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私的、孤独のグルメの思い出


 「孤独のグルメ」的な日常というのは誰にでもあるものです。
 初めて入る店、食べながら思うこと、そんなアタシの外食の振り返りのこと。

そこは今まで存在も知らなかった店でした。
 近所から近所にアパートを引っ越して、新たに通るようになった通り沿いの洋食の店でした。
 若いアタシの生活圏は狭かったから、ちょっと外れるとすぐ見慣れない街角になった。

 「キッチンXXXXX」なんて看板が出ていた。

 店頭にはウィンドウがあってサンプルが飾られている。
 ハンバーグとかフライがメインのようです。
 どれも蝋作りのホコリをかぶった古ぼけた食品サンプルです。

 その後、五郎、もといw、アタシはこの店に通い詰めることになるのですがw、それはまた後のお話。




 店の扉を開けるとチリンチリンとドアベルが鳴った。
 アタシを見ると、いかにもフライを揚げて何年というような感じの背の小さなマスターがパイプ椅子から立ち上がった。彼はテレビを見ていた。

 やや猫背、髪をポマードで撫でつけた痩せぎすのマスター。背は小さい。
 愛想がいいのか悪いのか、ちょっとはにかむように私にニヤッと笑いかけた


 どうもこの辺りで昔からやっていたという感じです。でもお客はいませんでした。
 混雑する時間というのは違うのか、アタシが入った時はひっそりとしていた。
 時間は夜の10時ぐらい。
 「閉店するところだったけどww」なんて、確かそんなことを言われた。

 その辺りは住宅街というのでもなくバイパスに並行して走る横道。クルマの通りもあまりない。

 商店街にもなってない、理容室、布団屋、そのぐらい。
 コンビニはなかった。

 昔はそんな風にコンビニのない通りも多かったものです。
 考えてみると当時、近所にコンビニがあった覚えがない。でかいスーパーはあったけど。
 夜に何か欲しくなったらちょっと困るようなところだった。




 店は殺風景。
 プラスチックの造花がテーブルに飾ってあって開いた窓がない。
 雨戸が降りたままなのが分かった。
 白い蛍光灯の明かりが雨戸の降りたガラスに反射していたから。

 店内はすっきりした空気です。
 揚げ物の店なのに脂臭い感じがしません。床はコンクリートのタタキがそのまま。

 壁には墨の板書きがズラっとぶら下がっていて、ジュースやコーヒーなどの飲み物、ビール、日本酒、葡萄酒なんてのも書いてあった。

 こういう店は板書きが定番です。
 フライの店はなぜかこういう板に墨書きが合う。

 メイン料理はハンバーグ、アジフライ、トンカツ、チキンカツ、ヒレカツ、ミックスフライ、カキフライ、海老フライ。
 ごくシンプルなメニューが並んでいました。
 みんな定食のセットです。
 ひと通り色々と並んでいますがあっさりした印象を受けた。

 「きょうのお勧め」が書かれた黒板なんかはありません。

 カキフライだけが板にテープが貼られ、急場シノギな感じで書かれてる。
 シーズン以外は牡蠣は扱わないということかと思った。
 ちょっと好感が持てた。冷凍モノはない気がした。
 




 テーブルはちょっと油っぽい。
 手で撫でればべとべとになってしまうようなテーブル。テーブルはよく使い込まれていた。
 テーブルクロスも何もない。リノリュームみたいなのに木目の模様が施された安っぽいテーブルです。

 
 緑色のビニールでできた腰掛は簡素なもの。緑色の腰掛に黒いパイプの足。薄いクッションの肉がわずかに割れていた。
 そして木目がわざとらしいテーブル。
 今時ならこんなテーブルや椅子なんてヴィンテージ品でしょうw。

 テーブルの上には様々な調味料が並んでいます。

 醤油、中濃・ウスターの両方のソース、塩、胡椒、七味、酢、タバスコ。
 これでもかと調味料が乗せられている。

 でも特にタバスコがいただけるのがアタシには嬉しい。
 昔はタバスコは高かった。小さな瓶で300円以上したものです。



   


 私は壁の品書きを見て、ボリュームがあって一番お得そうなのをと、ミックスフライを注文した。
 アタシは何が食いたいとかではあまり悩まない。外食はコスパ重視派です。
 ミックスフライは店頭のサンプルにもあった。間違いなさそうでした

 注文を聞いたマスターがキッチンの奥に行く。
 カチッとフライヤーに火がつけられる音がして、揚げ物の音がしてくる。

 暫く待って出てきたものはアジフライ、チキンカツ、カキフライ、そして海老フライ、それぞれがひとつずつ。豪勢に見えた。
 キャベツを枕にしてそれぞれフライが乗っている。これで1100円だった。
 パセリとレモン、タルタルソースが少し添えられていた

 あとはライスと味噌汁。
 これがセットの全てでした。

 他に客はいません。
 オヤジは私に料理を出すと、また貧相な椅子に戻って腰掛け、黙ってコーナーのテレビに見入っていた。
 テレビの音はほとんど聞こえないぐらいに絞られていて小さかった。

 


