足元の防寒、手のヒビ割れ
書斎は冬は寒い。
室内温度は7度から8度。
それより寒くなるとストーブをつけます。
でも床暖房なんてのはありませんから足が寒いのです。
部屋は板張りで、引っ越したときに床を引っぺがして断熱材を入れはしたけどやはり寒い。
板子一枚、下は縁の下なのです。
夜、座ってると底冷えがしたもの。
足がキンキンに冷えてきて頭痛すらしたものです。
これには昔からアタシはずっと苦労してた。
電気アンカなんかを置いて温まろうとしたこともありました。
でも電気がムダに感じる。床面も暖めてしまうのですからw。
それがある年のことです。輸入物のラビット毛皮のルームシューズを手に入れました。
その暖かいことにビックリw。
そこに厚着した靴下の足を入れればまさに天と地ほども違うものでした。
感動さえ覚えたものです。
やがてダウンをまとった羽毛スリッパが市中に出回るようになりました。
これもまた暖かいものでした。
これを買って、ラビット毛皮のルームシューズの中に二重にすると、もうすっかり大丈夫。
寒かった冬が信じられないほど快適に過ごせるようになりました。
ルームシューズで暖房知らずです。
それからは何年かに一度はルームシューズを安くシーズンオフに探して買い、羽毛ブーティーも補充して今ではすっかり在庫補充もルーティン化しました。
何か新しい技術があったものでもない。そんな新奇な商品でもない。
こんなことだけで随分と暖かい冬になったものだ、つくづく思うのです。
そういや受験勉強の子供の頃にはそんな苦労があったものです。
電気スリッパなんてものを使ってたことがありました。
有線のケーブルを引きずって部屋の限られたところはこれで移動できます。
ラジオのスイッチを入れたり辞書を取ったり、机を離れる程度なら履いたままです。
しかしこれが邪魔臭い。
有線に縛られているのがどうにも気に食わない。なんだか納得できないものでした。
しかも足の裏は暖かくなるのですが足首は寒い。
スリッパの形状はしているのですがプラスチックの底面でパタパタと異音がする。
なんとも情けなくていい気分ではありませんでした。
もしあの頃、こんな羽毛ブーティと毛皮のルームシューズを知っていたら電気知らずだったのにと振り返ります。
エコです。
エコ・エコ・アザラク、エコ・エコ・ザメラク。
テクマク・マヤコン、テクマク・マヤコン。 ラミパス・ラミパス・ルルルン・ルン。
昔はなんでも電化、電気を使うものがいいとされていたものです。
とにかく電気を使うなら良いものとされていたような記憶があります。
あれはとんだプロパガンダでした。無責任な文明でした。
別にアタシは温暖化を気にしているからではありません。
単に電気代が高いから。負担を押し付けるだけの無能無策にアタマに来るから。
そして電力政策と電力会社のペテンに乗りたくないから。
「原発は活断層の上には建ってないから百年は地震は来ない。安心だ」、なんて言ってたエセ地震学者は腹でも切ったらどうかっ!
