おやきを作る、ボディガード奇譚
養護学校の不思議な話。「おやき」を作りました。
☆
なにもともあれ林間学校です。
色んな企画が用意されていた振り返りのこと。
もちろん、彼らは積極的に何かしようという子達ではありませんから、先生が色んな提案をしてくれます。
ハイキングとか運動とか、色んな企画があったうち、「おやきを手作りする」という企画があったのでした。
「おやき」というのは長野地方の郷土料理です
野菜や豆で作った味噌状の具を小麦粉などで包んだもの。
言ってみれば肉まんとかあんまんの日本版です。
皮が固く具がしっかり中身が詰まっているのが特徴です。
中の味噌の具もギュッと締まっていていかにもお腹が膨れそう。
冷えても美味しい味付けにされています。
戦国時代、武田信玄の時代からの野戦食、保存食だったと聞いています。
「おやきの具」はあらかじめ用意されていて、それを「おやきの皮」で包むというのが生徒たちの目標です。
焼いたり蒸したりするのは後でやってくれます。
「さあ、みんな、できるかな」、というわけですw。
そうは言っても、体格的にはみんなそんなには小さな子供ではないのです。
五年生とか六年生ぐらいでしょうか。
丸いガーデンテーブルが屋外の庭にいくつも用意され、それぞれのグループが固まっておやき作りとなりました。
あらかじめ作ってあった生地で具を包んで丸めるわけです。
女の先生が来て、最初に説明をみんなにしてくれました。
なかなか綺麗な先生でした。 まあ、ここはアタシはボディガードですww。
我慢w。
説明は包み方です。
具を適量取ることとか、手の平に乗せて包むこととか。
みんなボヤーーっとしていて、聞いているか聞いていないか分かりませんがw、とにかくじっとしています。
視線はやはりどこか違うところ。
アタシも同じにしていましたw。
先生は「こうして具を包むのよ」、なんて言ってた。
そうして、「後はお願いします」なんて言って行っちゃった。
アタシもみんなに「ではよろしくお願いします」なんて言って、そのまま始まるのを待った。
みんなはじっとして、いっこうに動き出さない。
アタシがいない方がいいのかなw。
そこで、アタシもちょっと休憩することに。
ちょっと彼らから離れ、芝生まで行って座ってタバコを吸ってました。
なにしろ「できなきゃできないでいいのよ♪」なんて、その先生も言ってたもんだから(笑)。
ゆっくりとプカリンをしていると、もうブランコで遊んでいる子供たちがいました。
彼らはダウン症のグループです。
だいたいどこか似た顔をされていますw。
気分屋ということ以外には普通の生活はできる子たちです。
きっと早めに仕事が済んでしまったのでしょう。
なにやらウチのテーブルではモソモソおやりになっていたw。
ダウンの子たちはとてもリズム感がよくて、ブランコを揺らしながら複雑なリズムをとっていた。
それを眺めたりしてから、アタシはゆっくりテーブルに戻りました。
テーブルに戻ると、ウチのグループのおやきはちゃんと出来てました。
みなさん終了した感じで座っていて、何事もなかったようにそれぞれ別な方向を眺めておられるw。レインマンですw。
なかなか上手に具が包んで全部が並べて置いてありました。
「いいですねぇ(笑)。できてますねえwww」なんて言ったけど、無視ww。
各自作ったという意味らしく、おやきがそれぞれ椅子の前に別々に置いてあります。
それぞれ形に少しクセがあります。六人が三個ずつ作って十八個。
イビツだけど、まあ立派なものです。
ああ、それじゃあ出来たということでアタシ、「もういいんじゃないですか」なんて言ったw。
ダウンの子みたいに終了したらブラブラしてればいい。
「休め」なんて合図に受け取ったのでしょう、みんな椅子に座ったまま頭を上下させたり「ヒーヒーw」なんて小さく奇声を上げ始めました。
アタシもそこらをブラブラして見ていた。
なんだか他は騒がしいw。
時間が終了らしく、さっきの先生がやってきます。
アタシたちのおやきを見て、「うわーーーすごーぃ」ってw、拍手w。パチパチw。
そんでアタシに「手伝ってくれたのねぇ」、なんて聞く。
「いえ、アタシはずっとそこでプカリンしてましたから。」
すると、その先生、「ええーーーーっ、うっ嘘っおぉぉ」なんて、さっきよりマジビックリで腰を抜かしそうに言うのwww。
なんてことw。
アタシは「モソモソおやりになってましたけど、変なものは入ってないと思いますよwww」なんて言ったけど、そこは自信はなかった(笑)。
だってほとんど見てねーんだものww。
どっか行かないように安全は見てたけど。
先生は納得できない感じでクビを振って戻っていきました。
他のテーブルではどうやら大騒ぎになっていたようでした。
粉が飛び交い、楽しそうな奇声・嬌声が飛んで、ドーナツだかおやきだかお団子だか、なんだかわからないのが・・・w$&fg9'l;1jfoiiru56-0w(笑)。
あちこち何かが空中を飛び交っていましたw。
ウチのグループはいたって静かなもの。
黙ってみんな座っていた。体は揺らしてましたけど。
アタシもさすがにその騒ぎに、「楽しそうっスね」なんて言ったけど、やはり返事はありませんww(笑)。
それでもアタシも含め、みんな呆けたようにボヤッとまた時間までじっとして、夏のセミの声を聞いていましたとさ(笑)。
出来上がったおやきは美味しかった。
イジワルに唐辛子が入ってるということもなかったwww。
めいしくおしあがれ
※ ちょっと調べたら同じシーンのところで、
日本語吹き替えがありましたね。
こっちの方がいいでしょうか。
でもダスティンの声の方がアタシは好きだけど。
