振り返りのグルメ、スープスパ・ミートソース
スパゲッティ・ミートソース、簡単に作れるものとされているのですが、これが意外とアタシには難しい代物です。深い。
目指してるものがちょっと普通と違うからか。
どうもいつも危ない橋を渡っている気がする(笑)。
昔、独身時代に缶詰のミートソースを食いすぎたか。アタシはありきたりでないミートソースにいつもチャレンジしています。
あの缶詰のミートソースってのは昔は全国的に誰もが使っていたはずです。
手軽で便利。そして安い。
あの缶詰をベースにして、そこに具を追加、オリジナル風にアレンジするなんて人も多かったことでしょう。
今は輸入の瓶詰めとか色々ありますからあれだけということはないでしょうが。
あのミートソースの基本の作り方、自分でやるならタイムやセージなんかを入れて、つまりハンバーグ系の味にすればいいのです。
そして砂糖をちょっと加えて少し甘くすればたいていは成功です。
本場イタリアン的に言えば「ポモドーロソース」というベースに挽肉やニンニクを加えるということに過ぎません。
これはあのミートソース缶なんかもだいたい同じもの。
アタシの勝手な感覚に過ぎませんが、かつては「オーマイ」のミートソース缶がそのシェアを独占していたと思います。
あのソース、白いワイシャツにつくとシミになってなかなか取れないんだww(笑)。
でも、どうしてもアタシは違う味わいを追求したくなるのです。
料理らしい料理を自分なりに作りたいもの。
ミートソースなんだからと、もっと肉を活かした味にしたくなるのです。
そして缶詰なんか使わぬ真っ向勝負www。
ドンキ・ホーテの気分で立ち向かう。いや、あれは狂人だったかw。
出来上がりはもちろん深みのある味わいであって欲しい。平べったいものではいけない。
昔はオーマイの缶のミートソースとタバスコだけで十分だった。
アタシはアパートの一室で歓喜していたものです。独身時代はそんなのでもよかった。
今は色んな味を知るようになり、満足できなくなってしまった。
出来上がりを評価する家内もいます。
どうせ出すならもっとちゃんとしてあげたい。

それで今回はスープ系のスパゲティにすることにした。
いつものようにトマト缶を煮詰めたりしないで、今回はスープ系でやろうと思った振り返りのこと。
翌日はビーフ・カレーにしようと思ってた。ここがまず出発点でした。
カレーの準備をしながらスープストックを取るというアイディア。
まずは牛肉に塩を少し振ってシューします。
だからこれは実は下ごしらえw。
セロリやタマネギ、ニンジンなんかも入れてシューする。
ホロホロの柔らかな肉は圧力鍋で簡単にできます。
これで作るカレーは絶品なのですw(笑)。
このシューして出たダシには、黒いヘドロのようなアクが側面にこびりついています。
牛の場合、そのアクは固まってうまい具合に取れる。スープに浮いている感じにはならない。取り除くのも簡単です。
このスープをちょっとダシに使って、今夜のミートソースのスープベースにしようとしたのです。
ダシがちゃんときいてるから飲めるスープ。それでスープスパというわけです。
こういうの、「スープストック」なんて言います。
骨なんかも砕いて「シノワ」なんて濾し器を使ったりするのですが、ウチのは擬似的なスープストック。
あの「シノワ」ってカッコイイ。スペースを取るから絶対にウチには置けないけど。
ご家庭でアレをお持ちになっていたら只者ではありませんぞw。
まずはタマネギをいためます。
少し大目にニンジンも入れて炒める。
そして牛肉をタタいて挽肉状にしたものを焼きます。これは圧力でシューしたホロホロの肉とは別な肉。フレッシュです。
こうして肉に焼き色をつけておくと香ばしさが出る。
下ごしらえができたら、牛をシューして出たダシを少しおタマですくって入れて、トマトの缶詰を半分投入。
ワインを少々入れました。
このワイン、アタシは紙のボックスのワインをよく買っていて、その残りモノです。
最近はダンボールの箱にビニールに入ったワインが売られています。
注ぎ口もついている便利なもの。
お値段も安い。
これ、実は昔のこと、すごく問題になったんだ(笑)。
日本の商社が妙案を考えた。
ワインブームになって円高なのに、どうにもワインが高いと。
それでワインをボトルじゃなくてこんなビニールやペットボトルに詰めて売ろうと考えた。
なにしろ重さがそのまま輸送賃に跳ね返るものです。瓶じゃないほうが軽いから当然に運賃が安い。妙案でした。
ところが、そこにプライドばかり高いフランス人たち生産者、輸出業者たちがこぞって反対して横槍を入れてきたのでした。
こんなワインの売り方はとんでもない文化破壊だ、まかりならんと文句を言ってきたものですwww。
ワインはちゃんとボトルにはいってないといけない、そんな難癖をつけた。
確か連中は日本で裁判沙汰にしたかも知れません。
自分のブランドの維持だか意地だか、五月蝿い連中がとにかく騒ぎまくった。
考えてみれば意味不明だった。こちらはワインを買ってあげようってのにwww。
でも、結局、どうなったか。
本国フランスでも同じような理由で紙パック入りのワインやペットボトル入りワインの流通が盛んになってしまった。
ワインの消費も増えて好都合なのは当たり前でした。
いちいち重い瓶ボトルを買って帰る、そんな手間が足を引っ張る。
どんどん手軽に飲むというなら、いちいち瓶なんかで買ってたら間に合わないのですww。
そうして、結局自分たちが本国でもやるようになったもんだからこの騒ぎはいつの間にか立ち消えになりました。
今はそんな瓶ボトル詰めでないワインが普通にスーパーや安売り屋で売られています。
フレンチどもってのは全く調子がいいもんです。
あれ?、ひょっとして日本人がやろうとしたビニール入りのワイン、それ絡みの特許料を払いたくなかったもんだからってイチャモンつけたんでしょうか? インチキ?
アタシはそういうズルい連中は嫌いです。
ああ、しかしやはりw、見たらウチのワインはスペインのでしたwww(笑)。
それで、このワインはビニールに入っていて注ぎ口もついている便利なものなんですが、ちょっと最後にワインが残る。
そのまま注ぎ口を使うと最後の一滴まで飲み干すという感じにはなりません。箱を解体してからじゃないと残ったワインが注げない。
そりゃあ紙の箱に入ってたって中はビニールに充填されたワインなんです。中で端っことかに溜まってしまいます。
だから少しワインが中に余るのですが、アタシは面倒なので別用途に使う。
ちまちまとアル中がビニールパックの端に残ったワインを搾り出すなんて傍目から見てもあまりカッコのいいものではありません。
もちろんアタシはアル中の自覚がありますからw、なおさらですww(笑)。
だからゴミ出しのため、このワインのBoxを箱を潰して仕舞う時、僅かオチョコぐらいに残ったワインはシチューとかカレーとかの仕上げ用にとってあるわけです。
キッチン横にそのビニールのまま放り出している。
残りカスなんだけど立派なワインです。
だからシチューやカレーの隠し味にちょうどいい。
使うときはハサミでビニールを切って残ったワインを使って丸めてゴミ箱へw。
・・・まあ、あんまり古くしないよう消費しています(笑)。

