと大事にしてもいいものだし、新築するならハレの日とすべきです。
いつだったか、アタシはこういう建築現場にお泊りしていた家族を見たことがあります。
建築中の薄暗い家の中でクスクスと子供の声が聞こえ、懐中電灯が動いてた。
やはりこんな夏休みの頃でした。
ホラーかwww。
まだ骨組みだけの窓もサッシもない骨組みだけのマイホーム。
その建築現場に寝袋や懐中電灯を持ち込んで子供たちと夫婦が止まっていたのですw。
アタシと家内が暗くて見えない中を訝っていると旦那が「どうも」なんて声を出したw。
子供たちがクスクスとまた笑った。
ほ、ホラーかっ!www(笑)。
きっとクロスとか床張りなんか張るような段階になると作業も専門的で面白くないでしょう。
家らしくなってしまうと「お泊り」というのもちょっと違うでしょう。
梁だけでまだ壁もろくにない状態の方がむしろ楽しいのです。
分かる(笑)。
そりゃあご自分の家なんですから建築中に潜り込もうが自由ですw。
そして興奮する(笑)。
建築途中の家ってなぜだか興奮するのですwww。
バブルが弾けたずっと後、アタシは魔が差して別荘が欲しいと現地まで見に行ったことがありました。
都市近郊の山間部で見に行ったのはこんな夏でした。
そこは山の中腹にできた斜面の分譲地で、シロウトが建てようとして途中で放り出してしまったというログハウスでした。
バブルの頃はこういう「ログハウスキット」というのが売られていて、土地だけ買えば建てられる、そんな商売があったものです。
なにしろ土地が高かったから。
だったら上の建物なんて自分で作っちゃえというわけです。
そのキットか何かわかりませんでしたが建築途中で止めてしまったという話。それで安かった。
すごく割安に感じたのです。
「リゾート物件情報」という雑誌を見て、それで欲しくなってしまった。
アタシは訳アリ商品が大好きw。
でも、まあ今、もし買っていたとしたらきっと地獄でしょうw。
地価崩落、バブル崩壊の今、税金だけはずっと取られて売るに売れない。
現地に行くと、分譲地には普通に建てられた別荘もあって、空き地も随分とありました。
きっとバブルの頃に分譲したんでしょう。
ごく普通の分譲地です。
違いは後ろに里山があること。
周囲はうっそうと木が茂ったジャングルでした。
やはり都会よりも涼しかった。
ドン突きにあったログハウスは写真の通りで、構造体はできていた。
開けっぱなしのところから中に入ると、真ん中にある柱が途中でブラブラと泳いでたw。
柱のはずなのに上からぶら下がっていて接地していない。
寸法が足りなくてそのまま宙ぶらりんになってしまったのですww。
想像以上に「建てる途中」の様子でした。
大工仕事のシロウトが同僚や仲間なんかと建てようとして七八苦したのが想像できた。
買うのはムリそうでした。
こんな状態じゃ完成させるのはムリっぽい。
梁や壁、屋根はあったけど床はまだなく土間。もちろん窓もありません。
そして柱がブラブラしてるのです。
買うのはすぐ諦めたのですが、アタシはなんだかすっかり興奮してしまい、家内とそこでイタしてしまったwww。
辺りに人の気配もなかったし(笑)。
二人のすえたような密事の匂いがログハウスの木の匂いと混じって漂っていたことをよく振り返ります。
家内も嫌がらずに受け入れてくれたから、きっと同じ気持ちだったかも知れません。
なぜか、建築途中の家でアタシはタってしまったのですw。
おそまつ
※ 「投げ銭」。
棟上式か歌舞伎や田舎芝居、そんなのだけかと思ってたら最近はネットでも(笑)。
ネットで投げ銭ができる。
そんなサイトもあるようなのです。
大相撲協会の「親方チャンネル」でもやっています。
ああ。アタシもやろうかなw。
変わりにアタシは愛と真実をあげる。
なーんてw。
投げ銭がなくてもあげますからご安心を。
ごうぞどあんしんあれ
