大相撲九月場所、優勝決定戦の詳説
しつこいようですがw、昨日の優勝決定戦のお話。
家内に話したら昨日のアタシの話はちょっと細かいところが分かりにくいとか。
改めて説明しなければいけなかった。やっぱりもう少し細かくお話しした方がいいかな、そう思った次第w。
そこはアタシも反省しております。言葉足らずで申し訳ないw。
シロウト<半可通<アタシ<玄人
そんな感じになったでしょうかwww(笑)。アタシはそう信じてる(笑)。
今回ばかりはアタシもグレードが「半可通」よりちょっと上がったと思うのですが、どうかwww。
そこで、もう少し分かりやすく、昨日の大相撲九月場所、千秋楽後の優勝決定戦の真実をもう少し詳しくお話してみることにします。もっともっと大真面目にw。
すなわち、趣旨としては「貴景勝はズルをしたわけではない」というお話。
まず熱海富士ですが彼は決して子供っぽい相撲を取るわけではないということ。
ちゃんと相手によって仕切りの距離を変えています。相手の心理を読んだりもしている。
もちろん、常に自分の仕切りを守っている人もいますが、熱海富士は変えています。
仕切りと言うのは「ヨーイドン」でぶつかり合う相撲の始めのスタートのことです。
今場所で高安が相手だった時には仕切り線ギリギリで立ちました。
高安は立ち合いに勢いがあります。カチ上げてくるタックルがあります。
それをできるだけ弱くするために相手との距離を縮めておくわけです。
どうも熱海富士はぶつかりにパワーがある相手は意識しているようです。それを押し込めるため自分は仕切りを前にする。
助走距離が少なければ勢いは頃せます。
反対に自分が相手に勢いよくぶつかっていく場合には後ろから仕切って助走距離を取りたいわけです。
そうしてぶつかった衝撃が相手に勝れば土俵の外にもっていける。
デブ、というか重いもの、モノの重さには慣性の法則が働きますw(笑)。重ければ同じスピードでも衝突の衝撃は大きくなる。
まあそれで「止まれない」ってのも困りますがw。それも慣性の法則w。
阿武咲なんていつも勢い余って土俵の外に出てしまい負けることが多いものですから、ある日、鶴竜親方に聞いたんだとか。
「どうしたら止まれますか?」ってwww(笑)。
一方の優勝決定戦となった貴景勝はどうでしょうか。彼は「押し相撲」の人です。
あまり仕切り位置を変えることはありません。
バンバンと両手で押していって強く相手を押し込む。そのパワーとリズムで勝つスタイルの人です。
それが彼の相撲のスタイル。
ぶつかって来る相手だってウェルカム。自分もそれに勝って突き押せばいいわけです。
マワシを掴まれて組まれるような相撲は貴景勝は苦手です。だから、できるだけその体勢に持ち込ませないようにするわけです。互いにその攻防ということになります。
そこが貴景勝の勝負。
ガツンと当たって組もうとしても相手を押してマワシを取らせない。前にどんどん出て押し出してしまう。
熱海富士はどちらかというと四つ相撲が得意のはずです。少なくとも四つ相撲だって上手に取れる人。
マワシをがっぷりと掴んで、投げたり土俵の外へ相手を持って行ったりする。
決して熱海富士は「押し相撲」の人ではありません。
こういう自分の得意なスタイルを持つというのが大相撲です。
それがない人もいます。自由自在と言う人もいる。それはまたそれでその人のスタイルではありますwww(笑)。
こうしてポイントとしては千秋楽の優勝決定戦に前日の土曜日のことが影響を及ぼしてしまったということです。
熱海富士と阿炎の一戦です。
熱海富士は阿炎の変化を誘い、自らそれに対応して勝った。
仕切りの最初はわざと彼は突っかけています。立ち合いが合わなかった。つまり「待った」です。
このことで熱海富士は阿炎に突っ込んでいくことを強く印象付けたのです。
そしていよいよ二回めの仕切り、今度は熱海富士はさっきよりもなおも後ろに下がって仕切る。あからさまなポーズでしたが阿炎は引っかかったw。
阿炎は突っ張り相撲、それはいわば貴景勝のような「押し相撲」の流れです、延長と言ってもいいものです。最近はちょっと往時の勢いある回転がないのが心配。
勢いよく突っ込んでこられて手を出しても押されてしまいそうです。阿炎にはスピードが必要です。
そうして、熱海富士は阿炎に変化させるよう誘いました。
まんまと残して勝ったのです。
ユーチューブで映像を見てみるとよく分かります。仕切ってからの熱海富士はやはり鋭さがありません。動きは遅かった。
