ロイヤル・ストレート・フラッシュ「エース」
ポーカーの手の名前です。
☆
最上位の名前。一番強い手。
マージャンで云えば「役萬」というやつでしょうか。いやんーーエッチww。
マンて何よ、ま、「まん」て・・・。
ともかく、私たちが訪れるスーパーにはそんなアベンジャーズのような、地球防衛軍のような、トッキュウジャーのような、ザパニーズヒーローのような、そんな人々がいるのです。
彼らをお見かけするようになって、私たちはある時から呼ぶようになったのでした。
よく見かけるけど、毎回というほどでもありません。
そんな人々です。
★ 「A」、エースと呼んでいる女性がいます。
「エースの錠は死んじまったけど、ウチのエースは健在だよな」
「頬っぺたに綿か何か入れてたんだよねw、取ったんでしょ♪」
あーーー、それなぁ。
それ、死んでも言われ続けるのか(笑)。
エースはきっと中国から嫁いできたお嫁さんでしょう。
日本人ではありません。
我々の前にある日突然に現れました。
ちょっと上半身がムクムクとして下半身がアンバランスに細い。
小さい人です。ファッションのセンスだけで日本人じゃないと分かります。
それは不思議なこと。
海外でも同じ顔をしているのに日本人っていうのはなぜかバレます。
私の場合、そこは気をつけているので日本人とはなかなかバレませんwww。
★ ある冬の夕方、スーパーでの買い物でのこと。
嫁はリサイクル屋で買ったかわいい帽子をかぶっていました。
まるでロシア人のような、シベリアのような、あなたほど冷たい人はいないなら今は涼しいじゃないかとか、12月の旅人ってサンタかみたいな、伝えてくれって何をかまず言えよ、みたいな、みたいな・・・www。
ちょと、何を言ってるんだ、お前はwww
まあ、そんな帽子だったのでしたw。
モコモコのフェイクファーで、モワッとした帽子です。
それがふぃーに、エースに見咎められた。
ふいーーーーーにwww。 フイニーーーア・マンw。
★
実は嫁に言わせればこの帽子は温かいどころか暑いぐらいなんだそうですが。
私が他の棚を見ていたとき、通りかかった女性が立ち止まり、じっと下から嫁とその帽子を見上げて、手を握ったそうな。
「あっ、えっ、わっ」、もうそんなことを言うヒマさえ与えなかったそうな(笑)。
そして、「かわいい・・・」と、タドタドしい日本語で言ったんだそうです。
「ええーーーー、なんだそれwww」
「あれは日本人じゃないね」
「うわぁwww いきなり褒められたんだ」
「そうなのかも・・・ビックりしたw」
それから旦那が案内していたのか、二人で買い物をしていたのを見かけた。初老の紳士から買い物の手ほどきを受けていたようでした。
半額とか二割引とか、製造年月日とか。賞味期限とか。指差してたww。
そりゃあ教えることは色々とあるでしょう。
旦那か?
あれは税理士か司法書士という感じだった。
中国嫁を貰ったんでしょう。
アンタ、人を売っちゃダメだよ(笑)。なーんて。 言わない、言わないwww(笑)。
ぎこちなく、言うことを聞いてたようでした。
★
それからです。タマにスーパーで見かけると会釈するようになったのは。
しかしこれがちょっとコワイのw。
いつもほとんど向こうから我々を見つけてくるのです。
突然だよw。
棚の角を曲がったら突然に視界に飛び込んできて、もう向こうはこちらを見つけていて、満面の笑顔で会釈してくるんだ。
「えっ、あ、ああ、どうも・・・」なんて感じ。
そのうち、嫁は向こうから先に発見されてしまったら負けだとか言うようになったww。
キャアキャア嫁は言って喜んでいます。
「ハァ、さすがだね、今日はやられたヨ」なーんて(笑)。
「待て、お前、これが戦場なら死んでるんだぞ」
「だってさww、気がつかないよ」
「見ようとすんじゃない、感じるんだ」なーんて(笑)。
馬鹿なことを言ってましたけど(笑)。
もちろん、というかなんというか、武漢ウィルス以降、姿は見かけません。
すっかり見かけなくなった人々の振り返りのこと。
忽然と消えたエース。
その運命はいかに。
