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子供たちさよなら、ボディガード奇譚

 養護学校の夏季旅行。
 急場のボディガードの振り返りのこと。
 懐かしくて今でも時々思い出しています。





 夏季林間学校の付き添いでしたが、短い間でしたが濃厚な時間が過ごせました。
 夢のような時間が過ぎ、旅行は終わりです。
 無事に行程をこなし、イベントや企画を済ませ、いよいよ最後の別れとなりました。

 電車で元の集合した駅に戻ると、すでにそれぞれのご家族がお出迎えでした。
 駅の一角を借り、それぞれボランティアの我々が楽しかった林間学校を振り返るちょっとした反省会です。

 子供たちは円陣を組んでグループがまとまって座っています。
 こうして大人しく座っていると立派なごく普通の子供ですw。

 それを遠巻きにしてご家族が見守っていました。


 まず先生が旅行の報告をし、ご家族に挨拶をしました。
 ボランティアは、それぞれが楽しかったことなどを話します。
 ご家族への報告もかねて。

 当たり障りのないことです。
 言う事をきいてくれた、大人しくしていた、みないい子たちだ、きっと楽しんでくれたと思う、また機会があったら参加したい、他の連中はみなご家族に語りかけた。

 最後に私が相棒とで代表し、スピーチをすることになりました。
 メンインブラック、子供たちとの別れです。



「みなさん、今回の旅行では誘導指示が左右してしまうことがあり、混乱されたことがあったかも知れません。まずはお詫びいたします。申し訳ありませんでした。」

 私はまず生徒たちに謝罪した。子供たちを見回して私の顔を向けました。
 彼らは黙って見上げています。
 その視線は捉えられませんでしたがw。

 遠巻きのご家族らは不審顔。

 旅行中、子供たちの予期しない動きに驚いて、こっちだあっちだと指示を左右する先生がいたのでした。
 彼らがおやきを上手に作れるなんてハナから信じようとしない先生もいた。

 子供らは気にしなかったかも知れませんが、彼らを信じないための安全リスクがあった。



「我々は安全面で最大限の配慮しましたが、生徒のみなさんのご満足にかなったかは分かりません。今後も、我々のような人間との行き違いは色々とあるかも知れません。でも、我々にはみなさんより足りないものがあると、覚えておいてください。」

「みなさんが実は何でも出来ることを私は承知しています。大学進学だってできるかも知れないと私は思います。お互いに頑張りましょう。」

 それが私の最後のあいさつでした。
 大人はポカーンだったかも知れませんが、私の本心でしたww。

 彼らに上から目線になれるほど我々はモノを知っちゃいない。
 私たちは彼らのことを少ししか理解できていないのです。
 


 体育座りになってこちらを見上げていた彼らには私の言葉が通じたように思えた。
 どこかにおぼろな視線を向けながら、みなが黙っていた。

 私のスピーチの趣旨を理解されたのか、ご家族の一部から拍手があがりました。
 私は敬礼で応えた。反応を見せない子供たちの方を見て。

 私は彼らのために働いたのですから。家族や教師のためではない。

 立ち上がってみんなで解散ということになりました。
 帰り際、何人かが私の肩に軽くぶつかってきた。
 きっとあれは挨拶だったのでしょう。
 握手ぐらいはしたかったけれど、それは彼らの習慣にはないものです。



 奇声と嬌声がどこからかまた聞こえ始め、ゾンビたちは三々五々家族に連れられていきました。お別れです。
 駅の雑踏が混じってその声が消え去っていくまで、私は立ってそれを見送った

 それぞれの夏が交わった日のこと。

 彼らは達者にしているだろうか、時々そんなことを考えます。
 広い宇宙に散らばるように、意識の固まりがあるかのように私には感じられます。無数の星のように。彼らをそんな風に感じます。
 その距離は遥か遠くにある。それでいてどこか見えるようなのです。


ありがとうございました





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