だから何も、勢いあまって「オットっと。」なーんて、かろうじて土俵を残したわけではない。
それがよく分かります。
ちゃんと熱海富士は自分の勢いを抑えていたわけです。
変化した阿炎は捕まえられてしまいます。
「しまった」と思っても後の祭り。負けた後の阿炎の表情が物語っています。
そして貴景勝はそれを見ていたわけです。家政婦もお茶の間で見ていたw。
すでに優勝決定戦前には二人は対戦し、貴景勝は熱海富士を破っています。本割での対決は済んでいる。
そうなると優勝決定戦で熱海富士がどう出てくるか、それを考えます。
同じことはしてこないだろう。
千秋楽、本割では熱海富士は朝乃山に負けてしまいました。
パワーで負けたように思えます。マワシを取られて抵抗するもむなしく敗北。
すると、貴景勝としては考えてしまいます。熱海富士はマワシを取りに来るのではないか、と。
前日の阿炎戦を考えれば朝乃山戦は彼には予想外なことだったでしょう。
熱海富士は若武者と言われています。わずか21歳とよく言われる。
しかしそれが意外にもこういう器用なテクニックも弄してくる。そんなことを貴景勝は改めて思ったはずなのです。
そうして考えた。
熱海富士はまたガツンと突進してくるそぶりを見せ、実は 落ち着いて自分のマワシを狙ってくるかもしれない、と。
実力者の元大関朝乃山との対戦で熱海富士が勝てる見込みは薄かった。勝てば優勝ですが負けたとしても優勝決定戦なのです。
ならばイチかバチかと相撲を取ったのではないか。
いわば熱海富士は本割は捨てて、優勝決定戦のために朝乃山と真っ向勝負の取り組みをしたのではないか、と。
次の決定戦でもゆっくりとマワシを取るのではなくガツンといく、そう思わせるために。
そんな推理すらあったかも知れません。
そうなって裏をかかれれてマワシを取られてしまうと、貴景勝の相撲にならないかも知れない。だから仕切っていきなりマワシはとられたくはない。
だから一度「いなして」からという相撲を貴景勝は考えた。
そうして一呼吸、改めて見合ってから攻防となればいいと考えた。
熱海富士は意外と突っ込んでこない、そこでマワシをしっかり取らせたくはない、と。
そうして最初の立ち合いをかわしてからバンバンとやる。押し相撲となる。そこから貴景勝の相撲となるわけです。
熱海富士はマワシを執拗に狙ってくるでしょう。それは望むところ。そういう戦いを貴景勝は想定したのではないか。
だから優勝決定戦で貴景勝はちょっと横にズレた。その攻防になるよう体勢が不利にならないようにしたに過ぎなかった。
そうして、さあ、ここからお互いの本領発揮だ、と、やろうとしたのです。
ところが、熱海富士にはそんな気はさらさらなかった。彼はひたすら突進していった。
ガツンと突進して、ひたすらぶつかって押し出す気だったのでした。
だから。
アレ?www(笑)。
ちょっとかわされただけで熱海富士は勢い余って無残に土俵に倒れこんでしまったというわけです。
読み違い、まるで「出会い頭の衝突事故」みたいなものですw。
これは貴景勝にとっても予想外のことだったはずです。
それでも優勝です。そこは大関w。
シロウトの目では貴景勝はズルくやったと思ったり、「針のむしろ」の優勝インタビューに映ったかも知れませんがそれはまた彼の問題w。
このことを彼が話すことはないでしょう。分かる人だけ分ければいい。少なくとも本割ではありません。
以上、そういうことだったとアタシは見立てたのです。
熱海富士は場所中、意外と何度も「突っかけて」います。度々「待った」をしています。
「作戦」というのがある人だとアタシは思う。純粋無垢な若者というわけではないw。
可愛く見えても実はネンネなんかじゃない!www
それが優勝決定戦では裏目に出てしまったということです。
「そういえばさ。」
この話をしていた昨晩の晩酌、そんなことを家内が言った。
それは熱海富士と阿炎の土曜日の一戦、まさに千秋楽前日にアタシが「熱海富士が変化を誘った」と家内に指摘した日のことです。
その土曜日はたまたま熱海富士の親方である伊勢ヶ濱親方が解説に来ていたのでした。
もう親方はデレデレ。
ツンツンしてても愛弟子にぞっこんなのが分かるwww。
可愛くて可愛くてしょうがないらしい(笑)。
伊勢ヶ濱はこの熱海富士と阿炎の取り組みを見て、ハッキりと言ったのです。
それもわざわざ二回も。
家内に言われてアタシも思い出した。
「仕切りをかなり後ろにとっていたから心配しましたけどね。」
とwww。
伊勢ヶ濱はこれを二回も言ったのです!
