ゲイたちの沈黙、パラダイスなスパ
「ゲイバー」と言っても、店の人がオカマっぽい格好をしていない場合もある。
ごく普通のバーのように女性客もいたりします。
だからその手の店なのかどうか、雰囲気でしか分からないこともあります。
アタシも、サウナがあると知って行ったらゲイの集まる場所だった振り返りのこと。
そこは地図には「スパ」と書いてあった。
うだる暑さで気も狂わんばかりの日のことでした。
晩に少し涼しくなってから行って探してみると、奥まった路地にとてもキレイでモダンな建物があった。
よく繁った庭木の中に佇むスパ。アタシは汗を流せると喜んで飛び込んだものです。
ロッカールームで服を脱ぎ、すっぽんぽんの裸になって中に入りますw。
湯気のたちこめる内部。
そこには何種類ものリラクゼーション。
サウナだのスチームサウナだの、お風呂などがあちこちに配置されています。
照明はどこも控えめで薄暗い。落ち着いたゴージャスな雰囲気です。
中庭にはプールがあってキャンドルライトに囲まれています。
アタシは裸でドボン。泳いでみたw。
庭木の花ビラがプールに散って浮かんでとても綺麗。月がもう真上から照らし始めていた。
暑さを忘れ、疲れが吹き飛ぶ心地よさ。
お客は多くはありません。
だけど人がいるのはサウナばかり。プールのある中庭には誰も入ってきません。
みんな子供っぽいことはしない大人、そんな風にアタシは思った。
海外のプールは深い。 そんなに大きくなくてもプールらしさを感じます。
「裸で泳ぎまわる」なんて、普段はなかなかできないこと。
そうしてアタシは無邪気に泳ぎ、プールサイドでビールを呑み、出されたフルーツを食って寛いだ。
「お一人様サウナ」ですw。
しかしそこはアタシは外国人です。少し遠慮がちにして、お一人様で泰然としていた。
特に人に話しかけることもありませんでした。
そしたらなんだか雰囲気が怪しいことに気がついた。
ほとんど喋っている人の声がしないのです。
みんなアタシを遠巻きにして見ている感じがした。
そんな沈黙にアタシはやっと気がついた。
もちろん、サウナですから女性がいるはずもなく、混浴なわけもありません。
ですが、なんだかアタシだけ性別が違う感じがしたのですw(笑)。
別棟に開放的な高床式の部屋があるようで、ちょっと探検とばかりに行ってみた。
部屋を覗いてみると、そこにはずらっとビニールのマットレスが置いてあった。
ん?・・・(汗)
これって・・・w(汗)。
アタシはそこそこにして退散しようと思った次第w。
まあもう十分に寛いでしまった後だったのですが(笑)。
ロビー付近は滝みたいな噴水があってそこにはカウンターバーがありました。
着替えたアタシは帰りがけにビールを注文、ちょっとロビーを観察しておこうと思った。
そこはむせ返るようなゲイのパラダイスだったのですw。
みんなアタシを怪しみ無言で、帰るのを待っていたようでした。
さっきとは打って変わって、奥で空気が動いているのが分かります。
ボーイがアタシに爽やかな笑顔を向けてきた。
「アンタが来るようなとこじゃなかったでしょ?www」
なんて、彼は涼しい顔で言ったものです。
「ああ。そうみたいだ。申し訳ない。邪魔したみたいで。」
「あら、いいのよぉww。別にアンタが気にしないってんなら。www」
どうやらそのボーイもゲイのようでした。
英語でもゲイっぽいってのが分かるのは不思議w。
見るとカウンターバーの上にはビデオがかかっていてゲイのエロビデオ、ホモビデオがかかっているのに気がついた。
なんてことw。
恐れ入谷の鬼子母神だ!www
こういうの、ゲイの側からはノンケというのが分かるようですが、アタシの方はなかなか気がつかない。
ホント、彼らには邪魔なヤツだったでしょう。
あのマットレスは意気投合したらカップルになってイタすためのもの。
サウナやプールでリラックスしながら性的に愉しむお相手を見つけるw。
後で考えたけど、あれがもし裸の女性に囲まれるスパだったらアタシはどれだけ嬉しかったことか、とw。
ハーレムみたいな酒池肉林みたいな、美女の群れだったらよかったのに、ってw。
羨ましいwww。
いや、そそれはない(笑)。
そうなれば先日お話したようなヌーディストビーチみたいなもので、結局は何かしら秩序ができるでしょう。お互いの好みもあるわけです。
実際に入ってみればなんてことないのは多い。
食べ放題のビュッフェだって食い散らかしたら注意されます。
いきなりむしゃぶりつくなんて許されない(笑)。
まあ、アタシ向きでなかったというだけで、ちょっとした遊び場ということです。
「トルコ風呂」というのが日本にはあります。今はトルコ国から文句を言われて「ソープランド」と呼称が変わりました。
アレだとお金を取るちゃんとした性的サービスです。
だからこういうスパのように出逢いがあるとか、そういう場ではありません。
選んで注文したり、向こうからあてがわれるもの。
商売ですから満足できたりできなかったりする。
「意気投合する」という自由さはありません。
ドイツなんかにはそんな施設があります。
あそこはちょっとここに近い。
まあでもカネはかかります。所詮は「ビュッフェ形式のトルコ風呂」に過ぎませんw。
やはり自由恋愛ではありません。
ノーマルだと不自由ではある。それがマジョリティなりの不自由さかも知れません。
織田信長は男色家でもありました。
森蘭丸は彼の愛人だったという説もあったはずです。
彼も当時の大阪を中心に商業を世界に広げる街づくり、何かしらパラダイスを作る野望があったと聞きます。
彼を「ゲイ」とか「バイ」なんて言う人はいない。
ええ湯、色を好む
おそまつ
※ なんか邪魔しちゃったなとアタシはやっと気がついて、帰ろうとした時、客の一人と目が合った。
そーいやみんな目を合わせなかった。
どうみてもそれは日本人でした。
でもやはり話しかけてはきません。
そーゆうもんなんでしょうw。
余所者というわけです。
って、アタシは中に入る気はないけど(笑)。
