コゴミを貰った後のこと
これは「コゴミ」を貰って帰った後、その振り返りのこと。
☆
人生には色々と傷があるww(笑)。
遭難しかけた山登り、なんとか辿り着いた旅館を後にして、私と家内は河のあたりを散策した。
すっかり気も晴れやかな翌日でした。
そこは「奥只見」の秘境だったのでした。
しかしなんてことのない清流と、河が削れた段丘みたいなものの他、とりたたて見るものはありません。
きっと鮎釣りだかのシーズンには人気なのでしょう。
河釣りの釣り師なら歓喜する場所だったかも知れませんが、我々には分からなかった。
垂らす釣具もなかった。
日本はこういう地形なのですから、釣具ぐらいは常に持ち歩いて旅行したらいいかも知れません。今ならそう思います。
しかしなにしろ私たちは若かったw。
そして駅に行ったのでした。
見ると、時刻表の横に「トロッコ列車」の運行があるとポスターがありました。
その意味は分かりかねました。
トロッコ?、どんな列車???
しかしまず、私はそのドギツイ誘引に引いてしまった。
「トロッコ列車が運行!」と、なんだかとてもインチキ臭く見えてしまったのです。
子供を集めてさらうようなピエロ、面白いことがあるよと誘って車内に連れ込む誘拐犯、殺人鬼。
私はそんなものをすぐに思い出してしまいます。
多分、それは昭和という時代のトラウマなんだろうと思います。
あけすけで、いかにも誘っているような、そんなヤラセ的なものにはいつも引いてしまうのが私なのです。
誘われると必ず引いてしまうような人間。
常に罠だと思ってしまいます。
これまでの人生を振り返っても、私は誰かに誘われてねんごろになったことは一度もありません(笑)。
そんなシチュエーションにどこかで憧れているというのにwww。
結局、我々はその次の列車にすることにしたのですが、家内も私もその「トロッコ列車」が何か、どんなものか、しかとは知りませんでした。
「トロッコ列車」は窓全開のオープンの列車です。
まるで貨物のようにして運行してゆきます。
谷の合間をそのままトコトコと抜けてゆく、まるでジェットコースターのような列車だったのでした。
田舎の電車に遅れたら何時間も待たされます。
時間前についてみると、その「トロッコ列車」がまさに駅を離れてゆくところでした。
ビックリしてその姿に家内はウットリした。
しかしその姿を、私たちはそれをただ呆然と眺めて見送るだけだったのです。
「あーーー、あれに! あれにぃぃ!
乗りたかったよぉぉぉ!(泣)」
家内は地団太を踏みました。
そして家内は今更のように私を呪詛し、私のこのヒネクレタ性格を非難したものです。
わずか一日に一回の運行でした。
私たちは、ただ乗りさえすればよかったのに。
列車に乗れないこともある。
しかしただ漫然と見送った私たちの惨めさったらなかったでしょう。
幸運の女神に後ろ髪はない。
後悔しても後の祭りだ。
今でも家内はあの時のことを恨んでいるようですw。
コゴミのことをあまりクチにしないからそれは分かりますww。だからワラビ。
ついコゴミの想い出話になれば、どうしたって「トロッコ列車」のことを思わずにはいれないからでしょう。
私の地域の気候はそんなにコゴミと縁はありません。
そーいや、信州名物の「おやき」なんてものも、家内はひどく嫌っています。
それもコゴミと同じ。
それは私と家内が信州に旅行した時、「おやき」に関して私が家内をなにかで叱ったからなのでした。
だらしないだの、えり好みするだの、なぜかそんな話になって私は家内を叱った。
アタシはどうもそういう「モラハラ」のところがあるw・・・(欝)。
それ以来、家内は「おやき」を食わなくなりました。
物産展で見ても家内は「おやき」を毛嫌いします。まるで知らんフリをしています。
私は「おやき」がバリューでもあるし旨いと思うから、何度もいい風に言ってやり、せめて嫌な思いをしたその記憶を消して「食べようぜ」なんて言うものです。
しかし、家内は頑として食べない。
「その手は桑名の焼き蛤」
まさにこのことでしょうwww。
後悔しても遅いのはこれも同じです。
おそまつ