足が冷えると寝付きも悪いものです。
寝床に入っても暫くは眠れません。
いつまでも冷えた足を布団の中で刷り合わせて暖めようとするんだけどなかなか暖まらない。
思えば色んな場所でアタシはこんな同じ思いを繰り返した。
大きなペットボトルにお湯を入れてアンカにするなんてこともやりました。
触れば熱いw。
キャップが金属だと火傷するww。
朝、寝床でウトウトと目を覚ますと冬の眩しい朝日がカーテン越しに差し込んできて、いい朝だなと感じる。冬ならではの澄み切った陽光。
すると、ふと見ると布団の上掛けが湿っている。
寒さで布団が結露しているのですw。
枕元のサーモスを開けて茶を飲もうとすると息が白い。
まるで起き抜けのプカリン、一服してきたような気分になる。
そういう朝はもう憎らしいほど足元が暖かくて、むしろ暑いぐらいです。
靴下も脱いでいてそれでもバム。ムレムレに汗ばんでいるのです。
そうして目が覚めてしまうと活動モードに入りますから体温が上がります。
布団の中がとたんに暑くなる。
やがてはサウナ状態になってもう寝てもいられない。
ヘビのように変温動物ならよかった(笑)。
冷血動物。カポーティw。
そしたら尾根遺産なんかがアタシの肌触りが心地がいいと、その裸体に巻きつけてくれたかも知れません。
セクシーな人ほど変わったご趣味をお持ちです。
異形なものに愛情を注いでくれる。
パツキンの方などで、そんなことをおやりになっている写真をよく見かけますw。
その昔、高熱を出して寝込んしまった時、看病してもらったことがありました。
バラックのような貧しい掘っ立て小屋に寒風が吹き付ける中でアタシは寝た。
気がつくと、足元に尾根遺産がいた。
アタシの足をお腹の辺りに差し入れてずっと足をさすってくれていた。
強烈な甘い想いが朦朧とした意識の底からこみあげてきて、アタシはそんな気持ちを隠すのがやっとでした。
どんな土地でもみんな同じことを知ってるものなのか、とふと思った。
頭寒足熱
つくづく納得できる言葉だと思ったものです。
お風邪を召された時は足を暖かくしてお休みください(笑)。
この寒いのにスーパーでも素足にサンダル履き、まるで相撲取りのような若者を見かけることがあります。
大丈夫かなと思うのですが、豪勢な肉をお買いになっているので別に困窮しているわけではない。
あまり細かいことを気にしない人なのでしょうが、足の裏がヒビ割れることはないのでしょうか。
ご自愛いただきたいw。
アタシは足が冷えるのは嫌だけど手はよく冷やしています。
洗いモノは冷たい水道ですからキンキンに凍えます。
外へ行けば冷えたチューハイを手に持っていたりする。
手袋はかさばるし手が使いにくい。
すると、指の関節のところがパックリと割れてくることがあります。
痛えw。
なかなか治りません。
もう慣れてしまいましたが。
握りこぶしを強くつくると、プチッと音がしてその傷口が割れて血が出る。
手にチカラを入れて何かする時は覚悟しないといけませんw。
ハンドクリームもあまり効かない。塗って就寝する習慣もなかなか身につきません。
バンドエイドをするにしても、ふやけるだけですぐに割れ始めます。それにバンドエイドであの糊がべたべたと手につくのは困る(泣)。
ああいうのにフルコートなんてよかったのに、アタシは副作用のことを誤解していて避けていた。
子供の頃は成長期だったからかそれがこぶし全般に来るのが常でしたw。
手の甲の肌が冬になるとよく荒れて、クリームなんてつけないものだからカサカサ。
小さなヒビ割れが手の甲の全体に広がっていました。
象の肌みたいな感じに思った覚えがあります。
そのこぶしをぎゅっと握ると、無数のヒビ割れから小さく出血したものです。
手に小さな血の斑点が滲みてゆきます。
なぜかアタシはそれを面白く思って、自虐的によく街角でやってたものでした。
電車通学の途中、アタシのそんな冬のアカギレの手を見咎めてくれた尾根遺産がいました。
アタシを見下ろした尾根遺産はアタシの手を優しく撫でてくれ、彼女のハンカチで包んでくれた。
嬉しくて、とても切なくて、そしてなぜか悲しくて、アタシは泣きそうになった。
その腰に一度抱きつくと彼女はアタシの頭を撫でてくれた。
それは一瞬の至福の刹那でした。
アタシはとたんに恥ずかしくなって、次の駅で脱兎のように逃げるように電車を降りてしまった。振り返りもしないで。
そのハンカチはずっと長らく大事に持っていたものです。
そんな振り返りのこと。
夢のようなことも起きる。
おそまつ
※ ちょっと冷えていたのですっかり寒いお話になってしまいました。
申し訳ないw。
しかし切なさというのも、寒さにこそ相応しいものです。
「マッチ売りの少女」とか。「フランダースの犬」とか。その雰囲気。
あの犬は「ネロ」って言ってたか。
いい歳になっても「ショタ」みたいなのに憧れる気持ちがあるのには自分でも驚く。
ナイショにしてはいますがパートナーにもアタシはそんな感情を抱いてはいます。
こういうのは幼少期の影響なのか、どうか。
自分よりも弱いものを思い通りにしようとは思えない。
※ ググッたら違ってたw。
いや、いい加減なことではいけません。お叱りを受ける(笑)。
ネロは少年の名前でした。
犬は「パトラッシュ」、ああ、そうそう。そうだったw。
