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文鎮とヤモリ


 そろそろ寒いぐらいになってきました。もう少し秋を味わいたい。
 昨晩のこと。

 私は横になって布団の上で嫁とイチャついていた。
 あまり嬉しくない様子の嫁でしたw。
 そうはお互いの波長は一致しない。

 ふとすると、嫁が「あっ」と言って、壁の棚の方を見て息を飲んだ。
 固まったまま棚の方を見ています。

 そのまま嫁は寝室の飾り棚の一角を凝視し続けた。しかしなんだか嬉しそうだw。



 私はなんのことか分かりません。
 また何か虫でも出たのか・・・。Gとかそんなのかw。

 嫁は息を殺すようにして黙っている。
 ゆっくりにその視線を辿っていくと、やっと分かった。
 飾ってある文鎮のそばに小指の先ほどのヤモリの赤ちゃんがいたのでした。

 とても小さいヤモリです。
 それでも指がちゃん四本見えて、しっかりついていて、少し動いています。

 その赤ちゃんは、私たちのコレクションの文鎮の傍から見上げ、じっと中を見つめていたのでした。

 中を不思議そうに伺っています。

 その透明なガラスの向こうに自分の顔でも見えるのか、それとも文鎮の中に別な世界を見ているのか。

 とてもゆっくりですが、顔を上げ、顎を左右に動かしたりしているので、明らかに文鎮の中の光の加減、キラキラした模様を見ている様子です。
 興味津々のヤモリの赤ちゃんなのでした。



 スタンドライトを点けていたので見えているのでしょう。

 よくもこんな小さな子を踏まずに私たちは生活しているものですw。

 春先に蜘蛛の子供が沢山いたのを見つけたけれど、あれを食べているのか。

 「でも、どっちも益虫だよ」なんて言う嫁。
 まあ、蜘蛛ばかり増えすぎても困る。

 私たちは暫くじっとヤモリを見ていました。
 ヤモリの好奇心で一杯の気持ちをそっとしておこうと思った。

 寝室に優しい気持ちが満ちて、ヤモリの邪魔にならないよう静けさが深まっていった。

 ヤモリの赤ちゃんは中に見えるものをどんな気持ちで見ているのか。

 「生まれたばかりなんだから、見るものみんな興味があるんじゃない?」なんて声を潜めて嫁は言った。


 私も生まれたばかりの頃があったw。
 私は最初に何を見たんだろう、そんなことを考えました。



・・・「そんなのはとてもいただけませんよ」。
 最初は、そんな風にカポーティはひたすら固辞したんだとか。

 すると、「自分が人にモノをあげるっていうなら、自分が一番大事にしているものをあげないとダメでしょ。でないとあげる意味なんかない。」

 そう、コレットは答えた。
 そして結局、彼女は一番大切にしている文鎮をカポーティにあげたのでした。
 綺麗な、クリスタルガラスの文鎮でした。

 これはトルーマン・カポーティとコレットのエピソードを私なりに訳した一節。

 この話を聞いてから、私たちは「ガラスの文鎮」というものを知ったのでした。


 クリスタル・ガラスだから、文鎮は透き通るように透明です。
 そこにガラスの色をつけ、不思議な模様を閉じ込めている。
 丸いもの。
 ムラノ島のトンボ玉を閉じ込めた文鎮なども有名なものです。

 このコレットの話を二人で読んでから、私たちは文鎮を集めるようになりました。

 クリスタルには鉛が入っていて、それがより透明感を出してくれます。
 だから重い。



 とても気に入っている私たちのコレクションです。

 私たちは身の回りにコレクションがあることに慣れてしまい、すっかり部屋に溶け込んでしまっていたけど、ヤモリの赤ちゃんが発見してくれました。

 不思議な世界が私たちの部屋にもあるのです。


よおこそ、小さなヤモリさん、私たちのコレクションへ。


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