・アメリカ製サプリメントなら「サプリンクス」    ・無料 お得HISクーポンはココ

フレンチ娘とその消息


人生は振り返ることばかり。あまりにも振り返りの多いこと。
 

 ある年のこと、南国のリゾート地に出かけた。
 家内を家に放ったらかしにして、アタシは一人で出掛けたw。
 ストレスが溜まっていた。
 泳いだり散歩したり、カジノでくつろぎ、滞在をココロから楽しんだものです。

 酒を呑み珍しいモノを食い、カジノのタダ酒とタダ飯を満喫して羽を大いに伸ばしていました。


 ある夜のこと、コテージをノックする音がした。
 それはもう深夜でした。

 ドアを開けると、亜麻色の髪の大柄な若い女が立っていた。少しポッチャリw。
 顔立ちの整った丸顔の女でした。いわゆるベビーフェイス。

 しかし素朴な感じがする子だった。フレンチ訛りがある英語です。


 彼女は突然、ちょっといいですか? なんてアタシに話し出してきた。

 なにやら訳ありという感じですが、戸口に突っ立っていてもしょうがない。

 しかしこんな時間にオトコの部屋に入れるわけにもゆきません。
 外のベンチへと彼女を誘い、アタシはビール缶を手に腰を下ろした。




 「ここに来てから不安なんです。」
 「あ、ああ。そうw。」
 今にも泣き出しそうな感じ、酔っているわけではなさそうです。
 真面目な感じの打ち明け顔。

「初めての海外でこんな途上国で一人でしょ。自分でも意味不明なんだけど不安で・・・。」
「う、うん。」

「怖いってゆうんじゃなくて、不安なんです。わかってくれます?」
「おし。分かるよw。」


 二人で話している時、柄の悪そうなイギリス人の酔客が通りかかると割り込んで絡んできた。
 白髪の多い汚いオッサン。
 「うぉい。そんなジャップと話さずに俺と話そうぜぇ。」

 アタシが返事する間もなく彼女はピシャリとすかさず言ったもの。
 「ちょっと。放っておいてください。」
 意外なほど強い調子だった。それまでのアタシとの話し方とはまるで違った。


 怖れをなしたのかその英国オヤジは立ち去った。
 イギリス人のオトコなんか女性をモノのようにしか思ってない。
 紳士どころかただの無頼者です。アタシは知ってるw。

 誘えばヤレる、そんな程度にしか女性を思ってないのが普通です。
 レイプも日常茶飯事。
 ついこの前の「国際女性デー」ではそんな欧州での性被害が取り沙汰されましたが、今はまた黙んまりですw。

 まあ白人ってのはそういうのが多い。
 おかしなのが多いんだw。




 彼女はパリで働く旅行会社の事務員でした。
 やっと休暇が取れて初めての一人旅。このリゾート地に遊びに来たんだとか。
 
 しかしアジアのリゾートにリラックスに来ているのに自分は文化の違いにとまどうのだ、と。
 不安でしょうがない、と彼女は言った。
 つらつらと彼女は話したものです。

 いつも余裕で有給休暇に出かけてはエンジョイしている同僚のこととか、彼女たちへの密かな憧れとか、取りとめもない話をする彼女をアタシはビールを呑みながら聞いてやっていた。


 まあ可愛いけど、ちょっと太いのかな、この子。
 なーんて思いながらw。

 そのうち、アタシはひどく眠くなってきてしまい、彼女にひとつの提案をしたのでした。
 いい加減に面倒になってきたw。
 明日、オプショナルのアクティビティでも探して一緒に参加しようじゃないか、と。

