十三里の前はどう呼んだのか
それもまた興味のあるところです。って、、、
☆
「いや、十三里の前は十二里だろうヨ」
って、それ、バス停じゃないんだからww(笑)。
サツマイモは、十三里なんて呼ばれるようになる前は「八里半」と呼ばれていたのだとか。
もちろん、悪い方の愛称でした。
栗よりいたく落ちるものとして、「八里半」と呼んでいたそうです。
ちょっと実感が涌かないかも知れませんが、
「半可通」という言い方があります。
いわく、知ったかぶりのドシロウト。
「半人前」なんてものもあります。
いわく、まだまだ修行中の出来損ない。
「半端者」というのもある。
いわく、世を外れたヤクザ者。
どれも半というのは「ひどい」という冠詞のようになっています。
それが日本語の言葉の「ニュアンス」というものなのです。
「そうだな、じゃあ半魚人とかもなwww」
い、いやぁ・・・それはどうかww(笑)。
「ああ、あんたの三半規管とかか?」
そ、それもどうかw(笑)。
「二枚目半」という言い方があります。
これはどうしようもないブサメンを言うのです。
「三枚目」というと、むしろカッコよかったりします。
「おらあ、とんだ三枚目よ」
なーんて実はカッコつけてたりするのです。
「三枚目」というのはそれなりの味がある人です。
二枚目の敵役、ライバル、いつものすぐ死ぬ悪党、人のいい損な役回り、寅次郎、ドジな相棒、佐藤蛾次郎、ドロンジョ様ww(略)。
なんだか違うのも混じってますがw(笑)、挙げてみたのはそんな感じ。
三枚目というのは何もブサイクというのがその趣旨ではありません。
むしろ「半」、二枚目半という方がブサイクということなのです。
江戸の人は中途半端が嫌いです。
だから、それが「最悪だ」ということになります。
だから、二枚目半というとより悪い。
男前の格が下というわけです。
三行半なんていいます。
三行(みくだり)は絶縁状なんてもの。離縁状とかも同じ。
「カネの切れ目で三行をつきつけられた」、なーんて感じ。
それが半なんですから、はっきりした書面にもなりゃしない話ということ。
「お前にはとことん呆れた」と、叩き出されたという話になわけです。
しかも文書になんかしてくれないレベル。
だから、そいつが死んだら遺産なんかあった日にはごっそり取られちゃう(笑)。
「半」というのは、かくもよくない言い方なのでした。
それと栗、サツマイモの関係は似てるっちゃ似ています。
あっちは南蛮渡来の飢饉食、こっちは神社の境内に植えてあるご神木でござい、どうしたってサツマイモは格が下、下の下となりましょう。
それで栗は九里ですから、そっから半を引けば八里半。昔はサツマイモは八里半と呼んで蔑んだというのがあった。
まあ正しくは、呼ばれかけて定着しかけた、そんなところw。
そこでサツマイモ、石焼き芋を生業にしている連中が急ぎ対抗策を考えたわけです。
「つんでもねえ話だ、こいつは。八里半なんて言われる筋合いはねえわさ。」
「おおおよ、サツマイモは栗よりずっと旨えぜ。」
焼き芋やさんはそういう一家だったりしますから、みんなして団結します。
しかし、これにただ抗議しただけなら、悔しいだけの悪あがきと知れてしまいます。
今の「日本学術会議」みたいなものですwww。
だから少しは飛躍が必要です。
「おおさ、九里四里うまい(栗より旨い)、だから足して十三里よ。
「おう、江戸からちょうど十三里、川越のサツマイモよ」
なーんて話になったわけです。これでオチがつく。
パチパチ。なかなかカッコいい(笑)。
こうして言葉が「大砲」になり、武器になり広がった。
昔はSNSこそありませんでしたがクチコミ砲はありました。
それは一晩で日本を駆け巡った。
おかげで今でも石焼き芋は人気です。
女子寮なんかをゼンリンとかw、住宅マップで調べておいてそこらを周ってみると売り上げがすごいそうですw。
都市伝説でなくてちゃんと女子に人気がある。
めいしくおしあがれ
