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学校のイジメ問題なんてなかった


 ボクのお姉ちゃんはイジメで自殺した。
 すごくボクが小さかった時のことだからよくは知らない。

 イジメはいけないって言われるけど、ボクにはもうよく分からない。

 今だってイジメはあるんだよ。
 ウチのクラスが今、すごくメチャクチャになってる。

 誰にも言い分があるはずなのにすごく勝手な話なんだ。

 みんなしてイジメて嫌がらせしても平気にしてる。

 みんな嘘つきだと思う。

 「ガッコウのイジメ問題」なんてなかったんだとボクは思う。
 平気なんだよ。
 気に入らない相手をやっつけたりすることなんて普通のことだ。

 理由なんて後からいくらでもつけられるでしょ。




 学校のクラスって自然と集まりみたいなのができる。
 ボクのクラスにもそういうのがある。

 なんとなく、いつの間にかウチのクラスでは学級委員の与呂くんたちを中心にしてグループができてたんだ。

 そのグループは他の子たちを誘ってだんだん増えて、クラスですごく目だつようになって、一緒に遊ぶ仲間が多くなっていった。

 そうしたら、その子たちは教室で大声を上げたり、自分たちの意見を通そうとするようになったんだ。

 クラスのことは与呂くんたちがだいたい決めるようになった。

 与呂くんは掃除当番とか黒板消しとかは女子も男子と一緒にやらないといけないとか決めた。
 考え方を変えないといけない、って、よく与呂くんはみんなに言ってた。
 男女平等なんだって。

 それまでは服が汚れるからってセンセイが言って、女子は黒板消しはしなかったんだけどね。
 そのことでセンセイは、ウチのクラスの男子は紳士だって言ってたけど。




 梅田くんって子が隣のクラスにいて、その子もそのグループに入ってた。

 梅田くんは隣のクラスからウチのクラスにしょっちゅう遊びに来る子。
 自分のクラスではあまり好かれてないみたいだった。
 
 他にウチのクラスには真面目な感じの宇良くんてのがいて、その子はグループには入ってなかった。

 いつも黙ってて、あまりクチをきかない子なんだ。
 柔道をやってるみたい。

 梅田くんは宇良くんを意識してるみたいですごく気にしてた。
 隣のクラスなのに変だった。


 で、与呂くんと梅田くんはグループをもっと大きくして仲間を増やそうなんて言ってクラスの子を集めて学級会議なんかをやったりした。

 でも、ちょっとウザいと感じる子もいたんだよ。

 宇良くんは関心がない風にしてたけど、きっと宇良くんもそう思ってたんだと思う。




 ある時、梅田くんは自分は納豆が好きだって言い出した。
 だから納豆を広めようって言い始めた。
 それをクラスの目標にしようって。

 そうして、グループの子たちは納豆を学校に持ってくるようになったんだ。

 そのうち、クラスのみんなが納豆を持ってくるようになった。

 給食のときにみんなして食べようって、梅田くんと与呂くんがクラスに声をかけたんだ。

 パンにつけたり食べるだけじゃなくて、ネバネバの糸を引くのが面白いって、給食のときにふざける子もいた。
 紀伊くんって子なんか、人にネバネバをつけようとしたりして、すごくハシャぐ子もいたんだ。
 女子はキャアキャア言って逃げてたよ。

 それでウチのクラスではほとんど毎日、給食の時間になると納豆の臭いがすごくするようになっちゃったんだ。


 ある日、宇良くんはとうとう我慢できなくなったみたいで、いきなり隣の席の紀伊くんを叩いたんだよ。
 紀伊くんは一番納豆ではしゃいでた子。
 与呂くんの子分になりたかったみたいでだからハシャいでたかも知れない。
 そんな感じがした。