 アタシたちは深夜のフロント横の掲示板へ行ってシュノーケリングツアーを選んだ。


 早朝に迎えに来てくれて朝食付き、食べたらボートで離島に連れて行ってくれる。昼食付きです。
 朝に飛び込みで申し込めば参加できるかも知れない。

 寝ているかも知れないから起こしてよ、アタシはそう彼女に言って寝たのでした。



 翌日、ノックがあって時間だという彼女。
 もうすでに予約をしてくれていて、準備万端だった。

 彼女はすっかり晴れやかな顔をしていた。
 よく見ればやはりなかなか可愛らしい子です。
 モデルのような丹精な顔立ち。
 金髪ではないが白人らしい子ですw。

 どこで朝食を食わせてくれるのかと思っていると、迎えのバイクが来た。
 ブレックファーストに連れて行ってくれると言う。

 バイクに三人乗り。
 アタシは最後部に座ることにしました。
 レディファーストw。

 バイクに乗ると、彼女のお尻の肉がタプンとアタシの股間に当たった。
 流れ出しそうなほど柔らかい尻の肉がたっぷりとアタシの方に溢れた。

 これにはちょっとびっくりしたw。
 見てくれは肥満ではないけどお尻の肉が柔らかい。




 ビアガーデンのようなところで二人で朝食をいただきました。人はいません。
 コーヒーとサンドイッチ。卵とベーコンもついた。
 爽やかな早朝。アタシは彼女とお喋りをしながら味わった。彼女はアタシの冗談にクスクスと笑った。

 食べるとまたバイクでボート乗り場へ。
 そこにはもう他の客もいた。
 お待たせしてしまったようですw。

 彼らは前から予約していた客たちです。アタシたちは飛び入りだったからちょっと遅れたかも知れません。

 ボートに乗り込み、少し離れた島へ。
 いい陽気で雲ひとつない空だった。

 ゴンゴン波を蹴立ててボートは小島へと進んでゆきます。
 彼女から離れて船の舳先に座っていると、太陽が眩しそうな顔をして彼女はこちらを見た。
 アタシも何気ない微笑みを返したものです。

 彼女はTシャツに水着を着て用意していた。
 ふっくら、ややポッチャリさんw。

 暑いから濡れた水着なんかすぐに乾いてしまいます。
 だから着ているのはそんなもの。
 アタシも持ち物はデジカメと財布、そしてタバコとスキットルの酒ぐらい。


 到着したら上陸の前にダイビングポイントです。
 みんな器用な立ち泳ぎでシュノーケルをつけ、ツアー客たちは潜って魚たちをたっぷりと眺めたものです。

 こういう立ち泳ぎのやり方は日本ではあまり教わらない。
 立ち泳ぎして装備をつけるなんて基本中の基本。どの客もできた。
 アタシは感心したものです。




 結局、終日、アタシは彼女にあまり構うことはせず、その離れ小島で勝手に過ごした。

 水の底にある貝を採って焚き火しているガイドに焼かせて食ってみた。
 ガイドは怪訝な顔をしましたが、構うもんかこれはサザエみたいなものだ、なーんて言って焼いてもらったw。
 ピーピーになってしまうのは、それはまた後のお話ですw。


 彼女はチラチラとこちらを窺って見て、アタシの目を捉える度に微笑んだ。
 アタシも返してやった。

 他の白人の客なんかとお喋りしている。
 すっかり寛いでいるようでした。

 ビールをもらい昼食はフランスパンのサンドイッチのようなものでした。
 バインミーです。
 
 アタシを除けばとてもリラックスした一日でしたw。

 昼寝したりお喋りに興じる白人客たちに構わず、日本人のアタシだけはあっちこっちと忙しく歩き回ったり海に潜ったりしてツアーを満喫したw。

 日本人は勤勉だ。
 そしてアタシはなにしろ乞食だからw。元を取らないと気が済まない。




 記念にと、彼女と一緒に写真を撮った。
 二人で並んで撮ってもらう。

 肩を触らないようにして手を回したフリの「ホバーハンド」。
 そこは紳士のお約束ですw。
 彼女はちょっと野暮ったいビキニ姿だった。

 立っていればプロポーションはいい、カワイXオコみたいな雰囲気ですw。

 レンズ越しで見てもなかなかいいプロポーションに思えた。
 はにかむ顔立ちも可愛らしい。

 ただ、さっきのバイクでの肉の柔らかさは記憶にあるw。
 やっぱりブヨブヨしてんだよなぁ、なーんてw。


 夕方までにはクタクタに疲れてしまったアタシ。
 帰りのボートで他の客と話してたら、アタシらは周りから夫婦のように思われてたと知った。
 彼女はそれを聞いても嫌がらなかった。