 腹は減っていましたが盛り付けを見ただけでアタシは満足。アタリだと思った。少し腹が落ち着いた気がしたw。
 目から入る満腹感というのもあるものです。

 他の客もいなくて静かで過ごしやすい。
 私はおもむろに割り箸を汁につけ、箸を湿らせてからフライに手をつけた。

 アジフライは中濃ソースでいただく。少し小ぶりのアジフライで肉屋の惣菜よりは小さいけど、揚げたばかりでサクっとした食感
 衣を噛むとすぐにアジの魚の味が追いかけてきた。
 新鮮だと思った。

 チキンカツはタルタルソースにつけてみます。なかなか美味しい。
 タルタルって言っても、ここのタルタルソースはまるで玉子サンドの具みたいです。
 タネマネギなど具がしっかり入っていて重い。

 ご飯は平皿に盛られていて、ナイフとフォークでも食べられます。ご飯がすすみます。
 ソースやタルタルで濃い味を食べてご飯で中和、そしてまたフライを食べてご飯をいただく。クチは油っぽくない。

 カキフライは大事にとっておいて、海老フライをいただいた。やはり海老フライはタルタルソースだ。タバスコをかけて尻尾までいただく。

 私はカキフライはいつもならケチャップかソースだけど、残ったタルタルをキレイにしてレモンもかけていただいた。
 



★ 旨い。旨い。

 そう言っているだけでは何も分からないww。まるで五郎ちゃんの番組と同じになってしまう(笑)。
 どう美味しいかが問題です。

 まず揚げた油が臭みがありません。
 そして素材が新鮮です。
 買ってきてそこで捌いたのだというぐらいの鮮度のアジフライ。カキの味。これで採算が取れるのだろうかと訝る。

 チキンカツは皮がなく淡白な味わい。たたいてあるのかとても柔らかい。そしてフライの衣が濃厚な感じがする。
 どれもちゃんと衣に卵の味がしました。

 カキフライはひとつだけ。お宝でしたww。
 でもカキが大きい。
 噛むとジューシーにさくっとした感触がします。
 この牡蠣特有のジューシーな味わいがいい。衣のサクサクと合わさってなんとも言えない食感になる。

 カキフライはストライクど真ん中でした。旬の期間の限定にしている店というなら間違いない。カキフライ定食もいいと思った。


 そして少しだけ遠慮がちに添えられているタルタルソースは意外と濃厚。
 マヨネーズと卵、タマネギを和えたソースです。ちゃんとタバスコもあったから大満足。

 ご飯がすすむ定食でした。




 最高でした。
 そんな初めての店の振り返りのこと。
 本当にフライが美味しくて、よく味を噛み締めた。
 静かな夜でした。

 最後に味噌汁で口を洗うと、満足感にただホット息をつくしかなかった。


 健啖家なんて言う、美食家なんて言いますがみんな黙って食うものです。そして脳内で語る。五郎ちゃんもそんなドラマ。
 ああ、ちゃんとアレは合ってるんだw(笑)。
 
 これに気をよくして、暫くアタシはこの店に通い詰めました。
 同じ時間、同じ頃にいくと決まっていつも他の客がいない。だからゆっくり。
 たいていはミックスフライ定食を食べたものです。

 思えば、いつも閉店間際だったんでしょう。
 アタシは最初があまりに過ごしやすかったので同じ時間に通い始めたんだけど、だから誰も客はいないし油っぽくもなかったのか。
 マスターは嫌な顔もせず付き合ってくれた。

 いつも同じミックスフライを食べて、ハニカむような笑顔の店主にカネを払った。
 店主はいつも黙ってテレビを見て、食事するアタシは放っておかれた。アタシは黙々と食べて美味しく満足した。

 余計なお喋りは一度も交わすことなく、アタシはその街を離れるまでその店によく行ったものです。





 さて、五郎ちゃん、とは、ご存知「孤独のグルメ」の主人公である井乃頭五郎のことです。

 彼はいつも「ご馳走様でした」とやります。
 食べる前には「いただきます」とやる。

 考えてみるとアタシはあまり「いただきます」とやって手を合わせたりしない。

 「ご馳走様でした」とやって手をちょっと合わせたくなるというのはある。
 食べ始めはアタシはほとんど手は合わせません。

 もともと、乞食の育ちなもんだから、「いただきます」なんて挨拶もそこそこでした。「食える時に食え」、そんな気持ちだったかも知れません。

 手を合わせてから箸を取るなんてことはしなかった。


 一度、女子でそういうことをやってる人を見て、なんかの宗教ではないかと思ったことさえあったぐらいwww(笑)。
 アタシにそんな習慣はなかった。




 最近は食事を終えると自然に手を合わせるようになりました。
 美味しかったと思うとなんだかありがたい。
 なんでもない日常でもそこは感謝の気持ちが湧いてくる。

 ただ、まだ食ってもいないうちから手を合わせる境地にはまだならない。
 まだ修行が足りないアタシですw。

 食ってからジャッジしよう、失敗だと困ると思うから。
 自分で作ったものにも私はついそう思ってしまう。

 五郎とはちょっとアタシは違う。


ごちそうさまでした


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ジャンル : 日記

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