 宇良くんは黙って紀伊くんを叩いた。納豆がうざい、って。
 そんなもの持って来るな、って。
 紀伊くんは泣いちゃった。

 そしたら、与呂くんや梅田くんがみんなして宇良くんを非難し出したんだ。

 特に梅田くんは前から宇良くんが嫌いだったみたいで、もともとコイツはこういうことをするヤツだと思ってたとか、すごく宇良くんを悪く言い始めた。

 お前なんか学校に来なくていい、なんて。




 梅田くんと与呂くんがそんなことを言い始めたもんだから、やがてクラスのほとんどが一緒になって宇良くんを非難するようになった。

 紀伊くんは泣いてるだけだった。
 謝ってほしいのか、どうしていいのかわかんなかったけど、隣の席の宇良くんにずっと文句をブツブツ言うんだ。

 それでも、またみんな給食に納豆を持ってきた。

 なぜかみんなまた納豆を持ってくるんだ。
 それも梅田くんが言ったみたい。
 持ってこい、って。


 そしたら、また別の日に宇良くんは隣の紀伊くんを叩いた。
 臭せえ、って。

 それで、とうとう宇良くんは紀伊くんの納豆をゴミ箱に捨てちゃったんだ。
 また持ってきたら捨てる、って宇良くんは紀伊くんに言った。




 もうクラスではすっかり宇良くんは乱暴だという話になっちゃって、みんな宇良くんは悪いヤツだって言うようになった。

 無視しようって言ったり、宇良くんの名前を掲示板から消したり、黒板の落書きにおまえは許さないとか書いたりするようになったんだ。

 直接からかったりすれば宇良くんに叩かれるかも知れないから、みんなそういうのはしなかったけど。


 そのうち、梅田くんは宇良くんから借りたものなんか返さなくていいとか言い始めた。

 与呂くんも一緒になってそんなことを言った。

 そしてみんなに声をかけて、クラス中が宇良くんから借りてたノートとか鉛筆とかを返さないことに決めたんだ。

 宇良くんは真面目だったし親切だったから、みんないろんなものをよく借りてた。
 文房具とかノートとか、いつも宇良くんは家のお店から予備を持ってきてた。

 そんなもの返さなくていい、って、梅田くんと与呂くんはみんなに言ったんだ。





 それで宇良くんをクラスのみんなが無視するようになったんだ。

 宇良くんは叩いた紀伊くんに土下座しないといけないとか、ガッコウを辞めるべきだとか、与呂くんと梅田くんは、影でこそこそ言うんだ。

 それで紀伊くんは被害者なんだって言って、与呂くんと梅田くんは宇良くんに文句を言うようしょっちゅうけしかけてた。

 そのたびに紀伊くんは泣きながら、宇良くんなんか許さないって言うんだ。


 でも、宇良くんが悪く言われるのはウチのクラスだけなんだよ。
 納豆問題とか言われて馬鹿にされてる。

 他のクラスとか学校では宇良くんにはたくさん友達がいたんだ。




 でもさ、これってイジメでしょ。

 宇良くんが叩いたのは悪かったかも知れないけど理由はあったんだよ。
 学校に納豆なんか持ち込んだのだっておかしかった。

 でもみんな梅田くんの言うなりなんだ。
 梅田くんは毎日わざわざウチのクラスに来て、あいつは無視しようぜなんて言ってくる。


 隣のクラスからウチのクラスに毎日やってきて、梅田くんが一緒になって騒ぐのだっておかしかった。

 それでも宇良くんは最初は知らん顔してたんだけど。

 宇良くんは納豆をつけられると思ったのかも知れないよ。
 だって隣の紀伊くんはすごくふざけてたから。


 宇良くんはケンカだって強いみたいだし誰もちょっかいなんか出せない。
 紀伊くんは隣の席だから、泣きながら文句を言ってるけど。

 でもさ、これ、もし宇良くんじゃなかったらどうなってたんだろう。

 色んなガッコウで生徒がイジメで自殺してるでしょ。
 ボクのお姉ちゃんだってそうだったし。

 クラスの誰も止めないんだよね。
 仲直りさせようって子もいない。




 もう納豆のことなんか誰も言わない。
 今は宇良くんが紀伊くんを叩いたってことだけになっちゃった。
 こうなった原因なんて話したりしない。ただ宇良くんが悪いってだけしか言わない。

