ドラマ「結婚できない男」のお一人様、その甘酸っぱさ
またまた「結婚できない男」のお話w。
このドラマの主人公のように、学校とか会社とか、群れの中にいて「変人」をやるというのは実はすごく心地のよいものです。
なにしろ「周囲」というのがあるのですから。決して孤独ではありません。
そして誰かがその人を見てくれていて、群れから外れがちな人物を理解しようとしてくれるなんて素敵なこと。
その人ともし結ばれそうになったら。
そういう甘い期待も切なくて甘酸っぱいw。
しかし、これが一人だったり異文化なんかに放り出されたとしたらどうか。
変人だろうがなんだろうが関係ない。
とにかく馴染んでいかないといけない。それだけです(笑)。
「理解されにくい」なんてのは異邦人であれば当たり前のことです。
「変人」という扱いというのはその群れに属しているからであって、一人でいたら変人もへったくれもない(笑)。
「理解してもらおう」なんておこがましいぐらいw。
つまりこのドラマの主人公はやはり絶対的な孤独にいるわけではない。
もしそうだとしたら、この主人公なら泣き出してしまうかも知れませんw(笑)。
私たちは誰しも、「お一人様」でいるときは途方もない変人かも知れません。
ただ周囲に誰もいないから分からない。
誰からも指摘されないというだけかも知れないのですw。
他人とは違う自分、私たちの中のお一人様も人知れず息をしているw。
「群集の中の孤独」なんて言い方がありますが、結局、それはある種の甘えなのであって、だから実は悪い気もしないものです。
自分の周囲で起きていることを客観視して余所者のようにして見つめる。そんな寂しさは郷愁にも似て心地よかったりします。
キュンキュンくるw。
そして自分がいとおしく感じるものです。
人と違っている自分がいとおしい。
理解されたいという願望は自分自身の存在確認でもあります。
だから、このドラマの出来事もどこか甘酸っぱいお一人様の物語です。
あ、いや、「甘酸っぱい」って、吐いたとか、そんな意味じゃなくてwww(笑)。
クチの中で吐いちゃうとなんだか悔しいw。
逆流性食道炎にはご注意w。
アタシにもそんな振り返りのことがありました。
子供の頃からそうだった。よく分かります。
アタシはそういう育ちでした。
やがて大人になり、本当の孤独を知ることになるのだけど、その時は逆に甘酸っぱいものはカケラもありませんでした。
苦しい切ない感じもなかった。
驚いたほどですw。
甘えが許されない時にはそんなことは考えもしなくなる。
食い物がなければ腹が減ったことなど忘れてしまう。
ただ生きることとしか考えられない。
こういう、「結婚できない男」の甘酸っぱさ、変人と目されるお一人様が周囲から次第に理解されてゆく過程、それはとても胸キュンするものです。
このドラマの魅力というのは、そんな周囲とお一人様との距離が縮まったり広がったりするところにあるのだとアタシは思う。
それは傍観者として見ればとても甘酸っぱいもの。
当事者が感じることじゃ本当はないのだけどw(笑)。
それがこのドラマのキモなのではないか。
お一人様の自分を見ること。「マン・インザ・ミラー」です。
しかし実際の現実となれば違います。
たいていの世間の人間関係では決め付けがあったり足の引っ張り合いがあります。
そしてなにしろ一期一会。
甘ったれたことなんか言ってたら、たちまち置いてけぼりになってしまうw。
そうして普段から阻害されている人々、そう感じている人々がこのドラマに惹かれた。
その琴線に触れたからこそ人気になったと思うのです。
もちろん、たとえ「変人」と呼ばれたことがなくとも、誰しも自分を理解されたいと密かに切望しているものでしょうが。
ゲイなんて特にそういう願望が強いものです。
群れの中で浮いてしまい、それでも自分を捨てられない主人公。
迎合の仕方すら分かりません。
その周囲は、人間の不思議さ面白さが分かる人たち。このドラマの登場人物たちです。
主人公からどんなヒネクレた言い草をされても、何度も皮肉を言われても、傷つけられたとしても、それでもいい部分を見て受け容れようとしてくれる。
彼を温かく見つめる人たちがいます。
それは夢みたいな話、まるでダダっこみたいな態度が人に受け容れられるのは切なくてほんのり甘酸っぱい。
現実にはほとんどないかも知れないけれど。
そして、そんなヒネクレた態度をしつこくやってもいい、何度も何度も繰り返してもいい。それが許されるということ。
まさにフィクションだからこそできるファンタジーです。
何度も甘えてやってしまう。そんな願望はしかし叶うことはほとんどありません。
相手が尾根遺産だったりすると、なおさらそうですww(略)。
アタシも家内に何度も同じことをやってと求めますが、すぐに飽きてしまい何度もやってはくれません。
ネコ耳とかw。尻尾とかw、甘えるフリとかw・・・etc。
だから世の中には「浮気」なんてものがあるw。
アタシが子供の頃に夢想し続けたのはそんなヒネクレ、拒絶でした。
モーションをかけられ、コクられたり言い寄られてもひたすらヒネクレる自分を想像し、そんな場面を夢想した。
何度も何度も、拒絶してもやはり好きだといってくれる人がアタシは欲しかった。
それが本当に求められている証拠だとアタシは思った。
とことんネジれた自分をとことん溶かそうとしてくれる。それは無償の愛。
それがアタシの想像したことでした。
夢想に際限はなかった。
しかし、そうした夢想で切なくなっても泣いても、ハッピーエンドになりかけるとなぜかアタシはひっくり返してしまうのが常でした。
世の中そんな甘くはないのだと、アタシは我に返った。
そして自分の心の中の原稿用紙を丸めて捨ててしまったものです。
憧れは憧れのままでしかない。そんな風に醒めてしまった。
今は家内がそばにいますが、いつか愛想をつかされる覚悟はある。そんな緊張はある。
生身の人間ならドラマや想像のようにはいきません。
ヒネクレて何度も拒絶すればやがて疲れて逃げてしまいます。
そういう不安はある。
するとまた無性にワガママになったりイラついたりしてしまう。
まるで破滅を求めるように。
しかしそれもまた甘えだw(笑)。
現実のお一人様には節度が必要です。
おそまつ
※ 「お一人様」話。
誰にでもあるお話です。
「達人」になるのは遠い道程。
ど、どーてい ちゃうわ!www
どうも「結婚できない男」の続編、「まだ結婚できない男」が評判が悪かったようです。
というのはそこ、理解されたいという願望と距離の伸縮、甘酸っぱさ、そこがちょっと間違ったところがあったかも知れないと思った。
ドラマを好きだった人ほど続編にはお怒りのようでしたw。
まあ、そこは脳内で補完してもいいのではないか(笑)。
もうGyaoではやってないようです。配信は終了みたい。
珍しく見る気になった日本のテレビドラマでした。
