ゲロを吐かれる夕食、ボディガード奇譚
もし食事中だったらちょっと困ります。申し訳ないw。
林間学校の振り返りのこと。
夕食の時間になりました。
大広間に集まり、並べられた食事を前に子供らは整列して座ります。
「いただきます」
先生たちが声をかけます。
ダウンなんかの子はちゃんと挨拶をしていました。
みなが静かに、行儀よく食べ始めたように思えました。
しかしそれも一瞬でした。
すぐに広間がザワつき、どこからか奇声や嬌声が起き、またもやどこかでモノが飛び始めましたww。
やめなさいという教師たちの声w。
しかし怒気はありません。
始まるとなかなか止まらないというだけなのですから。
悪ふざけをしているわけではないのです。
笑い声、キャーッという楽しそうな嬌声。
普通の子供らの雰囲気とは違います。
そこには具体的な単語がありません。自然に出てくる感じの奇声。
しかしアタシは平静にしていました。
その何かが飛んでいる、銃弾が飛び交うところで、眉ひとつ動かさずにメシを食った。
にこやかに穏やかに、まるでそんな騒ぎに気がつかないようにして。
アタシの周囲だけは静かなものです。
アタシのグループの子供はみな大人しく食事をしています。
隣によく喋る子が座っていました。
この子はアタシのグループではなかったのですがすっかり懐かれてしまい、しょっちゅう出張してきてアタシのところに来た。
彼はどこも変な感じがありません。
頭の回転が速くやたらと喋ります。
すごく利発な感じがするのですが、それでも自閉症なのだといいます。
彼はアタシを横目でチラチラと見ながら喋り続け、食事をしていたのですが、アタシはにこやか、かつ穏やかに食事を続けています。
彼がやたらと喋りながらメシを食って、彼にうなづきながらアタシはメシを口に運ぶ。
時々何か返事ぐらいはしてあげます。
え?。
突然、彼が「えずいた」。
アタシにはその気配がわかった。
予感がするやいなや、アタシは彼の嘔吐を自分のメシのドンブリでさっと受け止めた。
一気にドンブリが彼の嘔吐物で一杯になった。
大盛りになったwww。
他に被害はありませんでした。
他の子のところにもかかっていません。
「大丈夫?」アタシは聞いたが、どうやらいつものことらしかった。
緊張すると彼は嘔吐するらしいのです。
自分も似たようなものだとアタシは言った。
「気にしないでいいですよ」なんて。
言わんでもいいのに(笑)。
「大丈夫。もう食べ終わってたから、よかったww」
オカズは被害がなかったのでアタシは残りを静かに食べました。
他に嘔吐した子はいませんでしたが、まだ向こうではブロッコリーだの豆なんかが空中を飛び交っていました。
不思議とアタシのところに銃弾は飛んできませんでした。
向こうの養護の先生たちはテンテコまいという感じw。
楽しい食卓ではありました。
つい笑ってしまった。
メシにゲロぶっかけられたのにwww。
あの時の食事の時の奇声と嬌声は今でも楽しく思い出せます。
ごいしゅうおざいました