 でも、納豆はすごく臭かったんだ。

 それに、だからって宇良くんのものを隠したり取り上げたり、借りたものを返さなくていいとか、そんなの意味が分からない。
 おかしいよね。

 イジメだよ、これ。

 ウチのクラスだけおかしいって、きっと他のクラスからは見られていると思うけど誰も止めようとしない。

 もう宇良くんは他のクラスの子と遊ぶようになって、ウチのクラスのことなんか構わなくなっちゃった。


 それで宇良くんに誰もモノが借りられないからクラスでは忘れ物も多くなって、いつも誰かがセンセイに叱られるようになっちゃった。
 センセイはすごく怒るようになった。ダラしなくなってきたって。
 

 梅田くんと与呂くんがね、もう宇良くんからはモノを借りるなって言うんだ。
 宇良くんと付き合ったら承知しないぞってみんなを脅かす。


 隣のクラスでは、もう梅田くんみたいなヤツの言うことは聞かない、宇良くんはそんなことを言ったんだって。





 それで最近は噂があって、梅田くんにも宇良くんにもお兄さんがいるって話なんだ。

 どっちもヤクザなんだって。

 梅田くんのお兄さんは与呂くんのお姉さんと付き合ってるんだって。
 だから、弟のクラスのことは気になるだろう、って。

 みんなの噂だけど、もし梅田くんと宇良くんがもしこのままケンカになったらお兄さんが怒って学校に怒鳴り込みに来るんじゃないかって。

 そうしたら宇良くんのお兄さんも来て、絶対、お兄さん同士のケンカになるんじゃないか、って。


 梅田くんのお兄さんは誰かを刺したことがあったんだって。
 宇良くんのお兄さんだってヤクザなんだから怖いでしょ。

 そんなヤクザ同士のケンカになったらクラスがメチャクチャになっちゃうよね。
 そしたら、こんなクラスなんてなくなっちゃうんだよ、きっと。


 先生はにっきょうその集まりというのでしょっちゅうクラスにいないんだ。

 校長先生はイジメなんかうちのガッコウにはないと言って聞いてもくれない。


 どうしたらいいんでしょうか。教えてください。


 おながいします。


おそまつ





※ 今日はお友達からのイジメについてのお便りを読ませていただきました。
 とてもキチンと説明してくれて分かりやすかったと思います。

 でも、こういうことはどうにもなりません。

 誰かが何かをしてくれるということはありません。
 おかしい、というあなたの気持ちも、たいていそれだけで終わってしまうものです。


 暴力で解決するしかないこともあります。
 そして暴力以上に許されないこともあります。
 それぞれに言い分というものがあります。

 都合よく使われる言い分は必ず誰かのために使われています。

 人間はそのままでは公正に決めることはできません。
 そこまで毅然とした態度でい続けることはできないのです。

 聖書や墓碑銘、コーランや経文、法律や条約、憲法、人は書いてあることに照らして判断しなければなりません。
 

 陰湿なイジメで子供が命を落としても、同じことがどこかで繰り返されます。
 それを非難する人々すら同じイジメに加担します。

 人類のすべての人々が一貫した態度を見につけ、自分で判断できるようになるまでは変わらないでしょう。
 そうでなければ「人の気持ち」など一時しのぎのものなのです。


 あなたのお姉さんが命を落とされても、結局、誰も振り返ることはなかったのです。
 同じことが起き、同じように繰り返される日々です。


 クラスが終わりになったとしても、ガッコウは大丈夫。
 ガッコウが壊されることはないでしょう。


 残念でした。
 解決策はみなさんの態度の中にしかありません。

 これからの厳しい人生を頑張って生き抜いてください。


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