 ビーチに到着すると寝椅子に座ってまたビールを買って乾杯することにした。
 その日の反省会ですw。

 ボートの中で話すようになった女も合流して三人で話をした。
 まさに夕陽が沈むところだった。

 将来のことなんかを彼女は話す。
 アタシとボートで話すようになった女とでそれを冗談交じりに講評してやった。
 彼女はまだ若かった。
 22、3ぐらいだったか。

 

 それから数日間、アタシはちょくちょく彼女を誘って観光に出かけた。
 ローカルな市場や珍しい場所に連れて行くと彼女も喜んだ。
 バイクを借りて後ろに乗せ、あちこちを回ったものです。

 アタシは夜中までカジノに入り浸り、酒を呑んでちょっと踊ってから眠りにつく。
 昼頃になると彼女が部屋に訪ねてくる。
 それから昼飯ついでに夕方まで二人で出かける。そんなことが続いた。

 白人の観光客はあまり現地をウロつくことはしません。
 彼らが行くのはお仕着せのところばかり。現地とは交わらない。

 アタシはと言えば彼女に現地の連中が行くところを案内してやった。
 それで「アンクシャス」、そんな「不安」もなくなるだろうと思った。


 レストランではない地元の連中向けの定食屋や屋台。
 闘鶏も見に行った。
 彼女はすぐに嫌になって「もう見たくない」なんて言ったw。

 そうして夜近くになるとアタシはまたカジノや踊りや酒を呑みに行く予定がある。
 その前にネットカフェで彼女がメールなんかをチェックするのに付き合ってお別れ。




 そんなことが一週間ぐらい続いた頃、夜中に彼女が二人で呑もうと言ってきた。
 もういい加減に付き合いもできたのでアタシの部屋に入れて話をすることにした。

 ビールを持ってきてくれたのでアタシには有難いw。

 彼女は言った。
 これから先、観光地の大きな遺跡がある、休暇の日程もあるからもうそろそろここを離れないといけない、ついて来てくれるか。
 なんて彼女は言う。
 つまり彼女のお供をして次の観光地へ移動しないかというお誘い。


「それで恋人とか、何かの関係を求めているわけではないの。」なんて言った。
「ああ、分かるよ。」
 しっかりした子だ。

 アタシもいずれはそっちには行くつもりではあった。
 けど、まだ少しカジノには未練があった。

 彼女の提案をアタシはやんわりと断った。
 そして代わりに勇気づけてやった。
 大丈夫、別に不安がることはないさ、もう慣れただろ、なんて。




 そのうちアタシは目がトロンとしてひどく眠くなってきた。
 連日の寝不足、遊びまわっているのだから無理もない。

 いつの間にか彼女と「最初のキス」の話をしていた。
 高校? ギムナージウム?
 緊張したろ? 歯が当たらなかった?
 アタシはどこか別の耳でその会話を聞いてるようだった。

 あの時、そこでアタシはキスでもしたらよかったんだろうけど、アタシは眠くてしょうがなかったw。

 自分で話している言葉さえよく分からなくなっていた。
 マリファナをやってたわけじゃない。
 ただ眠かった。

 自分で目がうつろになり、今にも眠りかけているのが分かった・・・。
 寝落ち寸前。



「じゃあ私も寝ます。」
「うん。またネ。」
 彼女は眠そうなアタシに気がついたのか、そう言って部屋から静かに出て行った。


 いつものようにカジノ遊びの支度をしている翌日のことだった。
 もう外は暗くなってた。
 ドアのノックに明けてみると彼女が立っていた。
 彼女の後ろには無精ヒゲの男がいてこちらを陰から窺っている。

