冬瓜は品のよいお味
慣れないもの、普段はあまり食べないものというのはちょっと料理をしても気取った感じにになるものです。
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気分も変わって洒落た気分になってくれる。
本日はそんな幸運がありました。
もうシーズンではないと思いますが、冬瓜(トウガン)が割引になっていました。
冬瓜は日持ちがいいものです。だからほとんど割引を見かけることがありません。
その上、珍しくて趣味性が高いものですから定価だと高いのです。
ごくタマにしかありつけません。
小さな冬瓜でしたが、嫁がこちらを見ていなかったのをいいことに、さっと買ってしまいました(笑)。
文句を言われることがあるのでこういう手に限りますww(笑)。
冬瓜は種を取ったら皮を残しつつ少し薄めに剥きます。
少し青みが残るぐらいがいいと私は思っています。
そうして塩と昆布を入れるぐらいで弱火でコトコト茹でます。トロッとしてきたら最後に薄口醤油なんかで色づけ程度の味付け。
ウチはそんな風に調理しています。
好みにもよりますが、冬瓜の皮のあたり、そのところがウェハースのような面白い食感が楽しめるのです。私はそこが好きです。
果肉を茹でるとトロっとした感じになるのも冬瓜の特徴です。
昆布なんか入れていると昆布のおかげかと思ってしまいますが、冬瓜にはそんな作用があります。
皮を剥いたらサイコロ状に切って、そうしてトロトロになった果肉と皮を一緒にいただくわけです。
皮を薄めに切っているとそのウェハースみたいな「ジャリッ」とした不思議な食感が楽しめます。
お勧めです(笑)。
もちろん、冬瓜が一番有名なのは中華料理の飾りつけが有名でしょう。
結婚式とかパーティとか、バンケットのイベントで見かけることがあります。
皮に切り込み模様を入れて彫刻のように飾りつけ、竜や鳳凰なんかを描きます。
濃い茶色いスープに仕立てた冬瓜に使って丸ごとの冬瓜がテーブルの真ん中に。
そんなコース料理の派手な飾りです。
あれをフカヒレでやったら大層美味しいだろうと思うのですが、私は見たことはありませんw。
ああいう野菜なんかを飾るのを「フードカービング」と言います。
タイの宮廷料理にもフードカービングが伝統的にあって、バンコクなどでは観光客向けにフードカービングを教えてたりします。
日本の文化で言えば、捨てるなんてもったいないと、あまりされることはないと思います。
せいぜいお正月に梅の花形に人参を切るぐらいでしょうか。
冬瓜を飾りスープにしても皮の食感が楽しいはずなですが、あまり冬瓜を食べるパーティ参加者というのはいないものです。
もっと値打ちのものがあると、ワタリガニだの海老チリだの、そんな方に流れてしまい、飾りのように扱われてしまうのが通例です。
しかし、実は冬瓜というのはちゃんと美味しいものなのです。
芯から温まるという感覚は、トロりとしたところからの連想でしょう。
いつもの漬物、いつもの浅漬けでもいいのですが、普段、あまり食べつけないものをちょっと料理してみると楽しいものです。
前回はいつ作ったのだったか、なーんて、ちょっと懐かしくも感じます。
我々は人生という時間の中で振り返るものです。
めいしくおしあがれ