つまりこれはネタバレです。ちゃーんと伊勢ヶ濱はアタシたちにヒントをくれていた。
親方もこれが熱海富士の作戦勝ちだったと分かっていたのです。
まず間違いないw。
しかしこれ、どうでしょうか。結果としては失敗だったのです。
優勝決定戦が出会い頭のスレ違いになってしまったのですから。
貴景勝側からすれば、どうだったかということ。
わずか返り入幕の二場所目。その21歳の若者がただガムシャラに相撲に立ち向かう姿を観客は期待していた。
そして堂々と真っ向勝負した。そして見事に負けた。
貴景勝はその千秋楽の元大関朝乃山戦を見ているのです。
熱海富士は序盤から中盤は独走状態でした。それが少し崩れていきかけた。ベテランならそこで盛り返そうと策を練るはずです。もがくのが当然です。
しかしいくら若武者でも突っかけるぐらいのことはできる。熱海富士は相撲を知っている。
貴景勝にそれが見えてしまったのではないか。
熱海富士は仕切り位置を考え、たいてい真っ向から向かっていったものです。今場所もほとんどそうでした。
ところが、どうしたわけか前日の阿炎戦はまるで違っていたのです。
とてもトリッキーな相撲だった。
これがボタンの掛け違いだったとアタシは思う。
もし「タラレバ」があればの話ですが、熱海富士が前日の阿炎戦でもいつもと同じように立ち合っていたら貴景勝にそんな疑念は起きなかったことでしょう。
いつものように押しまくる貴景勝に対して差そうてする熱海富士、押しと差し、パワーの攻防、そんな攻防のある戦いになっていたはずなのです。
熱海富士が余計なことをして若い自分にも策があるということを晒さなければ、通常の立ち合いからの攻防、お互いの得意を活かそうとした攻防のある優勝決定戦になっていたかも知れません。
だからアタシはこれを貴景勝のズルさとは言ってほしくない。
まあ、だからって熱海富士の「自業自得」とまでは言いませんwww(笑)。
彼はまだ相撲巧者とは認知されていなかったのではないか。
少なくとも熱海富士が若武者らしからぬ巧さを見せてしまったことだけは確かです。
しかしそれだけで十分でした。
もう熱海富士は一人前なのです。
失敗があったとすれば大関貴景勝に疑念を起こさせてしまった。それが失敗です。
そうでなければ五分五分だったかも知れない。優勝もあったかも知れません。
結局、ベテランがベテランを相手にした相撲になってしまったということです。
そうなるともはや熱海富士の「若さ」というアドバンテージが入り込む余地はなかったというわけです(笑)。
・・・いやぁ、実に美しい話ではないかww。
若さが活かせなかった!
アタシはこれぞ大相撲だと思った。このことに気が付いて感心した。
それが今回の千秋楽後の優勝決定戦の顛末だったのだとアタシは思います。
さて、来場所は九州です。
果たしてピン子さんは来るのでしょうか。何しろ弁護士の兄上のいる地元です。
歌舞伎見てるよりずっと面白いですぞw。
おそまつ
おうぞどたのしみに
