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食べ物は「端っこ」がいい

 嫁はそういう趣味がある人間だ。
 本人も日頃からそう自負している。

 問われれば、俺だって食い物は端っこの方がいいと思う。
 だから嫁に専売特許のように言われるのは癪なことだww。

 カステラ、羊羹、ケーキ、自家製パン、買ってきたトンカツにしても、どれも端っこのところが楽しくて美味しい部分だと思っている。
 二人で同じように端が好き。
 分け合ったり譲ったり、いつも端っこをどうするかで嫁とは必ずやり取りがあるww。




 端っこというものには、製造の過程でできる予期しない部分、飾らない部分があると思う。

 飾らない正直なところを食べたい、素直な味を食べたい、そこが美味しい。俺はそう思うのだ。
 作った側が計画した「あざとさ」が少ないところに感じる。
 端っこというのは純な味わいを感じる。

 嫁はそれを評して「端っこには甘いところや美味しい成分が集中してるからだよ」なんて言う。それもしたりと思う。


 焼いたり蒸したりしてゆく、それが端からできてゆく。
 何らかの偏りができる。
 いわばそれは料理人にとってはあまり見られたくない部分だ。
 思い切って切り落とされてしまう場合もある。
 バウムクーヘンなんかはそんな落としたカケラを別に売ってたりする。

 食べる俺と食べられる食品という関係のうちで、お互いに遠慮がちにし、端っこを俺は嗜好し、料理は料理の方で恥ずかしそうにそこをくれる。
 こういうイジらしいところに味わえるものがあると俺は思う。


 氷には端はない。
 よく知られているように、製氷の過程で突然に固体化する温度に製氷皿の水が達した瞬間、ピシッと音を立てて氷の結晶が表面を走る。
 氷にはムラがない。


 料理人がこういう「もどかしさ」とか「恥じらい」みたいなもの嫌うこと、作る側が気に入らないということはあるだろう。
 ちゃんと作ったのに、どこかにアソビがある。料理したものにフラフラしているところがあるのが許せない、そんな気持ちだろう。

 きっとそういう人が、ハンバーグとかつくねとか、ミートボールなどの料理を考えたのだと思う。
 ミンチにて潰して丸めてしまえば端なんかない、どうだ、と言うわけだw。

 頭も尻尾もない、すり身にしてしまえば完成させた一個の姿にすることができる。
 均等に混ぜて全部が端っこなら文句はあるまい。

 「破れかぶれ」とまで言わないが、ある種の開き直りだ。

 最近はメロンパンの皮だけというのを売り始めた会社もあったw。




 対して、端っこでなくて真ん中が好き、まず真ん中を食べたいという人もいる。
 出された真ん中から食べ始める人がいる。
 ステーキや焼き魚、フライ、真ん中から箸やナイフを入れる人がいる。

 それは育ちの良さに由来するとは思わない。
 「育ちの良さ」ということで言うなら、食べてゆくまでの過程に表れるだろう。育ちの良い人はキレイに食べることが大事だと躾られているものだからだ。

 食卓は交響曲のようなものだ。

 だから最後まで全体の調和が崩れることがないようにして食べてゆく。
 中国人のように食い散らかし遺すだけではしょうがない。

 好きなものを先に食べるか、後回しにして最後に食べるか、それは交響曲の性質というに過ぎない。盛り上げの部分やサビを最後に回すか頭に置くかだ。

 だから、端っことか、真ん中というのは食事の食べ方の順序とか、そういう「食べ方」に関わることではないように思う。


 きっと真ん中をまず食べたいという人は、料理人の一番の主張を食べてやろう、そうということなのかも知れない。

 遠慮なく料理人の一番カッコをつけたところから食べてあげたい、そんな心を感じる。
 料理人に寄り添った気持ちがあるのだと思う。





 ある時、高名なイタリアン・ブュッフェに行ったことがある。
 時間きっかりにオープンし入店。店はご婦人らで一杯だった。

 みながパスタやらメインから肉や魚を各種ワゴンに取りにいって食べ、その美味しさに舌鼓を打った。

 その食事の最中、デザートコーナーがおもむろに支度されてゆき、巨大なババロアタワーがワゴンに乗って出てきた。
 色とりどりのゼリーやフルーツが組み合わされた、大きな、見事なババロアタワーだった。

 メインディッシュの途中ではあったが、席からはひそかな感嘆が漏れた。

 タワーの周囲にはパイ生地で包んだフルーツ、シュークリームや各種ゼリーやケーキ類が盛ってあり、さしずめお城のような飾りつけがされていた。


 みなが食事をしながら、それを横目で見て、デザートの分を残さねばならないとお腹の算段をしているところだったw。

 俺はパスタと肉のお代わりを取りに立ち上がり、席への帰りにそのババロアタワーに寄って、そのてっぺん、ド真ん中に穴を開けてそのデザートも皿に取ってきた。
 人々に気付かれることはなかった。

 そしてそろそろデザートだとみなが申し合わせたように立ち上がって、ババロアタワーとその他のデザートを目指してご婦人たちがワゴンに集まっていった。

 「あっ」と、誰かが小さく息を飲む声が俺には聞こえた。


 もちろん、それは俺のちょっとしたイタズラだったw。

 後で俺も本格的にデザートをもらいに行ったが、その風穴の開いたババロアタワーのてっぺん周辺には手がつけられていないままだった。
 周辺のケーキやパイの場所は、まるで略奪にでもあったようにクリームやジャムソースが散乱していた。
 俺は最後のトドメとばかりにタワーの頂点をいただいた。


ごいしゅうおざいました

 
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ジャンル : 日記

コメント

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No title

こんにちは(*^-^*)
端っこ、ですね~
端っこにそんなストーリーがあるんですね~
バームクーヘンのそんな端っこをお安く買って食べている我が家…ありがたや(*^▽^*)

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