食材が生かナマでないかが問題だ
涼しくて過ごしやすい。
うっかり腹なんか出して寝たら風邪をひきそうです。ご用心。
さて、そろそろ頃合いだろう、ということで糠床から取り出しましたるモノふたつ。
乾燥椎茸と高野豆腐です。
先日ちょっとお話しました糠床のメンテナンス。
野菜から出た余計な水分を吸わせて捨てるということ。
キッチンペーパーでやるより一石二鳥だと、椎茸と高野豆腐にやっていただきました。

アタシも謙虚でいたいと日頃の十戒はある。
だから「干し椎茸」なんてことは間違っても言いません。
自分で乾燥させたもんに過ぎませんからこれは「乾燥椎茸」と呼ばせていただくw。
この椎茸、「ホクト(株)」の、生のかなり大きなカサのものを買ったんだけど、乾燥させたらすごく縮んでしまった。
買った時は「椎茸の肉詰め」ができるぐらい大きいと思ったのに。
あの料理、最近はすっかり忘れられてるかも知れませんけど、昔は「ピーマンの肉詰め」と双璧、いい勝負だった。将棋で言えば飛車と角という感じの惣菜だったww(笑)。
なんだかここ数十年、椎茸が高くなってすっかり忘れられてる気がしないでもない。香りと食感、挽肉とのコンビネーションが絶妙だった記憶があります。
まあともかく、そうすると、あの製品の優勝力士が貰ってるような大きな干し椎茸ってのは、元はどんだけ大きな椎茸だったのかと思った。
なるほど、お高いわけです。
この椎茸を取り出して水を絞って、漬かってるので糠漬けとしていただきます。
「あれ? 椎茸って、これナマだよな。」
「そ、そうだよね」
「普通、椎茸ってそのまま食べたっけ?」
「んーーー、た、食べないかもw」
「醤油タレに漬けといて、チラシ寿司とかにしないか?」
「ない、ないwww 火は入れるよ」
薄くスライス食べてみると、漬かり過ぎていたのか少し酸っぱ目ですが、美味しい。
クタッとしていて火を通したようにそのままいただける。
独特のキノコ臭というのも強くありません。イケるw。
酸っぱい糠漬けの味とほんのりした椎茸の味で、美味しくいただける立派な「ご飯の友」でしたw。
ナマのまま椎茸を食べたのはきっと生まれて初めてかも知れなかった。

お次は高野豆腐です。
これもナマで? さすがに高野豆腐は勇気が必要だw。
高野豆腐も水で戻してそのままは食べないはずです。
煮物にしたり、汁に入れたりする。水で戻してそのまま食べた覚えというのがない。
ちょっと切ってそのまま食べてみると、スポンジの食感が強くてザラっとしてる。
いつもの調理した高野豆腐とは食感が違う感じです。
しょっぱい。
家内が粉をつけて焼いてくれました。
続いて茄子の煮浸しを作って、焼いた高野豆腐と一緒に。冷やしていただきました。
浸みた塩分がちょっと強めですが悪くはないお味でした。ツマミと思えばイケてます。
「高野豆腐」なんだけどなんだか違う。「よく糠漬けの味が浸みた高野豆腐」という感じww。
美味しくいただくことができました。
「でも高野豆腐って豆腐を凍らせて乾燥させたもんでしょ?」
「お豆腐ってそのまま食べるのにね」
なんて家内が呟いたw。

