味でリモートにつながる
「だし醤油」というジャンルがあります。
このところ家内がハマっている。
アタシがそんなジャンルがあるとは認識があまりなかったのですが、改めてスーパーを見てみると色々あるものです。へえ、発見。知らなかったw。
「卵かけご飯にすると涙が出るほど美味しい」
なんて人に言われてw、「ウニ醤油」は買ったことがありますけど、あれは特別なものと思ってた。
この手のものはいわば「醤油加工品」というわけですが、ジャンルを確立していたとはw。
麺ツユでもなく、焼肉のタレでもないし、白だしでもありません。
「白だし」は薄口醤油を使った麺ツユ。
「だし醤油」は醤油と各種のエキスを合わせて味付けしたもので、「何にかける」というのが特にないのが面白い。
家内は冷奴などにかけて普通の醤油より合う、なんて喜んでいる。
「アゴだし醤油」を使い切ったと思ったら今度は「牡蠣だし醤油」を買ったのです。
アゴだしは処分だったけど牡蠣だし醤油はただの特売じゃないかw。
ウチでは醤油は真空の容器、「ハジー」に入れ替えていつも新鮮な状態です。
空気に触れないから酸化しにくい。
麺ツユは昆布と砂糖で自分で作って冷蔵保存しています。保存料はないからもっても二週間ぐらい。
日にちが経てばモリ蕎麦にして使ってしまいます。
アタシはそんな風に美味しく醤油を使えていると思っているので、市販のこういったものには見向きもしなかった。
でも、ちょっとしたことから家内はだし醤油の面白さにハマったのでした。
「ちょっと買ってみようか」と、アゴだし醤油を買ってからハマってます。
まあ、そういう余分な遊びもいいのかw。
普段からシンプルなものをと心がけていてもあまり拘るのも窮屈です。
こういうものは意外と地方色があります。
その土地で作られる味で、まず地元にウケないといけません。
だからご当地の嗜好が想像できて楽しめるのです。
作られた会社の場所を見て、そこで好まれているものだろうと想像する。
それがまた面白い。
これは調味料というと違和感があります。それよりは、「かけるもの」とした方がいいかも知れません。
基本の調味料と言えば酢や醤油、マヨ、ケチャ、ソースがあります。それにタバスコも(笑)。
「だし醤油」はちょっと違うものがあると思います。
醤油なら酢醤油、酢なら味噌酢などを作りますが、だし醤油をアレンジはしないでしょう。
「ウチで調合してみたこの味を試して」
そんな心なのです。
こういう「ご当地モノ」というと、スイーツとか有名店とかB級グルメとかがよく言われますが、それほど旅行しないものだからピンとこない。
むしろ自宅で食べるものにこそそんなことを感じるw。
粉モノもあります。
最近はこちらのスーパーでも並ぶようになりましたが、「マキシマム」なんていう商品があります。
各種の香辛料をブレンドした「シーズニングミックス」みたいなものです。
九州地方では有名なものだそうですが、これまではアタシらは存在さえ知りませんでした。
「目玉焼きにかけると驚くほど美味しい」
とか教えてもらったことがあった。
一度は試したことがあります。驚きはしなかったけどw。
九州の味付けは甘くて薄味で美味しいとアタシは思います。
他にヒガシマルという会社ので「うどんスープ(の素)」というのがあります。
あれも「うどん県」的な味わいがします。
さすがうどんを常食しているところのは違う、そんなことを思わせる味ですw。
こういう製品は本来は「手軽さ」という利便性がだったのでしょう。そのまま食卓に置いて使えばいいだけなのですから。
でもナチュラルとかオーガ二ックとかロハスとか、今は添加物が気になる時代です。
たまにはネ、と、少し意識してちょっぴり使う。
そんな「特別なもの」として味わいたい。それは食べることより味を楽しむことが主役かも知れません。
味を通じて日本の各地に思いを馳せるという楽しみです。
コロナの前、百貨店で地方の物産展があればアタシは好んで足を運んでいたものです。
それこそチェックしてから出掛けた。
行けば普段はあまり見かけないモノ、物産展の会場に直送されてくる土地のものを買うのが楽しみでした。
そして食べる時、その場所の暮らしや人々を思いながら食べた。
こういうことは、人間の存在を拡張していると言えます。
アタシは食べることで知らない土地を味わうことができるのです。
「みまから」や「山形のだし」を好むアタシはその場所をよく知っている。
歩く生活圏、クルマでの移動、目で見て耳で聞こえる慣れた現実。
でも、食べ物はずっと離れた土地で作られていても、彼らは我々がクチにすることを想定しながら作っている。
「どうだこっちのは美味しいだろう」ってw。
アタシにはそんな気持ちが伝わってくる。
そこに行かずともアタシはその土地とつながれる。
お腹を満たすだけでなく、味でその土地を覚えたりもするものです。
行ったことがなくてもその土地を感じられるのです。
マクルーハンの著作に「人間拡張の原理」というものがあります。
アタシはこれをメディア論や技術論として読んだけど、違ったかもしれない。
遠くから商品を購入できるという物流の存在も、我が国の地理感覚も、味にしたってアタシたちを拡張させています。
「人間拡張」と言ったら、卑近な例であればサイバーダインのパワードスーツということになるんでしょうけどw、物理的なことには制限があります。
限界のない人間拡張、その究極のことはきっと「知る」ということなのかも知れません。
アタシたちの精神こそ解放してゆかねばならない、そう思う。
牡蠣だし醤油をつければアタシは兵庫のたつの市を味わう。
尾根遺産だって色んな匂いがする。
アタシは知る(笑)。
たわわに育んだその地方を思うのですw。
おそまつ
※ まずは冷奴につけてみた。なかなかでした。
しかし牡蠣って、また「オイスターソース」となるとちょっと違うのです。
あれはソースと言っても料理につけるものじゃない。料理を作る。
オイスターソースを買うのは家内が嫌がるんだw。
中身は砂糖ばかりじゃない、なんてクサす。
家内は瓶の内容物の欄を見て、その順番を気にする。
一番たくさん入っているものから順に書いてあるんだから、なんてw。
まあ、どうせ中国のものがほとんどですから、買わなくてもいい。
それに中国というのは見えにくい国だ。
アタシには尾根遺産のいない国w。
めいしくおしあがれ