「明日、ここを発つことにしました。この人について来てもらえることになったから。」
「そう。よかったね。」

「すごくお世話になって感謝しています。とても安心したの。ありがとうw。」
 彼女はあらたまったようにアタシに挨拶をした。

「ああ。気をつけて。」
 握手をして、ついでにハグもしてやった。
 彼女はニコニコして喜んだ。

 男は後ろにいて一言も喋らず、彼女に付き添うようにしていた。
 男にはアタシと彼女の関係は不審だったかも知れない。

 ドアは締まった。

 旅のお供を捕まえたってとこだろうが、あの男もたいがいの奴だろうとは直感した。
 だが、彼女ももう大人だ。




 それからまた一週間、アタシは好きに遊んだ。
 カジノの食事とビールはことのほか美味かった。

 地元の連中とも知り合い、漁師町や軍港を歩き回った。

 そのうち、アタシはデジカメを近所の悪ガキに盗まれてしまった。

 それはちょうどいい潮時になった。
 アタシは荷物を畳んで先へと移動することにした。

 それからまた別な観光地で半月過ごした。
 そしてまた次へ。次のところでもまた一週間ぐらい。

 結局、彼女が遺跡を目指して出発してから遅れ、もうひと月は経っていたかも知れない。


 そこは壮大な遺跡だった。
 現在の街から離れたところに見つかった忘れられた文明の残骸。
 太古の遺跡だった。

 アタシは自転車を借りてその広大な遺跡群を丹念に見て回った。



 街の市場でメシを食っていると、隅でテレビニュースがかかっていた。

 遺跡で旅行者の女の死体が見つかった。
 そんなことを言っているのが耳に入ってきた気がした。
 テロップの文字は読み取れない。

 白人? 若い女と言ってるようにも聞こえた。
 共通の単語があったのか、アタシには分かったような気がした。

 警官が報道のカメラに答え、シートに包まれた遺体らしきものが運ばれる映像が入る。
 ジャングルのようなこの遺跡の奥だろう。
 言葉はまるで分からなかったが事件なのは分かった。

 フランス人。そう聞こえた気がした。
 ニュースはすぐに別なものに変わった。

 暑さのせいか、汗が背中を伝って流れた気がした。



 カメラは盗まれてしまったので彼女の写真はなかった。
 名前ももう覚えてはいなかった。

 アタシは考えることを止めた。
 考えなければきっと彼女ではない、そんな気がしたから。


 少し。
 ほんの少しだ。
 アタシには少しだけ後悔のようなものがある。

 それがどんなことかは考えないことにしている。




 アタシの部屋を夜中にノックした娘。

 その気にはならなかった。
 若過ぎるという気もした。

 それにあの時は家内を置いてきちゃってた。
 尻も、家内はあんなスライムのような尻ではないw。

 しかしオトコってのは振り返ってこういう想い出に浸ると考えるものだ。
 「ちょっと損したかな」って。
 
・・・馬鹿だw。


 昨晩、酒を呑みながらこの話を家内にした。
 家内は面白がって聞いていた。
 慰めはない。
 もう遠い話になったというだけだ。
 どうか慈悲を。

 そんなだから、アタシはちゃんと書いておこうかと思った。

 アタシはモテたんだろうか? そんなことも思うwww。


おそまつ





※ リチャードという男がそこのビーチでコテージを経営していた。

 彼女が旅を続けるので別れた後、呑みに出かけるようになったBarもやっていた。

 「いきなり女が部屋を訪ねてきたんだぜ」

 みんな不思議がったものだ。

 リチャードは片思いをしていた。
 60キロ離れた都市部へ足繁く通っている。

 
 それから、また別な女がアタシの部屋を訪ねて来ることなる。

 不思議どころかお前には何かあるんじゃないか。

 それはまた別のお話。


関連記事
このブログをはてなブックマークに追加

テーマ : 頑張れ自分。
ジャンル : 日記

コメント

非公開コメント



プライバシーポリシー

本サイトの個人情報保護指針について  詳細を開く
プロフィール

padroll bedroll

管理人:padroll bedroll
 
 狭くなったネットに抵抗し、真実を追求するブログ。

 頭にきたり笑ったり、ほっこりしたり癒したり、毎日クルクルと気分は変転。泣ける話のこともある。そんな日常。

  拍手欄からもコメントが行えます。 ここから一覧いただけます。 リンクフリーです。よろしくお願いいたします。(2022/12/21) 人気ページランキングをリセットしました。一部URLのままはFc2の仕様です。(2023/06/04)

 
最近の記事 + コメント(View)
カテゴリ
ページナビ

トップ > 暑い夏の話 > フレンチ娘とその消息

リンク
  • このブログをはてなブックマークに追加 ★★★☆
  • にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
  • rank
  • rank

 
治験ボランティア
条件合えば健康診断ついでに報酬。治験は自分で選べる。
 記事・タグ検索
 
<< 全記事を一覧 >>
だいたいの頁ジャンプ
全1ページ中
1ページ目
 
記事タグIndex