こういう、食材をナマか生で食べるかというのは結構引っかかるものがあります。
実は生食なのにナマでない風に食べていたり、ナマのつもりでも実はナマでないものを生食として食べてたりする。ナマでないのにナマで食べるのに抵抗を感じたりするw。
前者だと漬物はその最たるものでしょう。ナマなんだけど漬かっているということでナマではないと思ってるところがある。
業務スーパーの冷凍のオクラやインゲンだって火は通ってないはずなんですが、アタシは袋から出して自然解凍させてそのまま味をつけて食べてます。
酢味噌や酢醤油で和えて酢のものにして、そのままナマで食べてる。しかしそれを生野菜とはアタシは思わない。
明太子だって、まごうかたなきナマなんですが、そういう気がしません。
アタシは子供の時分は焼きタラコしか食ったことがありませんでした。
明太子や生のタラコにレモン汁をかけて食うなんて、まるでアタシは知らなかった。
美味しいものです。とても高級な感じがする。・・・プリン体が気になるけど(汗)。
牛のタタキといいますか、タルタルステーキというのもそんなひとつ。
牛肉の赤身を包丁で細かく叩いて、タマネギや香草、パクチーや唐辛子、ピーマンなんかと和えるという方法があります。
味付けはナンプラー、砂糖、コショウ。一味などなど。エスニックの調理法。
暑くてアスファルトが揺れて見えるような日でした。
ドブのような川にかかる橋を渡ったところに屋台が出ていて、地元の人たちが午後の早めの晩酌をしていたのを見つけた。
人通りがない路地裏。パスポートを偽造してくれるような職人がいるスラム街。
アタシも一緒にビールをいただこうと暑さに疲れた腰を下ろした。
主人は他の客のために牛のタタキみたいなのを作っている。
もちろん牛肉は火なんか入ってません。ナマ肉でした。それを小汚いまな板でリズミカルに包丁を叩いて鳴らし、材料を投入してゆく。
この炎天下に大丈夫かよという感じなんだけど、みんな美味しそうにビールとそれをつまんでいる。餅米の蒸かしたものをつけたりして食べています。
アタシも注文すると、なんとも美味しくて辛くて強烈で、美味しくビールが進んだ。
ハーハー、ヒーハーいいながらビールをお代わりした。
見ていたらとても生とは思えなくなったもんだからw。抵抗感が消えてしまった。
刺身だって「生魚」というのはちょっとニュアンスに抵抗があります。
「調理する」というところがナマかナマでないかの分水嶺なのかwww。
ナマじゃないのにナマだと思ってるものもあります。火が通っているのに生食として食べたり、「ちょっとナマはなあ」なんて考えてしまうものがある。
まずタコが筆頭でしょうw(笑)。
「チラシには生のタコいれるだろ?」
「あのタコはナマじゃないよ」
「あ、そうだな・・・」
タコの生食、刺身ったってちゃんと湯がいてあるのが普通です。
「ナマダコ」なんて別のモノ、わざわざ食べるのは鮮度も良いホンモノです。
そしたらシラス、寿司ネタの海老、カニだってそうです。ちゃんと火が通ってる。
カマボコにしたって、なんだか生食で食べてる感じがしますが、違うw。
「板ワサ」とか言うと生食と感じるんですが、あのワサビは別にナマの毒消しではない。
チクワ(竹輪)なんて、モノによっては焼くか焼かないか、ナマでもいいかななんて、ちょっと迷う時があります。
薩摩揚げはナマで食べれるはずですが、スーパーの袋入りはなんだか焼きたくなる。
「俺はパンはナマでない方がいい、トーストしてくれ」とか。

ベンチで酒呑んでいて、ツマミが欲しいとスーパーに戻る。
ソーセージの袋を買ってきてそこでそのまま食べれるか、どうか。
アタシも数回しかやったことがありません。(やったヨねw・・・by家内)
ベーコンだってそのまま食べれます。いや、よくある「カリカリベーコン」にするそのベーコンです。白いヌメヌメした脂身もそのまま食べれるはずです。
ロースハム系なんてナマで食べる、サンドイッチに。パストラミの胡椒は毒消しと違う。
ギョニソーこと魚肉ソーセージはそのまま食える。
しかしシャXXエッセンはどうか。伊藤XXムのフランクフルトソーセージ、あれをそのまま食えるか。
「生でも食べられます」って袋に書いてあるソーセージがある。
でもそれ、まさかナマじゃないよね!wwww
・・・悪友と外で呑もうと誘ったら、ヤツはツマミだと袋入りのインスタントラーメンを持ってきた。
?。?。
ヤツはその袋を開けずにバリバリと袋の上から中味を粉々に砕いた。
開けてラーメンスープの元を投入。薬味も油なんかも入れている。
そして袋をシェイクして混ぜ出来上がり。「これはいいツマミになる」なんて言った。
アタシらは呆れたものです。
「それ、ナマで食うのかよwww」
お相伴は遠慮したww。
おそまつ

・・・さっきの牛のタタキ、その後日談というのがありまして(笑)。
それから何年か経って、あの牛のタタキを思い出したある日の暑い日の振り返りのこと。
色のよい赤身のオージービーフがグラム99円で売っていた。生食ではありませんが、いいの。
我が国はこういうのはきっと厳しいはずなのです。
スーパーのパック入り、ステーキ用かなんかだけど自己責任で。
炎天下のあんな小汚い屋台よりはずっと衛生状態はいいだろう。
それにこれは赤身だし内臓でもない、なーんて、同じものを真似をして作ったことがあります。
家内は食べなかったけどなかなかビールに合いました。想い出の味だった。
それから後になって、牛のナマ食で食中毒の話が出たけど、あれは内臓だからw。
めいしくおしあがれ
※ ナマか生かと生々しくw、混乱しないようにお話しするのは大変です。
それに、ナマだ生だ生食だと五月蝿く言っていると、つい、例のごとく咳き込んでしまいそうな話になりそうだった。
おぉーーーーっ! ゴホン。
妄想炸裂しちゃいけません。
いや、しかしそれにしても今日は耐えた。よく我慢した。
最後まで格調高くフィニッシュ(笑)。自分を褒めてやりたいwww。
おそまつ