このワインをミートソースへ投入したという訳。
これでスープストックにまた追加してスープができた。
シチュー系のスープ系ミートソースができることでしょう。
ニンニクも入れないで胡椒だけだからアッサり。ちょっと塩が足りないと塩を少々。
味見をしながら慎重に調整してゆきます。
あ、酸っぱい、渋いw。
ワインの酸味が気になります。これフルボディなんだ。
缶詰トマトの酸味とワインの酸味がすごく利いてしまっている感じ。
これだけでも飲めはします。
しかしスープならまだいい。スープなら飲めるんだけど、ミートソースとしては素朴すぎる。田舎臭い。
やっぱりどっかしらミートソースっぽくもしたい。
パスタを味わう深みが欲しいのです。残ったワインが意外と量があったか・・・(汗)
砂糖を少し加え甘くしてみます。これは予定通り。
味見。
んーーーー、なんかまだハッキリしてこないwww。甘さと酸味がうまくマッチしてない。
それではと塩をもう少し入れます。ヲイヲイ、大丈夫か。ちょっとヤバい予感がしてきた。
んーーーーー・・・、失敗ではないけど、やはりまだ酸味の強いトマトスープだ。
でもなんとか修正してる。
ググッっと、ボウリングの球が曲がるようにいい方向へと修正できている気がした。
またもうちょっと、ほんの少しだけ砂糖を追加する。
ここは意地でもケチャップには頼りません。アタシは強い子(笑)。
セロリを追加した。
そうして七転八倒、慎重に味見をしてできたのはなかなかの味。
これをベースで間違いない。
んんんん、とw、アタシはひとり頷いたww。
向いてる方向は決して悪くない。よかった(笑)。
ちょっとホッとした。

こっからは仕上げです。
最後にカルダモンのパウダーを入れてみます。
今回はセージは入れたくない。
アタシは最後の最後にトドメを刺さないと気がすみません。
そうして上手に出来たことを実感したい、それが料理するってことでしょうw。
おお、これで締まった。ぐっと味が引き締まりました。
出来上がりと言える。
パスタを浸してスープとともに食べ、最後にスープを飲むスープパスタです。
スプーンにスープを乗せながらパスタと食べるというのもいい。
タップりの粉チーズはこのスープをより美味しくさせます。
パンにつけても美味しい。
やっとなんとかできました。
終わって食べてみれば、んーーーーん、美味しい(笑)。
満足な出来でした。
しかしちょっと振り返るとどうか(笑)。なんか危なかったかも知れないと思う(笑)。
こんな風にいつもアタシはミートソースが危ない。
かろうじて土俵際ギリギリで持ちこたえているのでした。
おそまつ
ごちそうさまでした
